測量士補 水準測量 問12:出典: 令和4年度 問12
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19)
図12に示すように,既知点A,B及びCから新点Pの標高を求めるために公共測量における2級水準測量を実施し,表12−1の結果を得た。新点Pの標高の最確値は幾らか。最も近いものを次の中から選べ。 ただし,既知点の標高は表12−2のとおりとする。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。 【図12参照】問題の概要: 既知点A・B・Cから新点Pへ3方向の水準路線を観測。AとCはPへ観測、PはBへ観測。 【表12−1 観測結果】 - A→P: 観測距離 3km、観測高低差 +1.534m - P→B: 観測距離 2km、観測高低差 +0.621m - C→P: 観測距離 6km、観測高低差 +2.434m 【表12−2 既知点の標高】 - A: 29.234m - B: 31.395m - C: 28.334m
- 130.769m
- 230.770m
- 330.771m正答
- 430.772m
- 531.392m
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本問は3路線の水準測量結果から新点Pの標高最確値を重み付き平均で求める計算問題です。正答は3(30.771m)です。
まず各路線からPの標高を推定します。
- A→P路線: HP = HA + 高低差 = 29.234 + 1.534 = 30.768m
- P→B路線: HP = HB − 高低差 = 31.395 − 0.621 = 30.774m
- C→P路線: HP = HC + 高低差 = 28.334 + 2.434 = 30.768m
水準測量の重みは観測距離に反比例します(距離が短いほど精度が高い)。
- w₁(A→P、3km)= 1/3
- w₂(P→B、2km)= 1/2
- w₃(C→P、6km)= 1/6
通分して整数比にします(最小公倍数6):
- w₁ = 2、w₂ = 3、w₃ = 1
重み付き平均:
HP = (2×30.768 + 3×30.774 + 1×30.768) / (2+3+1)
= (61.536 + 92.322 + 30.768) / 6
= 184.626 / 6
= 30.771m
本問は距離に反比例した重みを設定し、重み付き最確値を求める手順を問います。
Step 1: 各路線からPの標高推定値を計算
路線の観測方向に注意して高低差の符号を適用します。
A→P(正方向): HP₁ = 29.234 + 1.534 = 30.768m
P→B(逆方向から Pを求める): HP₂ = 31.395 − 0.621 = 30.774m
C→P(正方向): HP₃ = 28.334 + 2.434 = 30.768m
Step 2: 重みの設定
水準測量の重みは路線距離 S に反比例: w = 1/S
w₁ = 1/3、w₂ = 1/2、w₃ = 1/6
共通分母6で整数化: w₁:w₂:w₃ = 2:3:1
Step 3: 重み付き平均の計算
HP最確値 = (Σwᵢ × HPᵢ) / Σwᵢ
分子:
2 × 30.768 = 61.536
3 × 30.774 = 92.322
1 × 30.768 = 30.768
合計 = 184.626
分母: 2 + 3 + 1 = 6
HP = 184.626 / 6 = 30.771m
計算確認
各路線の残差:
- v₁ = 30.768 − 30.771 = −0.003m
- v₂ = 30.774 − 30.771 = +0.003m
- v₃ = 30.768 − 30.771 = −0.003m
加重残差の和: 2×(−0.003) + 3×(+0.003) + 1×(−0.003) = −0.006 + 0.009 − 0.003 = 0 ✓
最確値の計算が正しいことが確認できます。正答は3(30.771m)。
本問は水準測量の重み付き最小二乗法による標高最確値の計算手順を問う標準的な計算問題ですが、実務的・理論的な深みが求められます。
重みの設定根拠(最小二乗法の観点)
水準測量の偶然誤差の標準偏差σは路線距離Sに対してσ ∝ √S となります(独立な測点誤差の累積)。分散 σ² ∝ S、重み w = 1/σ² ∝ 1/S です。これが「重みは距離に反比例」の数学的根拠です。
なお、観測精度の単位重みを1km当たりの標準偏差で統一すると、重みwᵢ = 1/Sᵢ(km)が成立します。
最小二乗解の確認(残差の加重和ゼロ)
最小二乗解(最確値)では、加重残差の和がゼロになります:
Σwᵢvᵢ = 2×(−0.003) + 3×(+0.003) + 1×(−0.003) = 0 ✓
これは最確値の必要条件であり、計算の自己検証として活用できます。
Pの標高最確値の精度(標準偏差の計算)
単位重みの標準偏差 σ₀(1km観測の標準偏差に相当):
σ₀ = √(Σwᵢvᵢ² / (n−1)) = √((2×0.003² + 3×0.003² + 1×0.003²) / (3−1))
= √((0.000018 + 0.000027 + 0.000009) / 2)
= √(0.000054 / 2) = √0.000027 ≒ 0.00520m ≒ 5.2mm(1km当たり)
最確値の標準偏差 σP:
σP = σ₀ / √(Σwᵢ) = 5.2mm / √6 ≒ 2.1mm
これが30.771mの精度の目安です。
路線の品質確認(許容閉合差との比較)
各路線単独での推定値のばらつきも確認します:
- A→P(3km): 30.768m
- P→B(2km): 30.774m(差: 6mm)
- C→P(6km): 30.768m
2級水準測量の許容往復差: 5√S mm(S: km)
- A→P: 5√3 = 8.7mm → 偏差3mmは許容範囲内
- P→B: 5√2 = 7.1mm → 偏差3mmは許容範囲内
- C→P: 5√6 = 12.2mm → 偏差3mmは許容範囲内
網平均計算(測量士試験レベル)
本問のような放射状水準網(星型)は、観測方程式法で一般的に解きます。
未知数: P標高 HP(1個)
観測方程式:
- v₁ = HP − 30.768(重みw₁=2)
- v₂ = HP − 30.774(重みw₂=3)
- v₃ = HP − 30.768(重みw₃=1)
法方程式: (Σwᵢ) HP = Σwᵢ×HPᵢ
6 HP = 184.626
HP = 30.771m
測量士試験では複数の未知点を含む複雑な水準網の法方程式を行列形式で解く問題(間接観測法・条件観測法)が出題されます。本問の手計算が行列法の基礎となっています。
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和4年度 測量士補試験 問12(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。