危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問64:消火方法
燃焼の三(四)要素と消火の方法に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア消火の四要素は「除去」「窒息」「冷却」「抑制(負触媒)」であり、燃焼の三要素(可燃物・酸素・点火源)に連鎖反応を加えた四要素に対応する。
- イ泡消火剤は液面を覆って酸素の供給を断つ「窒息」消火に該当する。
- ウ粉末消火剤やハロゲン化物消火剤の消火作用は、燃焼の連鎖反応を遮断する「抑制(負触媒)」消火に該当する。
- エ二酸化炭素消火剤は酸素濃度を下げる「窒息」消火だが、消火後は室内が無酸素状態になるため人体への影響はなく安全に使用できる。正答
- オガソリンの貯蔵容器から少量漏れた場合、漏れた危険物(可燃物)を取り除く「除去」消火が予防措置として有効である。
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誤りはエです。二酸化炭素消火後は酸素濃度が低下し、人間が酸欠になる危険があります(「人体への影響はない」は誤り)。
- ア(正): 消火の四要素は除去・窒息・冷却・抑制(負触媒)。燃焼四要素に対応する。
- イ(正): 泡は液面を覆う窒息消火。
- ウ(正): 粉末・ハロゲン化物は抑制(負触媒)消火。
- エ(誤): CO2消火後は酸素欠乏状態になり、人体への影響(酸欠・死亡)がある。「安全」は誤り。
- オ(正): 漏れた危険物(可燃物)を取り除く除去消火は有効な予防措置。
「CO2消火後は酸欠になる危険を忘れない」を押さえます。
燃焼・消火の四要素と第4類への適用:
消火の四要素は燃焼の四要素(可燃物・酸素供給源・点火源・連鎖反応)のそれぞれを断つことに対応します。
- ア(正): 消火の四要素と燃焼の四要素の対応:
- 除去 = 可燃物を取り除く
- 窒息 = 酸素供給源を断つ
- 冷却 = 点火源・熱量を奪う
- 抑制(負触媒) = 連鎖反応を止める
正しい。
- イ(正): 泡消火剤は液面を覆って空気(酸素)を遮断する窒息消火。正しい。
- ウ(正): 粉末消火剤・ハロゲン化物消火剤は燃焼の連鎖反応(ラジカル連鎖)を阻害する抑制(負触媒)消火。即効性がある。正しい。
- エ(誤): 二酸化炭素(CO2)消火剤は酸素濃度を下げる窒息消火ですが、消火後は室内が低酸素状態(酸欠)になります。人間が在室していると酸欠で死亡する危険があり、「人体への影響はなく安全」は誤り。CO2消火設備を作動させる際は、人員の避難確認が必須です。
- オ(正): 容器から漏れた危険物(可燃物)を回収・除去する「除去」は、火災を未然に防ぐ予防措置として有効。危険物保安の基本でもある。正しい。
引っかけパターント: CO2消火を安全とする(エ)、抑制を冷却と混同する、除去消火を否定する誤り。「CO2は酸欠に注意」を核心に。
【理論的背景】
燃焼と消火は鏡像の関係にあります。燃焼が成立するには可燃物・酸素供給源・点火源(熱源)の三要素(加えて連鎖反応で四要素)が必要で、消火はそのいずれかを断つことで達成されます。この理論は危険物の性質・消火法を統一的に理解する基盤であり、試験では「ある消火方法は四要素のどれに当たるか」という形で出題されます。
【消火の四要素と主な消火剤の対応】
| 消火要素 | 断つ燃焼要素 | 主な消火剤・手段 |
|---|---|---|
| 除去 | 可燃物 | 燃料カット・容器弁閉止・危険物撤去・ガス遮断 |
| 窒息 | 酸素供給源 | 泡・二酸化炭素・窒素・砂・遮蔽 |
| 冷却 | 点火源(熱量) | 水(大量)・強化液 |
| 抑制(負触媒) | 連鎖反応 | 粉末・ハロゲン化物(ハロン等) |
第4類では液面から出る蒸気が燃えるため、液面を覆う窒息(泡)が最も基本的です。棒状注水(冷却)は液面拡大で逆効果になる(冷却より延焼拡大が大きい)。
【CO2消火の酸欠リスク(重要な実務知識)】
二酸化炭素消火設備が作動すると室内のCO2濃度が大きく上昇し、酸素濃度が低下します。
- 空気中の酸素は通常約21%→消火のためには約15%以下に低下させる必要がある(不活性ガス消火の一般的な設計濃度)。
- CO2濃度が10〜15%以上になると人間は短時間で意識を失い、死亡に至る。
- このため、CO2消火設備は放出前に人員が避難完了したことを確認する(「予告警報→退避→放出」の手順)。「自動式のCO2消火設備は停電時に手動に切り替える」「遅延装置(放出まで時間を設ける)」等の安全措置が法令で定められている。
- 消火後も安全が確認されるまで室内に入らない。
【第4類への各消火手段の適用まとめ】
- 除去: タンク弁の閉止・危険物の移送・遮断 → 予防・初期対応として有効
- 窒息: 泡(液面覆い)・CO2(酸素希釈)→ 第4類の主力消火
- 冷却: 棒状注水は原則不適(液面拡大)。霧状水は引火点高い油に補助として条件付き有効
- 抑制: 粉末・ハロゲン化物 → 即効性。燃焼範囲の広い物質にも有効
【試験での位置づけ】
消火の四要素と各消火剤の対応は物理化学・性質科目共通(頻出度B)です。核心は、(1)除去・窒息・冷却・抑制の四要素の定義と燃焼要素との対応、(2)泡=窒息・粉末・ハロゲン化物=抑制・棒状注水=冷却(不適)、(3)CO2消火後は酸欠危険(「安全」は誤り)、(4)除去は予防措置として有効です。引っかけは本問エのようにCO2消火を人体影響なしとする誤りです。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 消火四要素(除去・窒息・冷却・抑制)と燃焼四要素の対応関係。正しい。
- イ(正): 泡は窒息消火(液面を覆って酸素遮断)。
- ウ(正): 粉末・ハロゲン化物は抑制(負触媒)消火(連鎖反応を遮断)。
- エ(誤): CO2消火後は室内が酸欠状態になり人体影響がある。「安全に使用できる」は誤り。
- オ(正): 漏れた可燃物の除去は除去消火(予防措置として有効)。
【根拠】確立した燃焼・消火理論。
【補足】消火四要素:除去(可燃物除去)・窒息(酸素遮断)・冷却(熱量除去)・抑制(負触媒・連鎖反応停止)。CO2消火後は酸素濃度低下→酸欠危険。泡=窒息・粉末/ハロゲン化物=抑制。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 消火四要素(除去/窒息/冷却/抑制)正。CO2消火後は酸素濃度低下で酸欠の危険あり=エの「人体影響なく安全」は誤り(確立事実)。正答エ一意。OK -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した燃焼・消火理論。二酸化炭素消火後は室内の酸素濃度が低下し、人間が酸欠で死亡する危険がある(エ=誤り)。窒息消火の原理・抑制消火の原理・泡の窒息消火・除去の考え方は確立した事実。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。