問題
口腔・咽頭・食道の構造と機能に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオです。「咽頭は気道にのみ属し、消化管には属さない」が誤りです。
手引きでは、咽頭は「口腔から食道に通じる食物路と、呼吸器の気道とが交わるところ」であり、「咽頭は消化管と気道の両方に属する」とされています。だからこそ、飲み込むときに喉頭蓋が反射的に閉じて、飲食物が気管に入らないようにしています。
他の選択肢は正しい記述です。アの唾液アミラーゼ(プチアリン)によるデンプンの分解、イの嚥下時の喉頭蓋の働き、ウの食道の構造(分泌腺がなく、食道の運動で胃に送る)、エの唾液中のリゾチーム等による抗菌作用は、いずれも正確です。
各選択肢の詳細解説:
- ア(正): 唾液アミラーゼ(α-アミラーゼ・別名プチアリン)は耳下腺・顎下腺・舌下腺から分泌されます。デンプンのα-1,4グルコシド結合を切断し、マルトース・デキストリンに分解します。ただし食物が口腔に滞在する時間は短いため、胃での酸性環境で失活するまでの消化は全体の一部です。
- イ(正): 嚥下の際、舌根が食塊を咽頭に押し込むと同時に軟口蓋が鼻腔への入り口を閉じ、喉頭蓋(喉頭の軟骨性蓋)が気道を塞ぎます。これにより食塊は食道へ誘導されます。誤嚥(食物・液体が気道に入ること)は喉頭蓋の機能不全で生じます。
- ウ(正): 手引きでは、食道は「喉もとから上腹部のみぞおち近くまで続く、直径1~2cm の管状の器官で、消化液の分泌腺はない」とされ、嚥下された飲食物は重力ではなく食道の運動によって胃に送られます。食道の上端と下端には括約筋があり、胃の内容物の逆流を防いでいます(胃液が食道に逆流するとむねやけが起きる)。
- エ(正): 唾液はリゾチーム等の殺菌・抗菌物質を含み、口腔粘膜の保護・洗浄、殺菌等の作用があります。唾液によって口腔内はpHがほぼ中性に保たれ、酸による歯の齲蝕を防いでいます。
- オ(誤・正答): 手引きでは、咽頭は「鼻腔と口腔につながっており、咽頭は消化管と気道の両方に属する」とされています。口腔から食道に通じる食物路と気道とが交わるところであり、「気道にのみ属する」は誤りです。
上部消化管・気道の解剖まとめ:
| 部位 | 接続・役割 |
|---|---|
| 口腔 | 咀嚼・唾液との混和 |
| 咽頭 | 鼻腔と口腔につながる。食物路と気道とが交わるところ(消化管と気道の両方に属する) |
| 喉頭 | 咽頭と気管の間の器官。入り口の喉頭蓋が嚥下時に反射的に閉じる |
| 食道 | 喉もとから上腹部のみぞおち近くまで(直径1〜2cm)。食道の運動で胃へ送る |
【嚥下の神経学的制御と誤嚥のメカニズム】
嚥下は3つの段階で構成されます:
1. 口腔相(随意): 舌と頬の筋肉(随意筋・横紋筋)で食塊を形成し、舌根が咽頭へ押し込む。意識的にコントロール可能。
2. 咽頭相(不随意・反射): 嚥下反射が起こる
- 軟口蓋の挙上(鼻咽腔閉鎖)
- 喉頭の入り口にある弁(喉頭蓋)が反射的に閉じる(気道閉鎖)
- 咽頭の筋の収縮で食塊を食道へ送る
3. 食道相(不随意): 飲食物は重力によって胃に落ち込むのでなく、食道の運動によって胃に送られる
誤嚥の機序と危険性:
- 喉頭蓋の動作が遅れる・不完全 → 食物・液体が気道に侵入
- 誤嚥性肺炎: 口腔内細菌を含む誤嚥物が肺に達して起こる肺炎
登録販売者に関連する服用上の注意(手引き第2章Ⅱ-3)):
- 錠剤(内服)は適切な量の水(又はぬるま湯)とともに飲み込む。水が少なかったり水なしで服用したりすると、錠剤が喉や食道に張り付いてしまうことがあり、薬効が現れないのみならず、喉や食道の粘膜を傷めるおそれがある
- 錠剤(内服)は例外的な場合を除いて口中で噛み砕いて服用してはならず、腸溶錠の場合等は厳に慎まなければならない
- 口腔内崩壊錠は唾液で速やかに溶けるため水なしで服用でき、固形物を飲み込むことが困難な高齢者や乳幼児でも、唾液と一緒に容易に飲み込める
【唾液の多機能性と口腔衛生との関係】
手引きに沿って唾液の働きを整理:
| 働き | 内容 |
|---|---|
| 消化 | 唾液アミラーゼ(プチアリン)がデンプンをデキストリンや麦芽糖に分解 |
| 咀嚼・嚥下の補助 | 食物を湿潤させてかみ砕きやすくし、咀嚼物を滑らかにして嚥下を容易にする |
| 味覚 | 味覚の形成にも重要な役割を持つ |
| 防御 | リゾチーム等の殺菌・抗菌物質を含み、口腔粘膜の保護・洗浄、殺菌等の作用がある |
| pHの維持 | 口腔内のpHをほぼ中性に保ち、酸による歯の齲蝕を防ぐ |
リゾチームには細菌の細胞壁を分解する酵素作用のほか消炎作用などもあり、唾液以外に鼻汁や涙液にも含まれています。
【食道と逆流】
- 食道は喉もとから上腹部のみぞおち近くまで続く、直径1〜2cmの管状の器官で、消化液の分泌腺はない
- 食道の上端と下端には括約筋があり、胃の内容物が食道や咽頭に逆流しないように防いでいる
- 胃液が食道に逆流すると、むねやけが起きる
【口腔粘膜と薬物吸収(舌下・バッカル投与)】
口腔粘膜は有効成分の吸収部位にもなります:
- 抗狭心症薬のニトログリセリン(舌下錠、スプレー)や禁煙補助薬のニコチン(咀嚼剤)のように、有効成分が口腔粘膜から吸収されて全身作用を現すものがある
- これらの部位を通っている静脈血は肝臓を経由せずに心臓に至るため、吸収された成分は初めに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布する
- 口腔内崩壊錠は唾液で速やかに溶けるよう工夫された錠剤で、口の中で溶かした後に唾液と一緒に飲み込む(口腔粘膜からの吸収を目的とした剤形ではない)
嚥下・消化器系の知識は、「なぜ錠剤を十分な水で飲むのか」「なぜ噛み砕かずに飲み込むのか」といった説明の根拠になります。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第2章Ⅰ-1-1)「消化器系」(a)口腔・(b)咽頭、食道・Ⅰ-1-2)「呼吸器系」(b)咽頭・Ⅱ-1)「薬の生体内運命」・Ⅱ-3)「剤形ごとの違い、適切な使用方法」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

