第二種電工 電気機器・配線器具・配線 問78:電気機器・配線器具・配線
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
写真に示す機器の名称は。
- ア水銀灯用安定器
- イ変流器
- ウネオン変圧器
- エ低圧進相コンデンサ正答
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正答はエ「低圧進相コンデンサ」です。
写真に示す機器は低圧進相コンデンサです。誘導性負荷(蛍光灯・電動機・変圧器など)を使うと電流の位相が電圧より遅れて力率が悪くなります。低圧進相コンデンサを並列に接続することでこの位相遅れを補正し、力率を1(100%)に近づけます。力率が改善すると、同じ消費電力でも電力会社から流れる電流が少なくなり、電力損失・電気料金が減ります。外観は金属製の円筒形または直方体で、端子が2〜3本出ています。アの水銀灯用安定器、イの変流器、ウのネオン変圧器とは外観が異なります。
正答はエ「低圧進相コンデンサ」です。
各選択肢の機器を詳しく識別します。
ア(不正解):水銀灯用安定器
水銀灯・メタルハライドランプ等のHIDランプを安定して点灯させるための機器です。高い始動電圧を供給しつつ、ランプに流れる電流を安定させるコイル(インダクタ)を含む装置です。比較的重く、角型の形状が多いです。
イ(不正解):変流器(CT:Current Transformer)
大電流回路の電流を測定するため、電流を5Aまたは1Aの小電流に変換する計器用変成器です。電流計・電力量計と組み合わせて使われます。環状(リング状)またはねじ込み形の形状で、一次側に主回路を通します。
ウ(不正解):ネオン変圧器
ネオンサインの放電管に高電圧(数千V)を供給するための変圧器です。漏れ磁束形変圧器で電流を制限する機能も兼ねています。比較的大型で重く、端子が多い構造です。
エ(正解):低圧進相コンデンサ
誘導性負荷の力率を改善するためのコンデンサです。単相・三相ともに使用可能で、蛍光灯安定器の力率改善(単相)や三相電動機回路の力率改善(三相)に使われます。金属製円筒形または直方体形で、端子が2〜3本出ている形状が特徴です。定格容量(kvar)と定格電圧(V)が銘板に記載されています。
正答はエ「低圧進相コンデンサ」です。
力率と進相コンデンサの技術的詳細
力率(Power Factor)の定義
力率cosφ = 有効電力P(W) / 皮相電力S(VA)
誘導性負荷では電流が電圧より位相角φだけ遅れます。この遅れを遅れ力率(lagging power factor)といい、無効電力Q(var) = S×sinφが生じます。進相コンデンサは電圧より電流が進む(容量性)特性を利用して、この遅れ無効電力を補償します。
力率改善の効果
| 改善前後 | 皮相電流 | 線路損失(I²R) | 電圧降下 |
|---------|---------|-------------|---------|
| 力率0.7 | Ibase×1.43 | 損失大 | 降下大 |
| 力率0.9 | Ibase×1.11 | 損失中 | 降下中 |
| 力率1.0 | Ibase | 損失最小 | 降下最小 |
電力会社では力率0.85以上の契約者に対して電気料金の力率割引(力率1.0に対して1%割引等)を適用し、0.85未満の場合には割増料金が発生します。
進相コンデンサの種類と選定
- 単相コンデンサ(100V/200V用):蛍光灯・単相電動機の力率改善
- 三相コンデンサ(200V/400V用):三相電動機・三相負荷の力率改善
- SC(シリーズコンデンサ):高圧側に設置する大容量タイプ(電力系統用)
低圧進相コンデンサの選定容量:Q(kvar) = P(kW) × (tanφ₁ - tanφ₂)
φ₁:改善前の力率角、φ₂:改善後の目標力率角
電技解釈・内線規程との関連
電技解釈第158条以降の低圧設備では、コンデンサ回路に短絡時の異常電流を防ぐための保護装置(ヒューズ・配線用遮断器)の設置が必要です。また進相コンデンサは高調波電流(インバータ機器由来)を吸収しやすく、高調波過大電流による過熱・損傷が問題となります。高調波が多い環境では直列リアクトル(SR)付きコンデンサを使用します。
第一種電気工事士・電験三種への展開
電験三種「理論」では交流回路のベクトル計算・力率改善問題が頻出です。「電力」では電力系統の無効電力制御・調相設備(進相コンデンサSC・分路リアクトルShR)の役割、「法規」では電技解釈の高圧コンデンサの施設基準(第44条・高圧コンデンサ及び分路リアクトル)が出題されます。実務ではスマートグリッド・蓄電システムとの連携による動的無効電力補償(STATCOM・SVCなど)が最新技術トレンドであり、電力品質管理の重要性が増しています。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:令和4年度上期(午前) 第二種電気工事士 学科試験 問17(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。