問題
事務室の換気に関する次の計算・記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはアです。必要換気量(Q)の計算式は「M ÷ (Ci − Co)」です。MはCO₂発生量、Ciは室内の許容CO₂濃度、Coは外気のCO₂濃度です。
計算: Q = 0.020 ÷ (0.001 − 0.0004) = 0.020 ÷ 0.0006 ≈ 33.3 m³/h が1人当たりの必要換気量となり、アの記述は正しいです。
イは、任意の基準値を使わなければならないという定めはなく誤り。ウは、換気量を増やせばCO₂濃度は1,000ppm未満にできるので誤り。エは、換気量が固定なら在室者が増えると濃度が上がるので誤り。オは、40×0.020÷0.0006≈1,333m³/h が必要で、800m³/hでは不足するので誤りです。
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 必要換気量の基本計算式: Q = M ÷ (Ci − Co)
- M = 0.020 m³/h(1人当たりCO₂発生量)
- Ci = 0.001(1,000ppm = 0.1%)
- Co = 0.0004(400ppm = 0.04%)
- Q = 0.020 ÷ (0.001 − 0.0004) = 0.020 ÷ 0.0006 ≈ 33.3 m³/h/人
「約33m³/h」という計算結果は正確です。
- イ(誤): 必要換気量の計算に「各事業場が任意に定める基準値を使用しなければならない」と定めた法令はありません。本問の計算では、事務所衛生基準規則第5条第1項第2号の値(100万分の1,000)を許容濃度として用いています。
- ウ(誤): 定常状態の室内CO₂濃度は Ci = Co + M ÷ Q です。換気量Qを大きくするほど M÷Q は小さくなり、室内濃度は外気濃度(本問では400ppm)に近づきます。1,000ppmが下限になることはありません。
- エ(誤): 在室者数をNとすると Ci = Co + (0.020 × N) ÷ Q です。Qを固定したままNが増えれば、室内CO₂濃度は上昇します。
- オ(誤): Q = 40 × 0.020 ÷ (0.001 − 0.0004) = 0.80 ÷ 0.0006 ≈ 1,333 m³/h が必要換気量です。800m³/hでは不足します。
【理論的背景】
必要換気量は、室内で発生する汚染物質(ここではCO₂)の濃度を許容値以下に保つために必要な外気の取入れ量です。室内のCO₂濃度が一定に保たれている状態(定常状態)では、CO₂の出入りがつり合っています。
必要換気量の導出(CO₂収支):
- 外気から流入するCO₂量: Q × Co(換気量 × 外気CO₂濃度)
- 室内で発生するCO₂量: M(人の呼吸等)
- 室内から排出されるCO₂量: Q × Ci(換気量 × 室内CO₂濃度)
定常状態では: Q × Co + M = Q × Ci
整理すると: M = Q × (Ci − Co)
∴ Q = M ÷ (Ci − Co) ← 必要換気量の基本式
この式を室内濃度について解くと Ci = Co + M ÷ Q となり、ウ・エの判断に使えます。
【実務・条文構造】
事務所衛生基準規則のCO₂・COに関する基準:
1. 第3条第2項(換気): 室における一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率を、それぞれ100万分の50以下及び100万分の5,000以下とする。
2. 第5条第1項第2号(空気調和設備等による調整): 空気調和設備又は機械換気設備を設けている場合は、室に供給される空気中の一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率を、それぞれ100万分の10以下(外気が汚染されていて困難な場合は100万分の20以下)及び100万分の1,000以下とする。
このほか事務所則は、第3条第1項で窓その他の開口部の直接外気に向かって開放できる部分の面積を常時床面積の20分の1以上とすること(換気が十分に行われる性能を有する設備を設けたときを除く)、第5条第3項で空気調和設備を設けている場合の気温18度以上28度以下・相対湿度40%以上70%以下(努力義務)を定めています。
換気量計算の数値例(M=0.020m³/h/人・Ci=1,000ppm・Co=400ppm):
| 在室者数 | CO₂発生量 | 必要換気量Q |
|---|---|---|
| 10人 | 0.20 m³/h | 0.20÷0.0006≈333 m³/h |
| 20人 | 0.40 m³/h | 667 m³/h |
| 30人 | 0.60 m³/h | 1,000 m³/h |
| 40人 | 0.80 m³/h | 1,333 m³/h |
| 50人 | 1.00 m³/h | 1,667 m³/h |
【試験での位置づけ】
換気量計算では「Q = M ÷ (Ci − Co) を正確に使えるか」「分子(CO₂発生量)と分母(濃度差)を逆にしない」「ppmを小数に直す(1,000ppm = 0.001)」が問われます。アは式と数値が正しく、実際に計算すれば正しいと判断できます。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 濃度差(Ci − Co)が小さいほど必要換気量は大きくなります。外気濃度が高くなる、または許容濃度を厳しくすると、同じ在室者数でもより多くの換気量が必要です。
- イ: 計算に用いる許容濃度を、法令の値より厳しく設定することは事業場の判断で可能です。ただし「任意の値を使用しなければならない」という義務はありません。
- ウ: 例として1人当たり300m³/hの換気を行うと、Ci = 0.0004 + 0.020 ÷ 300 ≈ 0.000467(約467ppm)となり、外気濃度に近い値になります。
- エ: 40人用に1,333m³/hの換気量で固定したまま80人に増えると、Ci = 0.0004 + (0.020 × 80) ÷ 1,333 ≈ 0.0016(約1,600ppm)となり、1,000ppmを超えます。
- オ: 必要換気量は在室者数に比例するので、1人当たり約33.3m³/h × 40人 ≈ 1,333m³/h が必要です。選択肢の約800m³/hでは、Ci = 0.0004 + 0.80 ÷ 800 = 0.0014(1,400ppm)となり、1,000ppm以下に保てません。
【根拠】必要換気量の計算式(定常状態のCO₂収支 Q=M÷(Ci−Co))。事務所衛生基準規則 第3条第2項・第5条第1項第2号(安全衛生情報センター収録 https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-36-2-0.htm)。
【補足】必要換気量: Q = M ÷ (Ci − Co)。1人当たりの計算例: 0.020÷(0.001−0.0004)≈33.3m³/h/人。40人の場合: 約1,333m³/h以上必要。換気量を増やせば室内CO₂濃度はさらに下げられる(1,000ppmが下限ではない)。
- 事務所衛生基準規則第5条・第3条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 必要換気量の計算式(定常状態のCO₂収支)。CO₂の基準値は事務所衛生基準規則第3条第2項(室の含有率 100万分の5,000以下)・第5条第1項第2号(空気調和設備・機械換気設備から室に供給される空気 100万分の1,000以下)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

