衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 労働衛生(有害業務以外) 問39|腸管出血性大腸菌O157の特徴・ベロ毒素

問題

衛生管理者 | 労働衛生(有害業務以外)

腸管出血性大腸菌O157による食中毒に関する記述として、誤っているものを1つ選べ。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤りはウです。腸管出血性大腸菌O157に感染すると、激しい腹痛と頻回の水様便のあと血便(出血性大腸炎)となりますが、発熱は軽度で、多くは37度台です(JIHS)。厚生労働省のQ&Aも「発熱はあっても、多くは一過性です」としており、「39℃以上の高熱が数日間続く」は誤りです。ベロ毒素を産生し、重症例では溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こします。100個程度の少ない菌数でも感染するため、加熱不十分な食肉や二次汚染された食品を介して集団感染が起きやすい点も覚えてください。

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 腸管出血性大腸菌は赤痢菌が産生する志賀毒素類似のベロ毒素を産生し、特に小児や老人では溶血性尿毒症や脳症を引き起こしやすいとされています(厚生労働省Q&A)。
  • イ(正): 厚生労働省のQ&Aは「100個程度の菌数でも感染すると言われています」、JIHSは「ヒトを発症させる菌数はわずか50個程度」としています。二次感染が起きやすいのも少数の菌で感染が成立するためです。
  • ウ(誤): 発熱は軽度で、多くは37度台です(JIHS)。厚生労働省のQ&Aも「発熱はあっても、多くは一過性です」としています。「39℃以上の高熱が数日間続く」は誤りです。
  • エ(正): 厚生労働省のQ&Aは、多くの場合「おおよそ3~8日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発病」するとしています。
  • オ(正): 「腸管出血性大腸菌は75℃で1分間以上の加熱で死滅します」(厚生労働省Q&A)。ひき肉を使った食品などは中心部まで75℃で1分間以上加熱して食べることが勧められています。

#### 1. 病原体の特徴

腸管出血性大腸菌(EHEC)は、ベロ毒素(Verotoxin=VT、Shiga toxin=Stxとも呼ばれる)を産生する大腸菌です。ベロ毒素は培養細胞の一種であるベロ細胞に致死的に作用することから名付けられ、抗原性の違いによりStx1とStx2があります(JIHS)。O157でも、ベロ毒素を産生してHUS等の重篤な症状を起こすのはH抗原がH7(O157:H7)とH-(O157:H-)のものです(厚生労働省Q&A)。この菌は強い酸抵抗性を示し、胃酸の中でも生残します(JIHS)。

#### 2. 臨床像と発熱の位置づけ

症状は無症状から軽い腹痛・下痢のみのもの、頻回の水様便・激しい腹痛・著しい血便とともに重篤な合併症を起こし死に至るものまで様々です。多くの場合、潜伏期のあと激しい腹痛を伴う頻回の水様便で発病し、まもなく著しい血便(出血性大腸炎)となります。発熱は軽度で、多くは37度台(JIHS)、発熱はあっても多くは一過性(厚生労働省Q&A)であり、「高熱が続く」とする選択肢ウは誤りです。有症者の6〜7%が、下痢等の初発症状の数日から2週間以内(多くは5〜7日後)にHUSや脳症等の重症合併症を発症するといわれています(厚生労働省Q&A)。

#### 3. 感染経路と感染菌量の意義

感染は飲食物を介した経口感染で、菌に汚染された飲食物の摂取や、患者の糞便に含まれる菌が直接または間接的に口から入ることで起こります。100個程度(JIHSでは50個程度)の少ない菌数で感染が成立するため、家族内発生と二次感染が多いことも特徴です。職場や学校で話をしたり、咳・くしゃみ・汗等で感染することはなく、ヒトからヒトへの感染を予防する基本は手洗いです(厚生労働省Q&A)。牛等の反芻動物は腸管出血性大腸菌を保菌していることがあり、国内の原因食品等には井戸水、牛肉、牛レバー刺し、ハンバーグ、サラダ、貝割れ大根などが挙げられています。加熱用を除き、生の牛レバーや生の豚肉・レバーを含む内臓を販売・提供することは禁止されています。衛生管理者としては、食品取扱者の手洗いの徹底、加熱の目安(中心部75℃・1分間以上)の周知が実務上の対策の柱となります。

#### 4. 衛生管理者試験での頻出ポイントと法令上の扱い

試験では「O157=ベロ毒素=HUS」「少量感染(100個程度)」「潜伏期3〜8日」「75℃・1分間以上の加熱で死滅」が正しい肢として、「高熱が続く」「加熱で死滅しない」「潜伏期が短い」などが誤肢として登場します。法令上、腸管出血性大腸菌感染症は感染症法の三類感染症に位置づけられ、飲食物を取り扱う業務への就業制限、消毒等の措置の対象となります(厚生労働省Q&A)。

この問題の根拠根拠: 厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177609.html)・国立健康危機管理研究機構(JIHS)「腸管出血性大腸菌感染症とは」(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/ehec/010/index.html)。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177609.html)・国立健康危機管理研究機構(JIHS)「腸管出血性大腸菌感染症とは」(https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/ehec/010/index.html)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 腸管出血性大腸菌O157の特徴・ベロ毒素
  • 頻出度B

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