第二種電工

電気工事士の資格は独学で取れる?第二種の学習順序・期間別プラン・技能試験の練習

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

電気工事士(第二種)を独学で取る条件を、電気技術者試験センターの公表資料で確かめます。学習の順序、4ヶ月・2.5ヶ月・1ヶ月のプラン、教材と工具、上期・下期・CBTの選び方、技能試験の候補問題13題の練習までを解説します。

目次
  1. 電気工事士の資格は独学で取れる?制度から見た条件
  2. 最初の1週間:試験の形を知り、4分野を数問ずつ解く
  3. 学習の順序と期間:未経験は法令・検査から、基礎理論は最後に
  4. 教材と工具:学科は問題集と公表問題、技能は工具と練習材料
  5. 上期・下期・CBTのどれで受けるか
  6. 技能試験の独学練習:候補問題13題を3周する
  7. 直前の1か月は、過去問題の通し演習と候補問題13題の仕上げに絞ろう
結論:第二種電気工事士は、受験に制限がなく、学科の過去問題も技能の候補問題も公表されているので、独学で進められる条件がそろっています。学習は易しい分野から進め、技能は工具と練習材料を用意して候補問題13題を繰り返し作ります。

電気工事士の資格は独学で取れる?制度から見た条件

受験に制限はなく、学科の過去問題も技能の候補問題も公表されているので、第二種は独学で進められる条件がそろっています。

  • 受験の条件:受験案内に「受験に対して制限や条件はございません。どなたでも受験ができます。」とあります。免状は試験に合格すれば受けられ、電気の実務経験は要りません(電気工事士法4条4項1号)
  • 学科試験:過去の試験問題と解答をセンターが公表しています(問題と解答)。電卓は使えず、計算は四則計算の筆算で解ける問題です
  • 技能試験:候補問題13題(令和8年度)が事前に公表されます。作業用工具は貸出ではなく自分で用意し、材料は支給されます。電動工具は使えません
  • 免除:前回または前々回に学科試験に合格した人などは、申請により学科試験が免除されます(学科免除)

独学で合格できるかどうかを示す公的なデータは、センターの公表資料にありません。学科は問題演習で進められ、技能は工具と練習材料を用意して手を動かす時間が要る、というのが制度から見た独学の条件です。

試験の中身(学科50問・技能40分・合格点)と、合格してから免状を受けるまでの流れは試験内容の記事にまとめています。養成施設や職業訓練を通る道は職業訓練の記事で整理しています。

出典:電気技術者試験センター 令和8年度下期受験案内、第二種電気工事士の試験概要(2026-10-31 確認)

最初の1週間:試験の形を知り、4分野を数問ずつ解く

初心者の勉強は、試験の形を確かめ、学科の4分野から数問ずつ解いて、初めて見る用語を知るところから始めると迷いにくくなります。

合格ナビの問題データ(第二種電気工事士・全382問・集計日 2026-10-31)は、次の4分野に分かれています。本試験の出題割合ではありません。

分野問題数最初に解くと分かりやすい内容の例
電気の基礎理論80問電力・電力量・熱量など、式を1行ずつ書いて解く問題
電気機器・配線器具・配線89問工具や材料の用途を問う問題
工事の方法133問配線図の読み取りや、工事の種類ごとの決まり
検査・法令80問竣工後の検査の順序や、絶縁抵抗・接地抵抗の測り方

最初の1週間は、次の順に進めます。

  • ① 学科の試験時間・問題数・科目を、試験内容の記事で確かめる
  • ② 4分野から数問ずつ解く。正解かどうかより、どの分野の用語が初めて見るものかを知ることが目的
  • ③ 解説は初級から読み、わからない語が出たら、その語だけをテキストや用語集で調べる
  • ④ 計算問題は、式を省略せず1行ずつ書く(下の例)
  • ⑤ 技能試験の工具を、いつ揃えるか決めておく(必要工具)
  • ⑥ 勉強時間は電気工事士2種の勉強時間の試算で、受験日から逆算する

