問題
熱傷(やけど)の応急処置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正しいのはオです。Ⅰ度熱傷は皮膚の表皮のみの損傷で、発赤(赤くなる)・疼痛(ひりひりする痛み)がありますが水疱(水ぶくれ)は形成されません。通常は後遺症なく数日で治癒します。
各誤りの要点(日本赤十字社の手当による): ア→冷たい水や水道水で痛みが取れるまで冷やすのが基本で、「水道水では不十分」は誤り。イ→水疱はつぶさないようにする。エ→衣類で覆われている場合は無理に脱がさずそのままの状態で急いで冷やす。ウ→範囲が広い場合は体温をひどく下げる危険があるので、10分以上広範囲を冷却することは避ける。
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 日本赤十字社は、1度・2度の熱傷で範囲が狭いときは「冷たい水や水道水で痛みが取れるまで冷やします」としています。水道水での冷却が基本であり、「水道水での冷却は不十分」は誤りです。
- イ(誤): 水疱ができているときは「水疱をつぶさないように」し、蛇口から勢いよく出ている水道水などを直接熱傷部にあてることを避け、熱傷部を消毒した布か洗濯した布で覆い、その上から冷やしながら医療機関に搬送します。「速やかに破る」は誤りです。
- オ(正): Ⅰ度熱傷は表皮(皮膚の最表層)のみの損傷で、皮膚が赤くなりひりひりしますが、水疱は形成されません。水疱ができるのはⅡ度熱傷です。
- エ(誤): 「熱傷部が衣類で覆われている場合は、無理に脱がさずそのままの状態で急いで冷やします」(日本赤十字社)。冷却の前に脱がせることを求めてはいません。
- ウ(誤): 「熱傷の範囲が広い場合、全体を冷却し続けることは、体温をひどく下げる危険性があるので、10分以上広範囲を冷却することは避けて手当します」(日本赤十字社)。子どもや高齢者では特に低体温に注意します。
【理論的背景】
日本赤十字社は、熱傷の程度は「その広さ、深さ、場所によって決まります」とし、成人は体の表面積の20〜30%以上、乳幼児は10〜15%以上にわたる広い範囲の熱傷を受けると重症であるとしています。
熱傷の深さの目安:
| 深度 | 損傷の深さ | 見た目・症状(日本赤十字社) | 水疱 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ度 | 表皮のみ | 皮膚の色が赤くなり、ひりひりする | なし |
| Ⅱ度 | 真皮まで | 腫れぼったく赤くなり、水ぶくれになり、痛みが強い | あり |
| Ⅲ度 | 皮膚全層 | 皮膚が黒く焦げていたり、蒼白になり、感覚がなくなる | ― |
Ⅲ度熱傷で「感覚がなくなる」ことから、「痛くない熱傷は軽い」と判断するのは危険です。
【実務・応急手当の手順】
日本赤十字社の示す熱傷の手当:
1. 冷却(範囲が狭い1度・2度): 冷たい水や水道水で痛みが取れるまで冷やす
2. 水疱があるとき: 水疱をつぶさないよう、勢いよく出ている水道水を直接あてることを避け、消毒した布か洗濯した布で覆い、その上から冷やしながら医療機関に搬送する
3. 衣類で覆われているとき: 無理に脱がさず、そのままの状態で急いで冷やす
4. 2度・3度の場合: 冷たい水、水道水で冷やし、その後濡れたタオルなどで冷やす
5. 範囲が広いとき: 10分以上広範囲を冷却することは避ける(体温をひどく下げる危険。子どもや高齢者は特に低体温に注意)
6. 水分: 意識がはっきりとしていて、吐き気がなく、医療機関まで時間がかかるようであれば、少しずつ水分を与える
【試験での位置づけ】
熱傷の問題では「Ⅰ度熱傷の定義(表皮のみ・水疱なし)」「冷却は水道水で痛みが取れるまで(氷を直接当てる処置は選ばない)」「水疱はつぶさない」「衣類は無理に脱がさず、その上から冷やす」「広範囲は冷やしすぎない」が出題ポイントです。ア・イの誤り(「氷が有効」「水疱を破る」)は実際に誤った応急処置として行われることがある危険な誤りです。オの「Ⅰ度=水疱なし」という知識で正答が一意に定まります。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 手当の基本は「冷たい水や水道水」で「痛みが取れるまで」冷やすことです。氷を直接当てる方法は日本赤十字社の手当には含まれていません。
- イ: 水疱がある場合は、水疱をつぶさないことに加え、勢いよく出る水道水を直接あてないことも示されています。布で覆ってその上から冷やすのがポイントです。
- オ: Ⅰ度とⅡ度の分かれ目は水疱の有無です。Ⅱ度では「腫れぼったく赤くなり、水ぶくれになり、痛みが強い」とされています。
- エ: 衣類を無理に脱がせると時間がかかり、冷却が遅れます。日本赤十字社は「そのままの状態で急いで冷やします」としています。
- ウ: 広範囲の熱傷では、冷却よりも体温の低下に注意が必要です。成人で体表面積の20〜30%以上、乳幼児で10〜15%以上の熱傷は重症とされ、医療機関への搬送を急ぎます。
【根拠】日本赤十字社「熱傷(やけど)」。Ⅰ度熱傷の定義(表皮のみ・水疱なし)は熱傷深度分類の基本事項。
【補足】Ⅰ度熱傷=表皮のみ・水疱なし・後遺症なく数日で治癒。冷却は水道水で痛みが取れるまで。水疱はつぶさない。衣類は無理に脱がさずその上から冷やす。範囲が広い場合は10分以上広範囲を冷却しない。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 日本赤十字社「熱傷(やけど)」(https://www.jrc.or.jp/study/safety/burn/)。Ⅰ度熱傷の定義(表皮のみ・水疱なし)は熱傷深度分類の基本事項。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

