危険物乙四 危険物に関する法令 問116:許可・承認・届出
製造所等の完成検査および完成検査前検査に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア製造所等の設置工事が完成した後、市町村長等が行う完成検査に合格し、完成検査済証の交付を受けた後でなければ使用を開始することができない。正答
- イ完成検査済証の交付を受けていない製造所等でも、設置許可を持っていれば使用を開始することができる。
- ウ完成検査前検査(中間検査)は、すべての製造所等に義務づけられている。
- エ完成検査は民間の第三者機関が実施するものであり、市町村長等は関与しない。
- オ完成検査に合格しなかった場合、施設を設置許可申請からやり直す必要があり、既存の設置許可は自動的に失効する。
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正しいのはアです。製造所等は、工事が完成した後に完成検査を受けて完成検査済証の交付を受けてから初めて使用を開始できます。
- ア(正): 完成検査済証の交付後に使用開始できる。
- イ(誤): 設置許可があっても、完成検査済証がなければ使用を開始できない。
- ウ(誤): 完成検査前検査(中間検査)はすべての施設ではなく、タンク等の政令で定める施設のみ。
- エ(誤): 完成検査は市町村長等が実施する行政行為。民間機関が行うものではない。
- オ(誤): 合格しなかった場合は不合格の部分を改修して再検査を受けることになり、設置許可が自動失効するわけではない。
「完成検査=市町村長等が実施・合格後に完成検査済証交付・使用開始可」を押さえます。
完成検査の手続(消防法第11条第5項):
製造所等の設置工事完成後、使用を開始する前に市町村長等による完成検査を受け、技術基準への適合が確認されれば完成検査済証が交付されます。完成検査済証の交付を受けた後でなければ使用を開始できません(消防法第11条第3項)。
- ア(正): 完成後→完成検査→完成検査済証交付→使用開始という流れが正確。
- イ(誤): 設置許可は「設置してよい」という許可であり、完成後の使用は完成検査済証が必要。設置許可だけでは使用開始できない。
- ウ(誤): 完成検査前検査(中間検査)は、政令で定める一定の施設(液体危険物を貯蔵するタンク等)のみが対象(危政令第8条)。全施設一律の義務ではない。
- エ(誤): 完成検査は市町村長等(消防本部の職員等)が実施する。民間機関に委託することはなく、行政が直接確認する。
- オ(誤): 完成検査に合格しなかった場合、不合格箇所を改修した上で再検査を受ける。設置許可が自動的に失効するわけではない。失効するのは「許可取消処分」がなされた場合等。
引っかけパターント: 「設置許可のみで使用開始可」(イ)、「完成検査前検査は全施設義務」(ウ)が定番。「許可→工事→完成検査→済証→使用開始」の流れを固定します。
【理論的背景】
設置許可は「この設計・場所で危険物施設を設置してよい」という事前の承認です。しかし許可だけでは「実際に正しく施工されたか」は確認できません。そこで工事完成後に行政(市町村長等)が現場を直接確認し(完成検査)、技術基準に適合していることが確認された施設にのみ完成検査済証を交付して使用を認める二段階構造になっています。これにより「許可どおりに施工されていない施設が稼働する」リスクを排除しています。
完成検査前検査(中間検査)は、工事完成後の確認では「内部が見えない」タンク(溶接部の水圧試験等)について、完成前(工事途中)の段階でタンクの強度・密閉性を確認するものです。地下タンク・屋外タンク等の液体危険物を貯蔵するタンクが対象で、全施設一律ではありません。
【実務・条文構造】
設置から使用開始までの手続フロー(消防法第11条等):
1. 設置許可申請 → 市町村長等が審査
2. 設置許可交付 → 許可を受けた設計・場所で工事着手
3. 完成検査前検査(タンク等のみ): 危政令第8条。液体危険物貯蔵タンク等について完成前に中間検査(水圧試験・溶接検査等)。
4. 工事完成 → 完成検査申請
5. 完成検査(消防法第11条第5項): 市町村長等が現地確認。技術基準(位置・構造・設備)への適合チェック。
6. 完成検査済証交付: 合格した場合に交付。
7. 使用開始: 完成検査済証交付後に初めて使用可能(第11条第3項)。
完成検査前使用禁止(第11条第3項):
- 完成検査済証の交付前の使用は禁止。
- 例外: 仮使用承認(第11条第3項ただし書き)を受けた場合は変更工事に係る部分以外は使用継続可。
完成検査前検査が不要な施設:
- 完成検査前検査が不要なのは、容量が小さいタンク(簡易タンク貯蔵所等)・容器類(屋内貯蔵所等の容器保管施設)等、タンク本体の水圧試験を必要としない施設区分。
【試験での位置づけ】
完成検査は法令A頻出です。(1)完成後→市町村長等が完成検査実施→完成検査済証交付→使用開始、(2)完成検査済証前の使用は禁止(許可のみでは不可)、(3)完成検査前検査はタンク等の政令所定施設のみ(全施設不要)、(4)完成検査は市町村長等が実施(民間機関ではない)、が核心です。引っかけは「設置許可のみで使用可」(イ)、「完成前検査は全施設義務」(ウ)、「民間機関が実施」(エ)です。「設置許可→工事→(タンク等は完成前検査)→完成→完成検査→済証→使用」という一連の流れとして整理します。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 完成検査→済証交付→使用開始の流れが正確(消防法第11条第3・5項)。
- イ(誤): 設置許可だけでは使用開始できない。完成検査済証の交付が条件。
- ウ(誤): 完成検査前検査(中間検査)は政令所定のタンク等のみ(危政令第8条)。全施設義務ではない。
- エ(誤): 完成検査は市町村長等(行政)が実施。民間機関が行うものではない。
- オ(誤): 不合格の場合は改修後に再検査。設置許可は自動失効しない(許可取消は別手続き)。
【根拠法令】消防法 第11条第3項(完成検査前使用禁止)、第11条第5項(完成検査)、危険物の規制に関する政令 第8条(完成検査前検査・タンク等)。
【補足】完成検査=市町村長等が実施・済証交付後に使用開始。完成検査前検査(タンク等の中間検査)は政令所定施設のみ。設置許可だけでは使用開始不可。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 完成検査(消防法第11条第5項・市町村長等が実施)・完成検査前使用禁止(第11条第3項)・完成検査前検査は政令所定のタンク等のみ(危政令第8条)を確認。正答ア一意・条文と記述に誤りなし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 消防法第11条第5項(完成検査)、第11条第3項(完成検査前使用禁止)、危険物の規制に関する政令第8条(完成検査前検査)。設置工事完成後に市町村長等が完成検査を実施し、完成検査済証の交付を受けた後に使用開始できる。完成検査前検査は液体の危険物を貯蔵するタンク等、政令で定める施設のみが対象(全施設一律ではない)。完成検査は市町村長等が実施。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。