第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識10医薬品に共通する特性と基本的な知識(リスク評価・試験基準)

登録販売者 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 問10:医薬品に共通する特性と基本的な知識(リスク評価・試験基準)

医薬品の開発・市販後管理に関わる試験や基準についての次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • LD50(半数致死量)は「投与した動物の半数が24時間以内に死亡する用量」と定義されており、試験期間は必ず24時間に限定される。
  • GLP(Good Laboratory Practice)は、非臨床試験(動物実験等)の信頼性を確保するための基準であり、試験施設・試験システム・記録の質を規制する。正答
  • GCP(Good Clinical Practice)は、市販後の安全性調査を対象とした基準であり、承認前の臨床試験(治験)には適用されない。
  • GVP(Good Vigilance Practice)は、製造販売業者が市販前の動物実験データを整備するための製造管理基準である。
  • GPSP(Good Post-marketing Study Practice)は、製造販売業者が実施する治験(第Ⅰ相〜第Ⅲ相試験)の実施基準を規定する省令である。
正答:GLP(Good Laboratory Practice)は、非臨床試験(動物実験等)の信頼性を確保するための基準であり、試験施設・試験システム・記録の質を規制する。

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正答はイです。

GLP(Good Laboratory Practice)は動物実験など非臨床試験の信頼性を確保するための基準です。試験施設の設備・試験システム・記録管理・報告の質を規制します。

誤りの選択肢を整理します。アのLD50は「半数が死亡する用量」の定義は正しいですが、試験期間が「24時間以内」に限定されるわけではありません。ウのGCPは承認前の臨床試験(治験)に適用される基準です。エのGVPは市販後の安全管理(副作用報告体制)の基準です。オのGPSPは製造販売後の調査・試験(市販後調査)に関する基準で、治験とは別です。

標準試験対策の基準レベル

医薬品の主要な試験・管理基準一覧:

| 略称 | 正式名 | 対象フェーズ | 主な内容 |

|---|---|---|---|

| GLP | Good Laboratory Practice | 非臨床(動物試験) | 試験施設・試験システム・記録・アーカイブの品質確保 |

| GCP | Good Clinical Practice | 臨床試験(治験)承認前 | 被験者の人権・安全・福祉保護、試験の科学的信頼性確保 |

| GVP | Good Vigilance Practice | 市販後(安全性監視) | 副作用情報の収集・評価・報告体制(製造販売業者の義務) |

| GPSP | Good Post-marketing Study Practice | 市販後調査・試験 | 使用成績調査・特定使用成績調査・製造販売後臨床試験の実施基準 |

各選択肢の詳細解説:

  • ア(誤): LD50の「半数致死量」の概念は正しいですが、試験期間は試験プロトコルや動物種によって異なり「24時間以内」に限定されません。一般的に14日間以上の観察期間が設けられることが多いです。
  • イ(正): GLPは日本では「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令」に相当し、非臨床試験の信頼性確保を目的とします。
  • ウ(誤): GCPは治験(承認前の第Ⅰ〜Ⅲ相臨床試験)に適用される基準です。市販後の調査はGVP・GPSPが担当します。
  • エ(誤): GVPは市販後の安全管理(副作用報告・リスク管理計画)を対象とした基準であり、動物実験の整備基準ではありません。
  • オ(誤): GPSPは市販後の調査・試験(使用成績調査等)に関する基準であり、承認前の治験を対象としません。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【LD50の概念と現代的な動物実験倫理の変化】

LD50(Lethal Dose 50%)は1927年にJ.W. Trevanが提唱した古典的な毒性指標で、「被験動物の50%が死亡する単回投与量」を指します。しかし現代の毒性試験ではLD50の算出そのものを目的とした試験は徐々に限定され、OECD TG 420(固定用量法)やOECD TG 425(上下法)など、より少数の動物で安全性評価を行う代替法が推奨されています。

登録販売者試験で問われるLD50の重要点は以下の通りです:

1. 安全域(治療係数)の概念: LD50 ÷ ED50(有効量の中央値)= 治療係数(TI)。TIが大きいほど安全域が広い

2. 用量-反応関係: 医薬品は「適量=治療効果、過量=毒性」という用量依存性を持つ。これは「医薬品はすべて毒になり得る」という原則の根拠

3. 種差の問題: ラット・マウスのLD50がそのまま人間に適用できない(体重換算だけでは不十分)

【GLP・GCP・GVP・GPSPの法的根拠と医薬品開発フロー】

医薬品が承認を得るまでのフローと各基準の適用タイミング:

```

基礎研究(試験管・培養細胞)

非臨床試験(動物実験) ←━━ GLP適用

・毒性試験(単回・反復・生殖・変異原性・発がん性)

・薬理試験(有効性・メカニズム確認)

治験届提出

臨床試験(治験) ←━━━━ GCP適用

第Ⅰ相(健康成人・安全性・薬物動態)

第Ⅱ相(少数患者・有効性・用量探索)

第Ⅲ相(多数患者・有効性・安全性確認)

承認申請 → 薬事審査

承認・市販

市販後監視 ←━━━━ GVP + GPSP 適用

GVP: 副作用情報の収集・評価・規制当局への報告

GPSP: 使用成績調査・特定使用成績調査・市販後臨床試験

```

GVPの実務的重要性(製造販売業者の義務):

GVP省令(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく)では、製造販売業者は以下の体制整備が義務付けられています:

  • 安全管理責任者(セーフティマネージャー)の配置
  • 副作用症例の収集・評価・厚生労働大臣への定期的な報告
  • リスク管理計画(RMP: Risk Management Plan)の策定と実施
  • 医療機関・薬局・患者からの自発報告(Yellow Cardに相当)の収集

GPSP(市販後調査)の種類:

| 調査種別 | 目的 | 対象 |

|---|---|---|

| 使用成績調査 | 承認条件外の患者集団での安全性・有効性確認 | 全一般患者 |

| 特定使用成績調査 | 特定集団(高齢者・小児・腎障害等)での安全性 | 特定患者群 |

| 製造販売後臨床試験 | 承認後に追加で必要な臨床データ収集 | 対照試験形式 |

登録販売者として知っておくべき実務上のポイント:

一般用医薬品の販売者として、これらの試験基準は「なぜ医薬品は信頼できるか」の根拠となります。特に市販後のGVP・GPSPによる継続的な安全性監視の存在を顧客に説明できることは、医薬品の適正使用促進において重要です。また、副作用が疑われる症状を把握した際に適切に報告・相談を促す姿勢は、このGVP体制を支える行為でもあります。

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 正答イ(GLP=非臨床試験の信頼性確保基準)で一意。アの誤り=「LD50の試験期間が必ず24時間に限定」が正しく誤肢として機能。OECD急性毒性試験では一般に14日間の観察期間が設けられ、解説の「14日間以上」も方向性として妥当。GLP/GCP/GVP/GPSPの対象フェーズの記述は手引き準拠で正確。修正不要。段差性維持。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第1章 第1節「医薬品の本質」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

医薬品のリスク評価・LD50・GLP/GCP/GVP/GPSPの各基準頻出度B

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