危険物乙四 危険物に関する法令 問118:許可・承認・届出
製造所等の譲渡・引渡しおよび廃止に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア製造所等の所有者等が変わる場合(譲渡・引渡し)、新たな所有者等は遅滞なく市町村長等に届け出なければならない。正答
- イ製造所等を廃止しようとする場合、廃止予定日の30日前までに市町村長等へ届け出る必要がある。
- ウ製造所等を譲渡した場合、前の所有者が保有していた完成検査済証は自動的に失効し、新しい所有者は改めて設置許可申請をしなければならない。
- エ製造所等を廃止した場合、危険物の残留がなければ行政への届出は不要で、廃止日から1年以内に撤去すれば足りる。
- オ製造所等の譲渡・引渡しについては消防法上の手続が不要で、民事上の売買契約のみで足りる。
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正しいのはアです。製造所等が譲渡・引き渡された場合、新しい所有者等は遅滞なく市町村長等に届け出ます。
- ア(正): 譲渡・引渡し後、遅滞なく届け出る(消防法第11条の5第2項)。
- イ(誤): 廃止の届出は「廃止した後遅滞なく」(廃止前30日前ではない)。
- ウ(誤): 製造所等の譲渡・引渡しによって許可の地位が承継され、完成検査済証は失効しない。再申請は不要。
- エ(誤): 廃止後の届出義務がある(消防法第12条の6)。危険物残留の有無にかかわらず届出が必要。
- オ(誤): 消防法上の届出義務がある(民事の売買契約だけでは足りない)。
「譲渡・引渡し=遅滞なく届出、廃止=廃止後遅滞なく届出」を押さえます。
譲渡・引渡し届出と廃止届出(消防法第11条の5第2項・第12条の6):
- ア(正): 製造所等の譲渡または引渡しを受けた者(新しい所有者等)は、遅滞なく市町村長等に届け出る義務がある(消防法第11条の5第2項)。この届出により行政が製造所等の所有者情報を把握し続けられる。
- イ(誤): 廃止の届出は「廃止した後遅滞なく」(消防法第12条の6)。「廃止前30日前まで」という期限は誤り。廃止後に速やかに届け出ることが求められる。
- ウ(誤): 製造所等の許可に基づく地位は所有者等に引き継がれる(地位の承継)。完成検査済証は失効せず、改めての設置許可申請は原則不要。
- エ(誤): 廃止後は行政への届出が必要(消防法第12条の6)。危険物の残留の有無にかかわらず届出義務がある。
- オ(誤): 消防法第11条の5第2項に届出義務が規定されており、民事の売買契約のみでは足りない。
引っかけパターント: 廃止を「廃止前30日前」とする誤り(正しくは廃止後遅滞なく)、「再申請が必要」とする誤り(地位の承継)、「届出不要」とする誤り。
【理論的背景】
危険物施設の許可は「施設」そのものに付随するものであり、施設の所有者が変わっても施設の許可は失効しません。ただし、新しい所有者がその許可の存在を把握し、行政もその所有者情報を最新の状態に保つ必要があるため、譲渡・引渡しの場合には新旧の所有者情報を更新する届出が義務づけられています(地位の承継と届出)。
廃止の場合は施設が消滅することになるため、行政が製造所等の廃止を把握して管理台帳等を更新する必要があります。廃止後遅滞なく届け出ることで、行政の管理情報が正確に維持されます。廃止届を怠ると、廃止した施設が「稼働中の危険物施設」として行政管理上残り続け、不必要な定期点検命令・報告要求等の問題が生じる可能性があります。
【実務・条文構造】
主要な届出の整理(手続・期限の比較):
| 事由 | 根拠条文 | 期限 | 手続 |
|---|---|---|---|
| 品名・数量・倍数の変更 | 消防法第11条の4 | 変更前10日前まで | 届出 |
| 譲渡・引渡し(新所有者等) | 消防法第11条の5第2項 | 遅滞なく(事後) | 届出 |
| 廃止 | 消防法第12条の6 | 廃止後遅滞なく | 届出 |
| 保安監督者の選任・解任 | 消防法第13条第2項 | 遅滞なく(事後) | 届出 |
地位の承継:
- 製造所等の許可を受けた者が施設を譲渡・引渡しした場合、新たな所有者等は旧所有者等の地位を承継する(消防法第11条の5第1項等)。
- 完成検査済証・設置許可は失効せず、新しい所有者等に引き継がれる。
- ただし、新たな所有者等は届出義務があり(第2項)、届出を怠ると罰則の対象になり得る。
廃止届出(消防法第12条の6):
- 「製造所等の用途を廃止した場合」、所有者等は遅滞なく市町村長等に届け出る義務。
- 廃止前の事前届出義務ではなく、廃止後の事後届出。
- 廃止後、危険物が残留していれば危険物の適切な処理・撤去も必要。
【試験での位置づけ】
譲渡・引渡し届出と廃止届出は法令科目でセットで問われます。(1)譲渡・引渡し=新所有者等が遅滞なく届出、(2)廃止=廃止後遅滞なく届出(事前30日前ではない)、(3)地位の承継あり(完成検査済証失効せず・再申請不要)、(4)両方とも届出義務あり(無手続き不可)、が核心です。引っかけは「廃止前30日前」(イ)、「完成検査済証失効・再申請必要」(ウ)、「民事契約のみで足りる」(オ)です。各種届出の期限一覧(10日前/遅滞なく)を整理すると混同を防げます。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 消防法第11条の5第2項のとおり。新しい所有者等が遅滞なく届出。
- イ(誤): 廃止は廃止後遅滞なく届出(消防法第12条の6)。廃止前30日前という期限は誤り。
- ウ(誤): 地位の承継により完成検査済証は失効しない。再申請は原則不要。
- エ(誤): 廃止後は届出義務あり(消防法第12条の6)。危険物残留の有無に関係なく届出が必要。
- オ(誤): 消防法上の届出義務があり、民事の売買契約のみでは足りない。
【根拠法令】消防法 第11条の5第2項(譲渡・引渡し届出・遅滞なく)、第12条の6(廃止届出・廃止後遅滞なく)。
【補足】譲渡・引渡し=新所有者等が遅滞なく届出。廃止=廃止後遅滞なく届出。地位の承継あり(完成検査済証失効せず)。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 譲渡・引渡し届出(消防法第11条の5第2項・遅滞なく)・廃止届出(第12条の6・廃止後遅滞なく)・地位の承継(完成検査済証失効せず)を確認。「廃止前30日前」は誤肢で正答ア一意・誤りなし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 消防法第11条の5第2項(譲渡・引渡し届出:遅滞なく)、消防法第12条の6(廃止届出:廃止した後遅滞なく)。譲渡・引渡しの場合、新たな所有者等は「遅滞なく」市町村長等に届け出る。廃止の場合は廃止した後「遅滞なく」届け出る(廃止前30日前ではない)。設置許可は失効しない(地位の承継あり)。廃止は届出義務あり。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。