危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問22:品名分類
アルコール類(メタノール・エタノール)の性状および消火に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- アメタノール・エタノールは水に溶ける(水溶性)ため、火災には水溶性液体用の泡(耐アルコール泡)を用いる。正答
- イアルコール類は水に溶けないため、一般の泡消火剤で容易に消火できる。
- ウメタノールは無害で、誤って飲んでも人体に影響はない。
- エメタノール・エタノールは引火点が常温よりはるかに高く、常温では引火しない。
- オアルコール類の炎は昼間でも明るく見えやすいため、火災の発見が容易である。
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正しいのはアです。メタノール・エタノールは水に溶けるので、普通の泡は溶けて消えてしまいます。だから耐アルコール泡(水溶性液体用泡)を使います。
- ア(正): 水溶性なので耐アルコール泡を使う。
- イ(誤): 水に溶ける。一般の泡は溶けて消えるため不適。
- ウ(誤): メタノールは有毒(失明・死亡の危険)。無害は誤り。
- エ(誤): 引火点はメタノール11℃・エタノール13℃で常温付近。常温で引火する。
- オ(誤): アルコールの炎は淡く、昼間は見えにくい。
「アルコール類=水溶性・耐アルコール泡・引火点11/13℃・メタノール有毒」を押さえます。
アルコール類(メタノール・エタノール):
危政令でアルコール類は「炭素数1〜3の飽和1価アルコール」と定義され、指定数量は400Lです。
- 引火点: メタノール11℃、エタノール13℃。いずれも常温(20℃)付近で、常温で引火の危険がある(エ=誤)。
- 水溶性: 水によく溶ける(ア・イに関係)。
- メタノールは有毒: 飲むと失明・死亡の危険。蒸気も有毒(ウ=誤)。
- 炎が淡い: アルコールの炎は淡い青白色で、昼間は見えにくく火災の発見が遅れやすい(オ=誤)。
消火(最重要):
アルコール類は水溶性のため、一般の泡消火剤を使うと泡が溶けて消えてしまい消火できません(イ=誤)。そこで水溶性液体用泡(耐アルコール泡)を用います(ア=正)。多量の水で希釈する方法(希釈消火)も場合により有効です。
引っかけパターン:
- 水に溶けない/一般の泡で消えるとする誤り(イ)
- メタノールを無害とする誤り(ウ)
- 引火点が高く常温で引火しないとする誤り(エ)
- 炎が見えやすいとする誤り(オ)
「水溶性→耐アルコール泡/引火点11・13℃/メタノール有毒/炎は淡い」を固定します。
【理論的背景】
アルコール類は、分子中にヒドロキシ基(−OH)をもつ有機化合物です。危険物としてのアルコール類は「炭素数1〜3の飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)」と定義され、メタノール(CH₃OH)・エタノール(C₂H₅OH)・プロパノールが該当し、指定数量は400Lです。−OHのため水と自由に混ざる(水溶性)のが大きな特徴で、これが消火法を決定づけます。引火点はメタノール11℃・エタノール13℃と常温付近で、常温で引火する危険があります。
【水溶性と耐アルコール泡】
一般的な泡消火剤(たん白泡・界面活性剤泡等)は、燃えている液面を泡の層で覆って酸素を遮断(窒息消火)します。しかし、水溶性のアルコールに普通の泡をかけると、泡に含まれる水分がアルコールに溶け込み、泡が壊れて消えてしまうため、液面を覆い続けられず消火できません。そこで、アルコールに溶けにくい皮膜を作る水溶性液体用泡(耐アルコール泡/アルコール型泡)を使います。これはアルコール類・アセトン・酢酸など、すべての水溶性危険物の消火に共通する重要原則です。多量の水で薄めて引火しない濃度まで下げる希釈消火も補助的に有効ですが、火面が広がる危険もあるため慎重に行います。
【火災予防と毒性】
- 火災予防: 引火点が常温付近なので火気厳禁・静電気除去・換気・密栓・冷暗所貯蔵。蒸気は空気より重い(メタノール蒸気比重約1.1、エタノール約1.6)ため低所に滞留しやすい。
- メタノールの毒性: メタノールは有毒で、飲用すると体内でホルムアルデヒド・ギ酸に代謝され、失明や死亡を引き起こします。蒸気の吸入も有害。エタノール(飲用アルコール)より毒性が高く、取り違え・誤飲事故に注意。
- 炎の視認性: アルコールの炎は淡い青色で昼間は見えにくく、燃えていることに気づきにくい(火災発見の遅れ・接近時の危険)。これも安全上の注意点です。
【試験での位置づけ】
アルコール類は、(1)水溶性で耐アルコール泡が必要(一般の泡は溶けて消える)、(2)引火点メタノール11℃・エタノール13℃(常温付近)、(3)メタノールは有毒、(4)炎が淡く見えにくい、の各点が頻出です。最重要は「水溶性→耐アルコール泡」で、誤答は「水に溶けない/一般の泡で消える」とする逆転で作られます。「水に溶けるものに普通の泡は効かない(溶けて消える)から、専用の耐アルコール泡を使う」という因果を理解すれば確実です。同じ水溶性危険物のアセトン・酢酸・アセトアルデヒド・酸化プロピレンにも同じ消火原則が当てはまる点を横断的に押さえておきます。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 水溶性のため、火災には耐アルコール泡(水溶性液体用泡)を用いる。
- イ(誤): 水に溶ける。一般の泡は溶けて消えるため不適。
- ウ(誤): メタノールは有毒(失明・致死)。無害は誤り。
- エ(誤): 引火点はメタノール11℃・エタノール13℃で常温付近。常温で引火する。
- オ(誤): アルコールの炎は淡く、昼間は見えにくい。発見が容易は誤り。
【根拠】アルコール類(炭素数1〜3の飽和1価アルコール・指定数量400L)の性状(確定表)。
【補足】アルコール類=水溶性→耐アルコール泡(一般泡は溶けて消える)。引火点メタノール11・エタノール13℃。メタノールは有毒。炎は淡く見えにくい。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: アルコール類(炭素数1〜3の飽和1価アルコール・指定数量400L)の性状(確定表)。メタノール引火点11℃、エタノール引火点13℃(いずれも常温付近で引火)。水溶性。メタノールは有毒(失明・致死)。水溶性のため一般の泡は溶けて消えてしまい、**水溶性液体用泡(耐アルコール泡)**が必要。アルコールの炎は淡く昼間は見えにくい。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。