危険物乙四 危険物に関する法令 問107:製造所等の区分
移動タンク貯蔵所に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア移動タンク貯蔵所とは、車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵または取り扱う貯蔵所をいい、一般にタンクローリーと呼ばれる。正答
- イ移動タンク貯蔵所は、危険物の貯蔵のみを目的とした施設であり、移動中に危険物を取り扱うことは一切認められていない。
- ウ移動タンク貯蔵所は地下に設置するタンクであり、ガソリンスタンドの地下タンクがこれにあたる。
- エ移動タンク貯蔵所の乗務員は危険物取扱者の免状の携帯が義務づけられており、移送中に免状を持参しない場合は即座に業務禁止となる。
- オ移動タンク貯蔵所は地盤面下に埋設して設置するタンクであり、指定数量の倍数にかかわらず定期点検の義務はない。
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正しいのはアです。移動タンク貯蔵所は、車両に固定されたタンクで危険物を貯蔵・取り扱う貯蔵所で、タンクローリーのことです。
- ア(正): 車両に固定されたタンクでの貯蔵・取扱い=移動タンク貯蔵所。
- イ(誤): 「移動中の取扱い禁止」という規定はなく、貯蔵と取扱いの両方が定義に含まれる。
- ウ(誤): 移動タンク貯蔵所は地上を走行する。地下のタンクは「地下タンク貯蔵所」。
- エ(誤): 免状を携帯しない場合でも「即座に業務禁止」という規定は誤り。ただし携帯義務はある。
- オ(誤): 移動タンク貯蔵所は地上を走行する車両であり、地盤面下に埋設するのは「地下タンク貯蔵所」。また移動タンク貯蔵所は指定数量の倍数にかかわらず定期点検の義務がある(義務なしは誤り)。
「移動タンク貯蔵所=車両固定タンク=タンクローリー」を押さえます。
移動タンク貯蔵所の定義と特徴(危政令第2条第7号):
移動タンク貯蔵所は「車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所」と定義されます(危政令第2条第7号)。日常で「タンクローリー」と呼ばれる車両がこれにあたります。
- ア(正): 定義のとおり。車両固定タンクで貯蔵・取扱いを行う貯蔵所。
- イ(誤): 定義に「取り扱う」も含まれており、移動中の取扱いを一切禁止する規定はない。移送(タンクローリーによる危険物の運搬)は本来の業務形態。
- ウ(誤): 移動タンク貯蔵所は地上を走行する車両。地下のタンクで危険物を貯蔵するのは「地下タンク貯蔵所」(危政令第2条第5号)。両者は全く別の区分。
- エ(誤): 移動タンク貯蔵所の危険物取扱者(乗務員)は移送中に免状を携帯する義務があるが(危政令第30条の2)、携帯していない場合の罰則は「即座に業務禁止」ではなく、法令上の罰則規定による。誤りは「即座に業務禁止」という表現。
- オ(誤): 移動タンク貯蔵所は車両(タンクローリー)であり地上を走行する。「地盤面下に埋設」するのは地下タンク貯蔵所(危政令第2条第5号)であって移動タンク貯蔵所ではない。さらに移動タンク貯蔵所は指定数量の倍数にかかわらず定期点検の義務がある(危政令第8条の5第1項)。「定期点検義務はない」も誤り。二重に誤った記述。
引っかけパターン: 移動タンク貯蔵所(タンクローリー)と地下タンク貯蔵所の混同が最頻出。「車両固定タンク=移動タンク」「地下タンク=地下タンク貯蔵所」の対応を固定します。
【理論的背景】
危険物施設の区分には「貯蔵所」7種類(屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・地下タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・屋外貯蔵所)と「製造所」「取扱所」4種類(給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所・一般取扱所)、そして「製造所」の12区分があります(危政令第2条・第3条)。移動タンク貯蔵所はこのうちの「貯蔵所」の一つで、車両(タンクローリー)に固定されたタンクで危険物を貯蔵・取り扱う施設です。
移動する性質から、固定施設のような保安距離・保有空地の確保は適用されませんが、その代わり「移動中の安全」を確保するための規定(免状携帯・消火設備・タンクの基準・標識等)が設けられています。
