問題
ある貯蔵所において、ガソリン800 L、軽油4,000 L、アセトン1,200 L を貯蔵している。この貯蔵所における指定数量の倍数とその扱いについて、消防法の規定に照らして正しいものはどれか。なお指定数量はガソリン200 L、軽油1,000 L、アセトン400 L とする。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはウです。品目ごとに「貯蔵量÷指定数量」を計算して合算します。
- ガソリン: 800 ÷ 200 = 4
- 軽油: 4,000 ÷ 1,000 = 4
- アセトン: 1,200 ÷ 400 = 3
- 合計: 4 + 4 + 3 = 11 → 正答ウ
種類の違う危険物も合算し、合計が1以上なら指定数量以上とみなされます(消防法第10条第2項)。
- ア(誤): 合計は9ではなく11。
- イ(誤): 品目ごとではなく合算する。
- エ(誤): 基準は「5以上」ではなく「1以上」。
- オ(誤): 届出は変更しようとする日の10日前まで。
複数品目の倍数計算(消防法第10条第2項・第11条の4第1項):
指定数量は設問で与えられた値を使います。
| 品目 | 指定数量 | 貯蔵量 | 倍数 |
|---|---|---|---|
| ガソリン | 200 L | 800 L | 4 |
| 軽油 | 1,000 L | 4,000 L | 4 |
| アセトン | 400 L | 1,200 L | 3 |
| 合計 | 11 |
消防法第10条第2項は、品名又は指定数量を異にする二以上の危険物を同一の場所で貯蔵する場合、それぞれの数量を指定数量で除した商の和が1以上となるときは、指定数量以上の危険物を貯蔵しているものとみなすと定めています。第11条の4第1項も、二以上の危険物を貯蔵する場合の「指定数量の倍数」を各商の和と定義しています。
- ウ(正): 合計11は1以上なので、指定数量以上の危険物を貯蔵しているものとみなされる。
- ア(誤): 合計は9ではなく11。
- イ(誤): 品名や指定数量が異なっても合算する(第10条第2項)。
- エ(誤): みなしの基準は「商の和が1以上」であり、「5以上」ではない。
- オ(誤): 位置、構造又は設備を変更しないで倍数を変更しようとする者は、変更しようとする日の10日前までに市町村長等に届け出る(第11条の4第1項)。変更後の届出ではない。
引っかけパターン: アセトンの指定数量(400 L)をガソリンと同じ200 Lで計算すると、アセトンの倍数が6になり合計は14になります。設問で与えられた指定数量を品目ごとに正しく当てはめることが前提です。
【理論的背景】
消防法は、指定数量以上の危険物を貯蔵所以外の場所で貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所で取り扱うことを禁じています(第10条第1項)。品目が1つなら「貯蔵量が指定数量以上か」で判定できますが、品名や指定数量の異なる危険物を同じ場所に置く場合、1品目ずつでは指定数量未満でも、まとめれば危険性は大きくなります。そこで第10条第2項は、各危険物の数量をそれぞれの指定数量で除した商を合計し、その和が1以上となるときは、その場所で指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱っているものとみなすと定めています。第11条の4第1項も、二以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合の「指定数量の倍数」を各商の和と定義しています。倍数は品目ごとに判定するのではなく、合算して判定します。
【実務・条文構造】
本問の計算(検算):
- ガソリン: 指定数量200 L → 800÷200=4
- 軽油: 指定数量1,000 L → 4,000÷1,000=4
- アセトン: 指定数量400 L → 1,200÷400=3
- 合計倍数: 4+4+3=11(1以上)
アセトンは第4類第一石油類の水溶性液体です(職場のあんぜんサイト GHSモデルSDS「消防法第4類引火性液体、第一石油類水溶性液体」)。本問ではアセトンの指定数量400 Lを設問で与えており、ガソリン(200 L)と同じ値で計算しないことが正確な計算の前提です。
倍数と消防法本則の関係:
| 倍数 | 消防法上の扱い |
|---|---|
| 1未満 | 貯蔵・取扱い及び場所の位置、構造、設備の技術上の基準は市町村条例で定める(第9条の4) |
| 1以上 | 貯蔵所以外の場所での貯蔵、製造所・貯蔵所・取扱所以外の場所での取扱いは禁止(第10条第1項)。製造所等の設置・変更は市町村長等の許可(第11条第1項)。位置、構造及び設備の技術上の基準は政令で定める(第10条第4項) |
なお、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて、指定数量以上の危険物を10日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、第10条第1項の禁止の例外となります(同項ただし書)。また、製造所等の位置、構造又は設備を変更しないで、品名、数量又は指定数量の倍数を変更しようとする者は、変更しようとする日の10日前までに市町村長等に届け出なければなりません(第11条の4第1項)。
【試験での位置づけ】
複数品目の倍数計算は法令の定番です。(1)品目ごとに「貯蔵量÷指定数量」を出す、(2)品名や指定数量が異なっても合算する、(3)和が1以上なら指定数量以上とみなす、の3段階を確実にこなすことが核心です。引っかけは、計算結果の数値ずらし(ア)、「品目ごとに判定し合算しない」(イ)、みなしの基準値のすり替え(エ)、倍数変更の届出時期を「変更後」にすり替える(オ)です。届出の「変更しようとする日の10日前まで」と、仮貯蔵・仮取扱いの「10日以内の期間」はどちらも10日なので、前後を取り違えないようにします。
【各選択肢の発展補足】
- ア(誤): 正しい合計は4+4+3=11であり、9ではない。後半の「指定数量以上とみなされる」は正しいが、倍数の値が誤っている。
- イ(誤): 第10条第2項は、品名又は指定数量を異にする二以上の危険物を同一の場所で貯蔵する場合、各商の和で判定すると定める。第11条の4第1項の「指定数量の倍数」も各商の和。品目ごとの判定ではない。
- ウ(正): 4+4+3=11。商の和が1以上なので、指定数量以上の危険物を貯蔵しているものとみなされる(第10条第2項)。
- エ(誤): 第10条第2項のみなしの基準は「商の和が一以上」。「5以上に限り」という限定はない。
- オ(誤): 第11条の4第1項は「変更しようとする日の十日前までに、その旨を市町村長等に届け出なければならない」と定める。変更後10日以内の届出ではない。
【根拠法令】消防法第9条の4、第10条第1項・第2項・第4項、第11条第1項、第11条の4第1項。
【補足】倍数=各品目の「貯蔵量÷指定数量」の和。和が1以上なら指定数量以上とみなす。本問は4+4+3=11。倍数を変更するときの届出は変更しようとする日の10日前まで。
- 消防法第10条・第9条の4e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 消防法第10条第2項(品名又は指定数量を異にする二以上の危険物を同一の場所で貯蔵し、又は取り扱う場合、それぞれの数量を指定数量で除した商の和が一以上となるときは、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱っているものとみなす)、第11条の4第1項(指定数量の倍数の定義と、倍数を変更しようとする日の10日前までの届出)。指定数量は設問で与えた値(ガソリン200 L・軽油1,000 L・アセトン400 L)。ガソリン800÷200=4、軽油4,000÷1,000=4、アセトン1,200÷400=3、合計4+4+3=11。正答はウ。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。
