登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 問26|薬害の再発防止制度・市販後調査の仕組み

問題

登録販売者 | 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

薬害の再発防止制度および市販後の安全対策に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

製造販売業者は医薬品を市場に出した後も、副作用情報を収集・評価し、必要に応じて行政に報告する義務を負っています。この仕組みは「GVP(Good Vigilance Practice: 製造販売後安全管理基準)」と呼ばれ、製造販売後の安全管理の根幹をなします。

他の選択肢の誤りを簡単に整理します。PMDAは審査・安全対策・被害救済の三業務を担っています(イ誤)。市販後に問題が判明した場合、行政命令を待たずに製造販売業者が自主回収・添付文書改訂を行う場合もあります(ウ誤)。医薬品副作用被害救済制度はPMDAが窓口となり、訴訟を経ずに給付を受けられる制度です(エ誤)。GPSPは品質だけでなく有効性・安全性の調査を行います(オ誤)。

市販後安全対策の主要制度の比較:

制度英語略称担当主体内容
製造販売後安全管理基準GVP製造販売業者副作用収集・評価・報告義務
製造販売後調査等の基準GPSP製造販売業者市販後の有効性・安全性調査
医薬品副作用被害救済制度—PMDA副作用被害者への給付
イエローレター・ブルーレター—製造販売業者(厚生労働省の命令・指示又は自主決定)緊急安全性情報・安全性速報の作成・配布

各選択肢の解説:

  • イ(誤): PMDAは「審査」「安全対策」「健康被害救済」の三業務を担います。審査業務(医薬品の承認審査)も行っており、「救済業務のみ」は誤りです。
  • ア(正): GVP(製造販売後安全管理基準)に基づき、製造販売業者には市販後の副作用情報収集・評価・行政報告の義務があります。医療機関・患者からの副作用報告を収集し、因果関係を評価し、規定の期限内に厚生労働大臣(実務はPMDA)へ報告します。
  • ウ(誤): 製造販売業者は行政命令を待たずに、自発的に添付文書の改訂・回収・使用上の注意喚起等の安全対策措置を講じることができます(自主回収・自主改訂)。むしろ迅速な自主対応が求められます。
  • エ(誤): 医薬品副作用被害救済制度(PMDAが窓口)は、訴訟を経ずに医療費・医療手当・障害年金・遺族年金等の給付を受けられる行政的な救済制度です。民事訴訟と並行または代替として利用できます。
  • オ(誤): GPSP(製造販売後調査等の基準)は医薬品の市販後における「有効性・安全性(副作用を含む)」の調査を対象とする制度です。製造工程の品質管理はGQP(製造販売後品質管理基準)が担当します。

【薬害再発防止制度の歴史的変遷と現代の安全対策体系】

薬害が安全対策制度を変えた歴史:

日本で発生した主な薬害と、それを契機とした制度整備の対応関係:

薬害発生時期主な被害制度への反映
サリドマイド1950〜60年代先天性四肢奇形副作用の情報収集・国際共有体制の整備
スモン(キノホルム)1960〜70年代末梢神経障害・視力障害1979年薬事法改正・市販後調査義務化の出発点
HIV感染(血液製剤)1980〜90年代血液製剤によるHIV感染感染症報告の義務づけ・「緊急輸入」制度の創設(1996年改正薬事法)
CJD感染(脳硬膜)1980〜90年代ヒト乾燥硬膜の移植によるCJD感染生物由来製品規制の強化
C型肝炎(フィブリノゲン)1980〜90年代血液製剤によるC型肝炎感染2008年特別措置法・情報開示制度の強化

これらの薬害の多くに共通する問題は「副作用情報が医療機関・製造業者・行政の間で共有されず、被害が拡大した」という点です。GVP・GPSPはこの教訓から生まれた制度です。

PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の三業務:

PMDAは2004年に設立(前身は医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構〔旧財団〕と国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センターを統合)。

1. 審査業務: 医薬品・医療機器・再生医療等製品の承認審査。厚生労働大臣の審査権限の一部を受託

2. 安全対策業務: 市販後の副作用・不具合情報の収集・評価・提供。厚生労働省と連携し措置を実施

3. 健康被害救済業務: 医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の運営

副作用報告制度の体系(現在):

医薬品の副作用に関する報告は複数の主体から成り立ちます:

報告主体根拠主な内容
製造販売業者薬機法第68条の10第1項重篤副作用・感染症症例の定期・随時報告(GVP)
医師・歯科医師・薬剤師等薬機法第68条の10第2項保健衛生上の危害の発生・拡大防止のため必要があると認めるときの報告義務
登録販売者同上同様の報告義務(必要があると認めるとき)

製造販売業者の報告期限は重篤度・既知/未知・因果関係により区分され、最も緊急性が高いもの(死亡・未知の重篤症例等)は15日以内、その他は30日以内等と定められています(薬機法施行規則)。

GVPとGPSPの違いの整理:

観点GVPGPSP
対象安全管理(副作用収集・評価・報告)製造販売後調査(有効性・安全性の再確認)
主な業務副作用情報の収集・評価・報告・措置使用成績調査・特別調査・市販後臨床試験
タイミング承認後・市販中ずっと継続承認条件として再審査期間(4〜10年)内に実施
義務の根拠省令(GVP省令)省令(GPSP省令)

自主回収(リコール)の実際の流れ:

1. 製造販売業者または医療機関から副作用情報・品質情報が集積

2. 製造販売業者が自主的にリスク評価・対策を検討

3. 行政(厚生労働省・PMDA)へ事前連絡・協議

4. 自主回収(クラスI〜III)を実施 → PMDAウェブサイトで公表

5. 必要に応じてイエローレター(緊急安全性情報)・ブルーレター(安全性速報)を配布

6. 添付文書の改訂申請

「行政命令を待ってから対応」ではなく、製造販売業者が主体的・自発的に対応することが現在の制度の前提であり、これが選択肢ウの誤りの本質です。登録販売者もPMDAのウェブサイト(医薬品安全性情報・回収情報等)を定期的に確認し、取り扱う製品の最新安全情報を把握することが求められます。

この問題の根拠
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第68条の10e-Govで原文を読む
条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第1章Ⅰ-2)「医薬品のリスク評価」・第1章Ⅳ「薬害の歴史」・第5章Ⅱ「医薬品の安全対策」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。