計算を1行ずつ書く例(電力量)

合格ナビが作った例です。抵抗に10Aの電流を2時間流したところ、電力量が2kW・hだった場合の電圧を求めます。

  • 式:電力量 W[kW・h]=電圧 V[V]×電流 I[A]×時間 t[h]÷1000
  • 変形:V=W×1000÷(I×t)
  • 代入:V=2×1000÷(10×2)=2000÷20=100V
  • 検算(逆算):100×10×2÷1000=2000÷1000=2kW・h で、条件と一致します

最初の1週間に解く問題の例です。

学習の順序と期間:未経験は法令・検査から、基礎理論は最後に

電気の経験がない人は、法令・検査、機器配線、工事方法、基礎理論の順に、取り組みやすい分野から進める方法があります。

易しい分野で得点の感覚をつかんでから計算に挑む順序は、なだらかな道から登って、最後に急な坂へ向かう山登りのようなものです。複線図の読み方は技能試験でも使うので、学科の段階から触れておくと役立ちます。

順分野期間の例中身の例
1法令・検査(暗記が中心)1〜2週間電気工事士の作業範囲、PSEマーク、絶縁抵抗値・接地抵抗値、測定器
2電気機器・配線器具・配線2〜3週間電線の太さと許容電流、配線用遮断器、電動機・変圧器
3工事の方法(数値の暗記)3〜4週間金属管・合成樹脂管・ケーブル工事、接地工事、施工場所別の制限
4電気の基礎理論(計算が中心)2〜3週間オームの法則・合成抵抗、三相交流の電力、力率

電気系の学習経験がある人は、機器配線、工事方法、法令・検査の順で知識を整理し、基礎理論は復習程度にする順序が考えられます。

期間別のプランは、次の3つが例です。必要な勉強時間はセンターが公表していないので、受験日から逆算して配分を決めます。

プラン学科技能
標準(未経験・4ヶ月)1ヶ月目は法令・検査と機器配線の基礎、2ヶ月目は工事方法と機器配線の応用、3ヶ月目は基礎理論と過去問演習学科の後の1ヶ月で、候補問題13題を練習
短期(電気系の既習者・2.5ヶ月)1ヶ月目は機器配線と工事方法、2ヶ月目は法令・検査、基礎理論の復習、過去問演習学科の後の3週間で、候補問題13題を練習
超短期(未経験・直前1ヶ月)1週目は機器配線・工事方法の基本、2週目は法令・検査の暗記と基礎理論の公式、3週目は過去問演習、4週目は苦手分野と模擬試験学科の後に練習

教材と工具:学科は問題集と公表問題、技能は工具と練習材料

学科は、分野別の問題集で演習し、参考書は最新の技術基準に対応した版を1冊だけ選びます。

  • 学科:分野別の問題集(無料・登録不要)で演習します。センターが公表する過去の試験問題の場所と使える条件は過去問解説の記事にあります
  • 参考書:1冊に絞り、古い版は避けます。技術基準の改正に対応していない場合があるためです。選ぶ基準はテキストの選び方にあります
  • 技能:作業用工具と、候補問題を練習する材料を自分で用意します。工具の一覧は必要工具、材料は練習キットの選び方で確かめられます

上期・下期・CBTのどれで受けるか

学科試験は、年2回(上期・下期)あり、筆記方式かCBT方式のどちらか1つで受けます。両方は受けられません。

第二種電気工事士 令和8年度の試験日程:上期は申込2026年3月16日〜4月6日、学科CBT方式4月23日〜6月7日、学科筆記方式5月24日、技能7月18日または19日。下期は申込8月17日〜9月3日、学科CBT方式9月24日〜11月8日、学科筆記方式10月25日、技能12月12日または13日。令和8年度の申込受付は上期・下期とも終了しており、令和9年度の日程は、2026-10-31時点でセンターのページに掲載がありません。最終確認日:2026-10-31。出典:電気技術者試験センター 第二種電気工事士試験。

