衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 労働衛生(有害業務以外) 問15|事務所則の空気環境基準

問題

衛生管理者 | 労働衛生(有害業務以外)

事務所衛生基準規則(事務所則)に定める事務室の空気環境基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤りはイです。空気調和設備または機械換気設備を設けている場合、CO(一酸化炭素)の基準値は50ppmではなく10ppm以下です(事務所則第5条第1項第2号)。50ppmはCO設備がない場合の一般基準であり、設備ありの場合はより厳しい10ppmが適用されます。

CO₂は1,000ppm以下(ア)、浮遊粉じん0.15mg/m³以下(ウ)、気流0.5m/s以下(オ)はすべて正しい数値です。室温18〜28℃・湿度40〜70%(エ)は努力目標として正しい記述です。特にCO₂(1,000ppm)とCO(10ppm)の数値は「両方セット」で覚えることが重要です。

各選択肢の正誤と根拠(事務所則第5条):

  • ア(正): CO₂(二酸化炭素)1,000ppm以下。大気中のCO₂は約400ppmであり、1,000ppmを超えると換気不十分の指標となります。CO₂自体の毒性は低いですが、室内空気の汚染(他の有害物質の蓄積・ウイルス濃度の上昇)の代理指標として機能します。
  • イ(誤): CO(一酸化炭素)の基準値は10ppm以下です(設備ありの場合)。「50ppm以下」は設備がない場合の一般基準(第3条)の値です。設備がある場合(第5条)の方がより厳しい基準(10ppm)が適用されます。COの毒性は高く(ヘモグロビン親和性がO₂の200倍)、10ppmという厳格な基準が設定されている理由はここにあります。
  • ウ(正): 浮遊粉じん量0.15mg/m³以下。空気清浄機・換気フィルターの整備によって管理される基準値です。
  • エ(正): 事務所則第5条第3項では室温・湿度について「空気調和設備を設けている場合の努力目標」として、室温18℃以上28℃以下・相対湿度40%以上70%以下が示されています。義務ではなく努力目標であることがポイントです。
  • オ(正): 気流0.5m/s以下。強すぎる気流は冷え・不快感の原因となり、換気効率も低下します。

【理論的背景】

事務所則第5条(空気調和設備等設置時)と第3条(一般規定)の2つの基準が存在することは、試験でも混乱しやすいポイントです。基本的な考え方は「設備がある方が換気能力が高いため、より高い(厳しい)基準が課せられる」ということです。

一酸化炭素(CO)の健康影響:

  • COはヘモグロビン(Hb)との親和性がO₂の210〜250倍
  • CO-Hb(カルボキシヘモグロビン)を形成してO₂運搬機能を妨害
  • 10ppmでは健常者への急性影響はほぼないが、慢性暴露での影響・心臓疾患者・胎児への影響を考慮して厳格な基準が設定

二酸化炭素(CO₂)と一酸化炭素(CO)の違い(試験頻出の混同):

  • CO₂: 毒性は低い(室内空気汚染の代理指標)/ 基準: 1,000ppm(設備あり)
  • CO: 毒性が高い(ヘモグロビントラップ)/ 基準: 10ppm(設備あり)
  • 数値の大きさが100倍違う(1,000ppm vs 10ppm)← 必ずセットで記憶

【実務・条文構造】

事務所則の空気環境基準の全体構造:

第5条(空気調和設備または機械換気設備を設けている場合):

項目基準値
浮遊粉じん0.15mg/m³以下
CO(一酸化炭素)10ppm以下
CO₂(二酸化炭素)1,000ppm(0.1%)以下
ホルムアルデヒド0.1mg/m³以下
気流0.5m/s以下

第3条(一般基準・設備なしの場合等):

  • CO: 50ppm以下(第3条第2項)
  • CO₂: 0.5%(5,000ppm)以下(第3条第2項)

室温・湿度の努力目標(第5条第3項・空調設備設置時):

  • 室温: 18℃以上28℃以下
  • 相対湿度: 40%以上70%以下

測定の義務(第7条):

  • 中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物の事務室(安衛令第21条第5号): 2か月以内ごとに1回、定期にCO・CO₂の含有率、室温・外気温、相対湿度を測定
  • 測定結果の記録保存: 3年間

ホルムアルデヒドの基準(0.1mg/m³以下)の背景:

  • シックハウス症候群の原因物質(建材・接着剤等から放散)
  • 厚生労働省「室内空気中化学物質の室内濃度指針値」とも整合
  • 特に新築・改装後の事務室で問題になりやすい

【試験での位置づけ】

この分野の最頻出ポイントは「CO₂=1,000ppm(設備あり)とCO=10ppm(設備あり)の数値を正確に区別する」ことです。イのような「COを50ppm」とする誤りは、第3条の一般基準(50ppm)と第5条の設備あり基準(10ppm)を混同させる典型的な引っかけです。また「CO₂とCOで基準値が100倍異なる理由(毒性の違い)」を理解することで、数値の丸暗記より定着しやすくなります。室温・湿度が「義務ではなく努力目標」であることも出題ポイントです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: CO₂の1,000ppmという基準値は換気の十分性を判断する「代理指標」として設定されています。コロナ禍以降、CO₂濃度計(二酸化炭素測定器)が広く普及し、飲食店・オフィス・学校での換気管理の実用ツールとして機能しています。1,000ppm以下でも感染症リスクがゼロになるわけではありませんが、十分な換気が行われている指標として有用です。
  • イ: 事務室でのCO問題が現実に起きるのは、ガス暖房機器(開放型)・石油ストーブの不完全燃焼、地下駐車場や荷捌き場に接する換気不十分な室内(自動車の排気ガス由来)などです。空気調和設備が設置されている事務室では通常COが10ppmを超えることはまれですが、設備の故障・メンテナンス不足・外気取り入れ不足などの際に問題が生じる場合があります。
  • ウ: 浮遊粉じん0.15mg/m³は、大気環境基準(PM2.5等)とは別の室内空気基準です。コピー機・プリンターからのトナー微粒子、建材・じゅうたんからの粉じん放散が問題になることがあります。空気清浄機のフィルター管理が実務上の対策として重要です。
  • エ: 室温28℃以下・18℃以上という基準は、夏季の冷房設定(28℃以下)と冬季の暖房設定(18℃以上)に相当します。「努力目標」であることは労働者が強制的に主張できる権利ではありませんが、事業者は達成に向けて努力する義務(誠実義務)があります。
  • オ: 気流0.5m/s以下という基準は、直接的な身体への冷却影響を避けるためのものです。特に冷房稼働時に空調の吹き出し口から直接強い気流を受けると、頸部・肩の冷えや眼の乾燥(ドライアイ)が悪化します。空調の吹き出し口の向き・ルーバーの調整が実務上の対策です。

【根拠法令】事務所衛生基準規則(事務所則)第5条第1項(空気調和設備等設置時の基準)・第3条第2項(一般基準)。

【補足】空調設備あり場合のCO基準は「10ppm以下」(50ppmは設備なし時の一般基準)。CO₂=1,000ppm・CO=10ppm(数値が100倍違う)をセットで正確に記憶する。室温・湿度は義務ではなく努力目標。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 事務所衛生基準規則(事務所則)第5条第1項(空気調和設備等設置時の空気環境の基準)。COの基準値は50ppmではなく10ppm。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

この問題の関連トピック

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