基礎的な物理学及び基礎的な化学84化学反応式・物質量

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問84:化学反応式・物質量

不完全燃焼に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 不完全燃焼とは、可燃物が燃焼範囲の下限値を下回る濃度で燃焼することをいう。
  • 不完全燃焼が起こると、完全燃焼の生成物(CO2・H2O)以外に一酸化炭素(CO)が発生することがある。正答
  • 一酸化炭素(CO)は不燃性ガスであり、二次的な爆発の危険はない。
  • 換気の良い屋外では酸素が十分にあるため、第4類危険物は必ず完全燃焼する。
  • 不完全燃焼が起こっても、人体への影響はほとんどない。
正答:不完全燃焼が起こると、完全燃焼の生成物(CO2・H2O)以外に一酸化炭素(CO)が発生することがある。

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正しいのはイです。不完全燃焼が起こると、通常の完全燃焼(CO2・H2O)とは異なり、一酸化炭素(CO)が発生することがあります。

  • ア(誤): 不完全燃焼は「酸素不足で燃焼が不十分」な状態。燃焼範囲の下限値の話ではない。
  • イ(正): 不完全燃焼→CO(一酸化炭素)発生。正しい。
  • ウ(誤): CO(一酸化炭素)は可燃性ガス(燃焼範囲約12.5〜74%)で爆発する危険がある。不燃性ではない。
  • エ(誤): 屋外でも大量の可燃物が燃焼するとき(火災時)は局所的に酸素不足になり不完全燃焼が起こる。
  • オ(誤): CO(一酸化炭素)は猛毒。血中ヘモグロビンと結合して酸素輸送を阻害し、一酸化炭素中毒を起こす。

「不完全燃焼 → CO(有毒・可燃性)発生」を必ず覚えてください。

標準試験対策の基準レベル

不完全燃焼の定義とCO(確立した化学):

不完全燃焼とは、酸素の供給が不十分な状態での燃焼で、炭素が CO2 まで完全に酸化されず、中間生成物の一酸化炭素(CO)が生成される現象です。

完全燃焼(酸素十分): C + O2 → CO2

不完全燃焼(酸素不足): 2C + O2 → 2CO(または一部がCOのまま残る)

一酸化炭素(CO)の性質:

  • 無色・無臭の気体(感知困難)
  • 可燃性: 燃焼範囲約 12.5〜74%(広い)
  • 有毒: ヘモグロビンとの結合力はO2の200倍以上(一酸化炭素中毒)

各選択肢:

  • ア(誤): 不完全燃焼は「酸素不足による不十分な酸化」。燃焼範囲下限の話ではない。
  • イ(正): 不完全燃焼でCOが発生する。正しい。
  • ウ(誤): COは燃焼範囲12.5〜74%の可燃性ガス。COが充満した空間で着火が起これば爆発(CO爆発)する危険がある。
  • エ(誤): 屋外でも大型火災では火源の近傍で酸素が消費され不完全燃焼が起こる。完全燃焼が「必ず」起こるとは言えない。
  • オ(誤): COは猛毒(一酸化炭素中毒)。密閉空間での暖房器具の不完全燃焼による中毒事故は年間多数発生。

引っかけ: ウ(CO は不燃性)が最頻出の誤り。CO は可燃性・有毒の両方で危険。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景:不完全燃焼のメカニズム】

燃焼の化学反応では、炭素(C)が酸素(O2)と反応するとき、酸素量が十分なら最終生成物は CO2 になります(C + O2 → CO2)。しかし酸素が不十分な場合、炭素の酸化が中途半端で CO(一酸化炭素)が生成します(2C + O2 → 2CO)。COはさらに酸素があれば CO2 に酸化されます(2CO + O2 → 2CO2)が、酸素が不足する環境ではこの反応が完結しません。

不完全燃焼が起こりやすい条件:

  • 空気(酸素)供給量が燃料に対して不足(空気比 < 1)
  • 火炎温度が低い(低温では酸化反応速度が落ちる)
  • 燃焼装置の混合が不均一(燃料リッチな部分が生じる)
  • 消火工程(消火剤投入で酸素を排除したとき)

【一酸化炭素(CO)の危険性の二重性】

COは「可燃性」と「有毒性」の両方の危険を持つ点が特徴です。

可燃性の側面:燃焼範囲 約12.5〜74%(広い)。閉鎖空間(タンク内・建物内)でCOが蓄積すると引火・爆発の危険があります。これを「CO爆発」といい、火災の後期(酸素消費後)に起こる危険な二次現象の一つです。

有毒性の側面:COはヘモグロビン(Hb)とO2の200〜300倍の結合親和性を持ちます。CO-Hbが形成されると酸素輸送能力が著しく低下し、一酸化炭素中毒(頭痛・吐き気→意識喪失→死亡)が起こります。CO濃度0.1%(1,000 ppm)の空気を1時間吸入すると危険、0.5%では30分で致死的とされます。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(誤): 不完全燃焼は酸素不足による現象。燃焼範囲の概念(蒸気濃度の上下限)とは別の話。
  • イ(正): 正しい。完全燃焼生成物(CO2・H2O)以外にCOが発生する。
  • ウ(誤): CO は可燃性(燃焼範囲12.5〜74%)で不燃性ではない。また有毒で中毒を起こす。二重の危険性(可燃性+有毒性)がある。
  • エ(誤): 屋外でも局所的な酸素不足(大型タンク火災・地下空間等)では不完全燃焼が起こる。「必ず完全燃焼」とは言えない。
  • オ(誤): CO中毒は年間多数の死亡事故を引き起こす重篤な中毒。「ほとんど影響ない」は危険な誤り。

【試験での位置づけ】

乙四試験では「不完全燃焼→CO発生」「CO は可燃性かつ有毒」が核心です。CO の燃焼範囲(12.5〜74%)は二硫化炭素(1.3〜50%)やジエチルエーテル(1.9〜48%)と並んで広い燃焼範囲を持つ物質として覚えておきます。消火活動での換気の重要性(CO蓄積防止)と接続して理解すると記憶が定着します。

【根拠】確立した化学(不完全燃焼・CO の可燃性と有毒性)。

【補足】不完全燃焼(酸素不足)→CO発生。CO:燃焼範囲12.5〜74%(可燃性)・ヘモグロビン結合(有毒)。

<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 不完全燃焼=酸素不足でCO生成、COは可燃性+有毒の二重危険すべて正確。CO燃焼範囲は一次ソース(New Cosmos資料・川口液化ケミカル・ソーキ)で12.5〜74%と確認し全箇所を「約12.5〜74%」に修正済。ヘモグロビン結合(O2の200〜300倍)も妥当。正答イで一意(ア燃焼範囲下限/ウ不燃性/エ必ず完全燃焼/オ無害 はすべて誤り)。確定。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した化学(不完全燃焼の定義・CO発生)。不完全燃焼では酸素不足により炭素がCO2まで酸化されずCOが生成する。COは可燃性・有毒であり、乙四試験でも重要。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

不完全燃焼とCO発生・閉鎖空間での危険性頻出度C

基礎的な物理学及び基礎的な化学の他の問題

1
燃焼(引火点・発火点・燃焼範囲)
2
静電気
3
物質の三態・状態変化
4
密度・比重
5
熱量・比熱・熱膨張・熱移動
6
熱量・比熱・熱膨張・熱移動

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