危険物乙四

危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問88|火災予防・容器の密栓と冷暗所保管の根拠

問題

危険物乙四 | 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法

第4類危険物の火災予防に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤っているのはエです。ふたを開けると蒸気が外に出て引火の危険が増すので、「ふたを開けておく」は誤りです。密栓(ふたをしっかり閉める)が基本です。

  • ア(正): 密栓・冷暗所保管が基本。
  • イ(正): ふたを開けると蒸気が拡散して引火危険が増す。
  • ウ(正): 高温(直射日光)→液温上昇→蒸気増加→引火点に近づく。
  • エ(誤): 蒸気圧を逃がすためにふたを開けるのは逆効果(蒸気が外に出て危険増大)。
  • オ(正): 冷暗所=低温で蒸気圧を下げ蒸気発生を抑える。正しい。

「密栓・冷暗所・高温避け」が火災予防の三本柱。「ふたを開けて蒸気を逃がす」は誤りです。

第4類危険物の火災予防(保管の原則):

  • ア(正): 密栓・冷暗所保管は第4類危険物保管の基本原則。密栓:蒸気が外に漏れるのを防ぐ(引火性混合気の形成を防止)。冷暗所:低温で蒸気圧を抑え、蒸気の発生量を最小化。正しい。
  • イ(正): ふたを開けると:(1)内部に蓄積した蒸気が外部に拡散、(2)空気と混合して引火性混合気が形成、(3)点火源(電気スイッチの火花・静電気・加熱等)があれば引火。特に引火点の低い第一石油類(ガソリン等)では常温でも大量の蒸気が発生するため危険。正しい。
  • ウ(正): 液温が上昇すると蒸気圧が上昇し、より多くの蒸気が発生する。夏場の直射日光下で容器内の液温が引火点以上に達すると引火の危険が高まる。特に引火点の低い危険物(ガソリン・灯油等)で問題。正しい。
  • エ(誤): 「蒸気圧を逃がすためにふたを開ける」は逆効果。ふたを開けると:(1)蒸気が外部に拡散して引火性混合気が形成される、(2)引火の危険が増大する。容器内の蒸気圧管理が必要な場合は安全弁・ベントバルブ等を使い、蒸気が外部の引火源に届かない適切な排気処理を行う。「ふたを開けておく」という単純な対処は誤り。
  • オ(正): 冷暗所(低温・暗所)保管:低温では液体の蒸気圧が低下し蒸気の発生量が減少する(クラウジウス・クラペイロン方程式に基づく)。引火点以下の温度に保つことで蒸気が燃焼範囲内に達する状況を防ぐ。正しい。

引っかけパターント: ふたを開けて蒸気を逃がすという逆の処置(エ)。密栓・冷暗所が基本。

【理論的背景】

第4類危険物の火災予防の根本は「可燃性蒸気の発生を抑える・蒸気を滞留させない・点火源を排除する」の三要素に集約されます。容器の密栓は「可燃性蒸気の発生(外部への拡散)を抑える」、冷暗所保管は「液温を低くして蒸気圧を下げる」、換気は「滞留した蒸気を排出する」という役割を担います。これらは燃焼の三要素(可燃物・酸素・点火源)のうち「可燃物(蒸気)の制御」に相当します。

【蒸気圧と温度の関係(物理的根拠)】

液体の蒸気圧は温度とともに上昇します(クラウジウス・クラペイロン方程式)。具体的には:

  • 低温(冷暗所)→蒸気圧低い→発生する蒸気の量が少ない→燃焼範囲に達しにくい
  • 高温(直射日光下・夏場)→蒸気圧高い→蒸気が多量に発生→燃焼範囲に達しやすい

引火点とは「液体の蒸気圧が引火に必要な濃度(燃焼範囲の下限界)に達する最低温度」です。液温が引火点以上になると蒸気濃度が燃焼範囲に入り、点火源があれば引火します。

【密栓の具体的効果と限界】

密栓することで蒸気が外部に出ず、外部の空気と混合した引火性混合気が形成されません。ただし:

  • 密栓したままでも容器内は蒸気と液体が平衡状態(飽和蒸気圧)にある
  • 容器を開けた瞬間に蒸気が外部に拡散→引火性混合気形成→危険
  • 容器を開ける際は点火源を排除・換気を確保する

蒸気圧が高まった場合(加熱等)の「圧力逃がし」は、蒸気が外部に出ないよう安全弁・燃焼処理装置等で適切に処理する(単純に「ふたを開ける」は不可)。

【冷暗所保管の「暗所」の意義】

冷暗所の「暗所(直射日光を避ける)」は以下の意味があります。

1. 直射日光による液温上昇を防ぐ(熱遮断)

2. 紫外線による危険物の分解・変質を防ぐ(一部の危険物)

3. 一般に日陰は直射日光下より低温であるため、(1)の効果が大きい

「冷所」だけでなく「暗所」という要件も防火上の根拠があります。

【試験での位置づけ】

火災予防の保管原則は性質科目で頻出(頻出度A)です。核心は(1)密栓(ふたを閉めて蒸気を外に出さない)、(2)冷暗所保管(低温で蒸気圧を抑える)、(3)高温・直射日光を避ける(液温上昇→蒸気増加→引火危険増)、(4)ふたを開けて蒸気を逃がすは誤り(蒸気が外部に拡散して危険増大)です。換気(低所換気・屋外への蒸気排出)は別論点で、これも重要です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 密栓・冷暗所は第4類保管の二大原則。
  • イ(正): 開けると蒸気拡散→引火性混合気→点火源で引火。
  • ウ(正): 高温→蒸気圧上昇→引火点に達する危険。夏場の直射日光下は特に注意。
  • エ(誤): 「蒸気圧を逃がすためにふたを開ける」は蒸気を外部に拡散させて引火危険を増大させる。逆効果。密栓が基本。
  • オ(正): 冷暗所=低温で蒸気圧を抑える物理的根拠がある。液温を引火点以下に保つことが目的。

【根拠】確立した物理化学・設計書§1-3・§2-3(S9)。

【補足】第4類危険物の火災予防:密栓(蒸気を外に出さない)・冷暗所(低温で蒸気圧抑制)・高温・直射日光を避ける。「ふたを開けて蒸気を逃がす」は逆効果(蒸気拡散→引火危険増大)。

この問題の根拠根拠: 確立した物理化学・設計書§1-3・§2-3(S9)。第4類危険物の火災予防の基本は**容器の密栓・冷暗所保管**。ふたを開けると蒸気が拡散し引火危険が増す。高温・直射日光下では液温上昇→蒸気圧増大→引火危険増。冷暗所保管=低温で蒸気圧を低下させる効果。「蒸気圧を逃がすためにふたを開ける」は逆効果で誤り。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理化学・設計書§1-3・§2-3(S9)。第4類危険物の火災予防の基本は**容器の密栓・冷暗所保管**。ふたを開けると蒸気が拡散し引火危険が増す。高温・直射日光下では液温上昇→蒸気圧増大→引火危険増。冷暗所保管=低温で蒸気圧を低下させる効果。「蒸気圧を逃がすためにふたを開ける」は逆効果で誤り。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。