次に申し込めるのは、センターが令和9年度の日程を公表してからです。以下は、上期・下期の2回の構成が令和8年度と同じだった場合の、学習を始める時期ごとの進め方の例です。実際の日程が出たら置き換えてください。

学習の開始受け方の例
1月以前上期の筆記(5月)から、7月の技能へ。不合格でも、学科に合格していれば下期は技能だけ再受験できる(学科免除)
2〜3月上期のCBT(4月ごろ)から7月の技能へ。または、下期の筆記(10月)から12月の技能へ進み、時間に余裕をもつ
4〜7月下期の筆記(10月)から12月の技能へ。標準プランで余裕をもって進める
8月以降下期は超短期プランで挑戦する。または下期のCBT(9月ごろ)から12月の技能へ

CBT方式は、期間内に会場と日時を予約して受験でき、終了時に画面に正答数が表示されます(合否は表示されません)。画面での解答に慣れが要り、メモ用紙は会場で貸与されて持ち出せません。

出典:令和8年度下期受験案内、第二種電気工事士の試験概要(学科免除)。CBT方式の申込みから当日まではCBT方式の解説にあります。

技能試験の独学練習:候補問題13題を3周する

令和8年度の技能試験は、公表された候補問題13題(No.1〜No.13)から出題され、試験時間は40分の予定です(令和8年度技能試験候補問題)。

  • 1周目:13題を1題ずつ、時間を気にせず正確に作る
  • 2周目:13題を40分以内に作る
  • 3周目:欠陥なく、安定して作る

工具の使い方は、電工ナイフでの被覆のむき、ペンチでの切断、圧着工具での圧着接続、ドライバーでの器具の固定を、手を動かして覚えます。センターが必ず持参とする指定工具と、使えない工具は必要工具にまとめています。

欠陥の判断基準は、センターが公表しています(技能試験の欠陥の判断基準)。よくある欠陥は、次の4つです。

  • 誤接続(複線図と異なる配線):複線図を毎回、最初に書く
  • 被覆のむき不足:規定の長さを定規で確認する
  • 心線の損傷:電工ナイフの当て方に注意する
  • 寸法不足:定規で確認する

直前の1か月は、過去問題の通し演習と候補問題13題の仕上げに絞ろう

直前の1か月は、新しい教材に手を広げず、公表されている過去の試験問題を、本番どおり120分で通して解きます。間違えた論点を参考書で確かめ、許容電流・接地抵抗・絶縁抵抗の数値と、基礎理論の公式を最終確認しましょう。技能は、候補問題13題を、欠陥なく40分以内に作れるまで繰り返します。

よくある質問

Q試験に合格すれば、すぐに電気工事士として工事ができますか?

できません。電気工事士法3条2項は、一般用電気工作物等の電気工事の作業に従事できるのを、第一種または第二種の電気工事士免状の交付を受けている者としています。免状は試験の合格者などが都道府県知事に申請して交付を受けるもので(同法4条2項・4項)、合格しただけでは免状を受けたことにはなりません。申請先は居住する都道府県の免状窓口です(電気技術者試験センター「電気工事士の免状交付」)。出典:電気工事士法(e-Gov法令検索)、電気技術者試験センター 電気工事士の免状交付。

Q学科だけ独学で、技能は通信講座にする選択肢はありですか?

選択肢の一つです。学科は公表されている過去の試験問題と問題集で練習でき、技能は工具と練習材料を用意して手を動かす時間が要ります。技能だけ通信講座などを使うかどうかは、費用、練習に使える時間、質問できる環境が要るかどうかで決めます。どちらが合格しやすいかを示す公的なデータは、センターの公表資料にありません。

この資格の問題を解く第二種電工 学科 分野別問題集
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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月31日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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