水準測量10出典: 令和4年度 問10

測量士補 水準測量 問10:出典: 令和4年度 問10

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19

次の文は,水準測量を実施するときに留意すべき事項について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

  • 1レベル及び標尺は,作業期間中においても適宜,点検及び調整を行う。
  • 2標尺は2本1組とし,往路及び復路の出発点で立てる標尺を同じにする。正答
  • 3往復観測を行う水準測量において,水準点間の測点数が多い場合は,適宜,固定点を設け,往路及び復路の観測に共通して使用する。
  • 4自動レベル及び電子レベルについては,円形水準器及び視準線の点検調整のほかに,コンペンセータの点検を行う。
  • 5三脚の2脚を進行方向に平行に設置し,そのうちの特定の1本を常に同一の標尺に向けて整置する。
正答:2標尺は2本1組とし,往路及び復路の出発点で立てる標尺を同じにする。

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本問は水準測量の観測実施時の留意点に関する正誤問題です。正答は2です。

選択肢2が誤り:標尺は2本1組(A標尺・B標尺)を使用しますが、往路と復路で「出発点で立てる標尺を同じにする」のは誤りです。正しくは「往路と復路で出発点の標尺を逆に(入れ替えて)する」のが正しい取り扱いです。これにより、2本の標尺の目盛り差(ゼロ点誤差)が往復観測で相殺されます。

他の選択肢(1・3・4・5)はいずれも水準測量の正しい実施要領です。

標準試験対策の基準レベル

本問は水準測量の実施要領の細部を問います。各肢を検証します。

選択肢1(正しい):水準測量では気温変化・衝撃・長時間使用による器械の変化があるため、作業期間中も定期的に点検(視準軸誤差:i誤差の確認)・調整が必要です。

選択肢2(誤り)

2本1組の標尺運用の核心は「標尺ゼロ点誤差(標尺定数差)の消去」にあります。往路の出発点でA標尺、到着点でB標尺を使った場合、復路では出発点(往路の到着点)でA標尺、到着点(往路の出発点)でB標尺を使います(逆にする)。これにより:

  • 往路: 偶数測点でA標尺・奇数測点でB標尺(または逆)
  • 復路: 往路の逆の配置

で標尺定数差が相殺されます。「同じにする」では誤差が消えずに残り、観測精度が低下します。

選択肢3(正しい):固定点(TP: turning point)を適宜設けることで、長い水準路線を複数のセクションに分け、往路・復路で同じTPを使用します。これにより中間計算・点検が可能になります。

選択肢4(正しい):自動レベル・電子レベルのコンペンセータ(補償器)は、三脚の傾きを自動補正する機構です。正常に機能しているかの点検が必要で、故障時は視準軸誤差が残留します。

選択肢5(正しい):三脚の2脚を進行方向と平行に設置することで、三脚の沈下による視準高の変化を最小化します。常に同一の脚を同一の標尺に向けることで沈下の影響が対称的になり、往復観測での消去効果があります。

上級誤答論破・根拠条文・実務応用まで深掘り

本問は水準測量の精度管理の本質的な理解を問います。

2本1組の標尺運用の誤差消去原理(詳細)

水準測量では2本の標尺に必ず目盛りの誤差(ゼロ点誤差・定数差)があります。標尺A・Bのゼロ点誤差をaA・aBとすると、観測高低差には各測点でこれらが含まれます。

往路1セクションでの観測例:

  • 測点1: 後視(A標尺)- 前視(B標尺) → 含まれる誤差: aA - aB
  • 測点2: 後視(B標尺)- 前視(A標尺) → 含まれる誤差: aB - aA

偶数の測点数で観測すると: (aA - aB) + (aB - aA) + ... = 0 となり標尺定数差が消去されます。

往路・復路で標尺を逆にするのは、路線全体で偶数測点となるよう保証するためです。「同じにする」(選択肢2の誤り)では消去が不完全になります。これは公共測量作業規程の準則(水準測量編)で明示的に規定されている実施要領です。

水準測量の誤差の体系

水準測量の誤差は大きく以下に分類されます:

1. 機器誤差:i誤差(視準軸と水平軸の不一致)→正反観測・後前前後の観測で軽減。標尺の目盛り誤差・ゼロ点誤差→2本1組の運用。

2. 観測誤差:読定誤差・目標誤差→電子レベル(自動読定)で大幅軽減。

3. 外部誤差:大気差・球差→前後視等距離(等距離観測)で相殺。地盤沈下→三脚の設置方法・素早い観測。

4. 光学的誤差:コリメーション誤差・屈折誤差→等距離観測・コンペンセータ点検。

自動レベル・電子レベルのコンペンセータ

コンペンセータは三脚のわずかな傾き(数分程度)を内部の液体振り子・ペンデュラム機構で自動補正し、常に正確な水平視準線を提供します。電子レベル(バーコード標尺対応)は自動読定に加えて読定誤差をゼロにし、高精度な水準測量(1・2級水準測量)に適用されます。コンペンセータの動作点検は、整準後に器械を微傾斜させて読定値が変化しないことを確認します(気泡が整準範囲から外れたら警告)。

1・2級水準測量の精度基準(公共測量作業規程の準則)

  • 往復差の許容値: 1級 2.5mm√S、2級 5mm√S(Sは片道の観測距離km)
  • 環閉合差の許容値: 1級 2mm√L、2級 5mm√L(Lは環の距離km)

これらの精度基準を満たすために、本問の各留意点(等距離観測・標尺2本1組の正しい運用・コンペンセータ点検等)が実施要領として規定されています。測量士試験では許容値計算・誤差配分計算が頻出です。

出典・根拠について

本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和4年度 測量士補試験 問10(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。

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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

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