【実務・条文構造】
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)の主要規制:
- 定義: 「車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所」(危政令第2条第7号)。
- 免状携帯義務: 移動タンク貯蔵所によって危険物を移送する場合、危険物取扱者は免状を携帯する義務がある(危政令第30条の2)。
- 消火設備: 移動タンク貯蔵所には、貯蔵・取り扱う危険物に適応した消火器を備える義務がある(危規則第62条等)。
- 標識: 「危」の文字を示す標識(赤地に白字)を前後に掲げる義務がある。
- 接地(アース): 可燃性蒸気を発生する液体危険物の移送時は静電気による放電を防ぐため接地装置を備えること。
- 定期点検義務: 移動タンク貯蔵所は指定数量の倍数にかかわらず定期点検義務がある(危政令第8条の5第1項)。
地下タンク貯蔵所との混同防止:
- 地下タンク貯蔵所は「地盤面下に埋設されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所」(危政令第2条第5号)。ガソリンスタンドの地下タンクがこれにあたる。
- 移動タンク貯蔵所は「移動」・地下タンク貯蔵所は「地中固定」と区別する。
【試験での位置づけ】
移動タンク貯蔵所は法令科目で区分定義と移送基準の両面で頻出です。(1)定義は「車両固定タンク=タンクローリー」、(2)地下タンク貯蔵所と混同しない、(3)移送中の免状携帯義務、(4)定期点検義務は倍数に関係なく全移動タンク貯蔵所に義務、が核心です。また、移動タンク貯蔵所の乗務員は免状を携帯し(保安監督者とは別)、移送の基準(充てん・移送速度・停車等)に従う義務があります。他の貯蔵所区分(屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所)と一覧で整理すると区分問題全体を取りこぼしません。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 危政令第2条第7号の定義どおり。車両固定タンク=タンクローリー。
- イ(誤): 定義に「取り扱う」も含まれており、移動中の取扱い禁止という規定はない。
- ウ(誤): 地下に埋設されたタンクは「地下タンク貯蔵所」。移動タンク貯蔵所は地上走行の車両。
- エ(誤): 免状携帯義務はあるが「携帯しなければ即座に業務禁止」という表現は規定を誇張した誤り。
- オ(誤): 地盤面下に埋設するのは地下タンク貯蔵所であり、移動タンク貯蔵所(地上走行の車両)ではない。さらに移動タンク貯蔵所は倍数にかかわらず定期点検義務がある(危政令第8条の5第1項)。記述は二重に誤り。
【根拠法令】危険物の規制に関する政令 第2条第7号(移動タンク貯蔵所の定義)、第30条の2(移送の基準・免状携帯)、第8条の5第1項(定期点検義務)。
【補足】移動タンク貯蔵所=車両固定タンク(タンクローリー)。地下タンク貯蔵所(地下埋設)と混同しない。免状携帯義務・定期点検義務あり。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 旧選択肢オ「保安距離・保有空地の確保が義務づけられていない」は事実として正しい記述で正答アと二重正答だった。オを「地盤面下に埋設+定期点検義務なし」(二重に誤り=地下タンク貯蔵所との混同・定期点検は倍数問わず義務)に差し替えて正答一意化。定義(危政令第2条第7号)・免状携帯(第30条の2)・定期点検義務(第8条の5第1項)は正確。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 危険物の規制に関する政令 第2条第7号(移動タンク貯蔵所の定義)。「車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所」(タンクローリー等)。移動タンク貯蔵所は地上を移動する施設であり、地下に設置する「地下タンク貯蔵所」とは別物。移動タンク貯蔵所の乗務員(危険物取扱者)は移送中に免状を携帯する義務がある(危政令第30条の2等)。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。