危険物乙四

危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問91|火災予防・静電気発生箇所の特定と予防策の組合せ

問題

危険物乙四 | 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法

第4類危険物の取扱いにおいて静電気が発生しやすい作業として、次のうち最も適切でないもの(静電気発生の危険が相対的に低いもの)はどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

静電気発生の危険が最も低いのはエです。接地(アース)と低速移し替えという二重の対策が施されているため、静電気が蓄積しにくい状況です。

  • ア(高危険): 高速移送で静電気多量発生。
  • イ(高危険): フィルターろ過は液-ろ材の接触・分離で帯電しやすい。
  • ウ(高危険): 液面上から落下充填は液滴飛散で静電気が多量発生する。
  • エ(低危険・正答): 接地+低速→静電気対策が施されている。
  • オ(高危険): ベルトコンベヤでの摩擦帯電は典型的な静電気発生場面。

「接地・低速・ボンディング・加湿が対策。高速・ろ過・落下充填・摩擦が危険」を押さえます。

静電気発生リスクの高低と対策:

  • ア(高危険): 高速ポンプ移送は液体と管壁の接触・分離が多くなり帯電しやすい。高速=危険(流速制限が対策)。
  • イ(高危険): フィルターろ過は液体がフィルター繊維と大面積で接触・分離するため帯電量が非常に多い。ろ過後の液体は高い静電気を帯びていることが多い。
  • ウ(高危険): 液面上からの落下充填(上部充填)は:(1)液が液面まで落下する際に液滴が分散して摩擦帯電、(2)液滴が空気と摩擦→大量の帯電→液面での放電火花の危険。下部(液面下)からの充填(下部充填)の方が安全(液滴の摩擦を減らす)。上部充填は静電気発生の観点から不適切。
  • エ(最も低い危険・正答): 接地(アース)済みの金属容器+低速での移し替えという二重対策。接地:蓄積電荷を大地に逃がす(蓄積を防ぐ)。低速:帯電そのものを最小化する。二つの対策が組み合わさって静電気発生・蓄積リスクが最も低い。
  • オ(高危険): ベルトコンベヤでの摩擦は固体と固体の摩擦帯電の代表的な場面。石油類容器をベルトや周辺物品と摩擦させながら移動させると大量の静電気が発生する。

引っかけパターント: 接地しているから完全に安全、と誤解しないこと。接地は有効な対策だが「最も低い」選択肢として正答。

【理論的背景】

静電気対策の考え方は「発生させない(帯電低減)」と「逃がす(接地・ボンディング)」の二本柱です。本問は、複数の作業場面の中でどれが「最も静電気発生の危険が低いか」を問うことで、対策の効果を総合的に評価する出題形式です。

【各作業の静電気発生メカニズム詳細】

(ア) 高速ポンプ移送:

  • 液体と金属管壁の接触・分離(流動帯電)
  • 流速が高いほど接触・分離の回数が増え、帯電量が増大する
  • リスク: 高(流速制限が必要)

(イ) フィルターろ過:

  • 液体がフィルター(繊維・多孔質材)を通過する際の接触・分離
  • 単位時間・体積あたりの接触面積が非常に大きいため帯電しやすい
  • ろ過後の液体は高い静電気電位を持つ
  • リスク: 非常に高(ろ過直後の液体の接地が重要)

(ウ) 液面上からの落下充填(上部充填):

  • 液が高所から落下する際に液滴が分散
  • 液滴と空気の摩擦で帯電(噴霧帯電)
  • 液面への落下衝撃でも帯電
  • 下部充填(液面下に投入管を入れて充填)の方が安全
  • リスク: 高(上部充填は避けるべき方法)

(エ) 接地済み容器での低速移し替え:

  • 低速:帯電量を最小化
  • 接地:蓄積電荷をリアルタイムで大地に逃がす(電位がゼロに保たれる)
  • 二重の対策による相乗効果
  • リスク: 最も低い(本問の正答)

(オ) ベルトコンベヤでの摩擦:

  • 固体同士の摩擦帯電(コンベヤベルトと容器・コンベヤの摩擦)
  • 搬送物の帯電電荷が石油類容器に蓄積される可能性
  • リスク: 高

【上部充填と下部充填の安全性比較】

充填方法静電気リスク推奨度
上部充填(液面上からの落下)高(液滴噴霧帯電)避けるべき
下部充填(投入管を液面下に)低(液-液界面のみ)推奨

危政令でも、ガソリン・ベンゼン等を移動貯蔵タンクに上部から注入するときは、注入管の先端を移動貯蔵タンクの底部に着けることとされています(第27条第6項第4号ホ)。

【試験での位置づけ】

静電気発生場面の識別は性質科目・物理化学科目で重複出題されます(頻出度B)。核心は、(1)高速移送・ろ過・上部充填・摩擦が帯電しやすい、(2)接地+低速の組み合わせが静電気リスクを最小化する、(3)下部充填は上部充填より安全です。本問の形式(最も危険が低いものを選ぶ)は、各選択肢の「危険度の比較」を求める応用問題です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(高危険): 高速移送→流動帯電増大。流速制限が対策。
  • イ(高危険): フィルターろ過→大面積接触・分離→最も帯電しやすい作業の一つ。
  • ウ(高危険): 上部充填(液面上からの落下)→液滴噴霧帯電・落下帯電。下部充填の方が安全。
  • エ(最低危険・正答): 接地(電荷逃がし)+低速(帯電低減)の二重対策→リスク最小。
  • オ(高危険): ベルトコンベヤでの摩擦帯電→典型的な静電気発生場面。

【根拠】確立した物理学・設計書§1-3。

【補足】静電気発生しやすい作業:高速移送・フィルターろ過・上部充填・摩擦帯電。発生しにくい条件:接地済み+低速(リスク最小)・下部充填。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学・設計書§1-3。静電気が発生しやすい作業:ポンプ高速移送(ア)・フィルターろ過(イ)・液面上からの落下充填=液滴飛散で帯電増大(ウ)・ベルトコンベヤでの摩擦帯電(オ)。エは接地(アース)済み+低速という二重対策で静電気発生・蓄積リスクが最も低い。接地で電荷を大地に逃がし、低速で帯電量を抑える。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。