問題
産前産後休業および育児休業に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはイです。産後休業について、労基法第65条第2項ただし書は「産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない」と定めています。産後8週間以内は原則として就業禁止ですが、産後6週間経過後(6週間超え)に本人の請求と医師の承認がある場合は例外的に就業可能です。
各誤りの要点: ア→産前休業を請求できるのは「6週間以内(多胎妊娠は14週間以内)に出産する予定の女性」であり、「8週間前から」は数値が誤りです(8週間は産後の就業禁止期間)。ウ→育介法第5条は「労働者は」と定めており、男性も取得できます。エ→雇用保険から育児休業給付金が支給されます(休業日数180日までは休業開始時賃金日額の67%、その後は50%)。オ→この不利益取扱いの禁止は育介法第10条の規定で、労基法第65条は産前産後休業の規定です。
産前産後休業・育児休業の全体像(労基法・育介法):
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 産前休業を請求できるのは「6週間以内(多胎妊娠の場合は14週間以内)に出産する予定の女性」です(労基法第65条第1項)。選択肢アは「8週間前(多胎14週間前)から」としており、産前の起算週数が誤りです(8週間は産後休業の原則期間と混同したもの)。なお後半の「使用者の請求により強制的に取得させることはできない(本人請求制)」は正しい内容ですが、前半の数値が誤っているため肢全体としては誤りです。
- イ(正): 産後休業の例外(労基法第65条第2項ただし書): ①産後6週間経過後 ②本人の請求 ③医師が支障がないと認めた業務 → 就業可能。「産後6週間」と「産後8週間」の区別(6週間経過後=請求+医師許可で就業可、8週間は産後休業の原則期間)が重要です。
- ウ(誤): 育介法第5条第1項は「労働者は、その養育する一歳に満たない子について…育児休業…をすることができる」と定めており、男性(父親)も取得できます。子の出生後8週間以内に4週間以内の期間で取得できる出生時育児休業(第9条の2)もあります。
- エ(誤): 育児休業給付金は雇用保険から支給されます(雇用保険法第61条の7)。休業日数が通算180日に達するまでは休業開始時賃金日額の100分の67、それ以降は100分の50に相当する額が支給の基礎になります。
- オ(誤): 育児休業の申出・取得を理由とする解雇その他不利益な取扱いの禁止は、育介法第10条の規定です。労基法第65条は産前産後休業の規定であり、本肢は根拠法令が誤っています。
【理論的背景】
産前産後休業(労基法第65条)と育児休業(育介法)は、法律の根拠が異なります。産前休業は本人の請求が要件ですが、産後休業は「産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない」という禁止規定(ただし6週間経過後の例外あり)です。育児休業は育介法で定められた、労働者が事業主に申し出ることにより取得する休業制度です。
令和3年改正(令和3年法律第58号)以降の育介法の主な内容:
1. 出生時育児休業(産後パパ育休・第9条の2): 子の出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間以内の期間を定めてする休業。2回まで
2. 育児休業の2回取得: 1歳到達日までの期間内に2回まで(第5条第2項)
3. 育児休業の取得の状況の公表(第22条の2): 常時雇用する労働者の数が300人を超える事業主は、毎年少なくとも1回公表しなければならない
4. 雇用環境の整備(第22条第1項): 育児休業に係る研修の実施、相談体制の整備などのいずれかの措置を講じなければならない
【実務・条文構造】
産前産後休業・育児休業の主要制度の整理:
産前休業(労基法第65条第1項):
- 要件: 6週間以内(多胎妊娠は14週間以内)に出産予定の女性が請求した場合
- 性質: 本人請求制(請求がなければ取得しないことも可能)
- 使用者の義務: 請求があった場合に就業させることができない(強制取得は不可)
産後休業(労基法第65条第2項):
- 原則: 産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない(本人が希望しても、6週間を経過するまでは例外なし)
- 例外: 産後6週間を経過した場合に①本人の請求 ②医師が支障がないと認めた業務 → 就業可能
- 「6週間」と「8週間」の意味:
- 6週間: 産後6週間経過後(例外が始まる時点)
- 8週間: 産後休業の全体期間(原則の就業禁止期間)
育児休業(育介法第5条):
- 対象: 1歳に満たない子を養育する労働者(男女問わず)
- 延長: 雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合(保育所に入所できない等)→1歳6か月まで(第3項)、さらに2歳まで(第4項)
- 回数: 1歳到達日までの期間内に2回まで(第2項)
- 期間を定めて雇用される者の条件: 子が1歳6か月に達する日までに、その労働契約(更新される場合は更新後のもの)が満了することが明らかでない者(第1項ただし書)
育児休業給付金(雇用保険法第61条の7):
- 支給対象: 1歳に満たない子を養育するための休業をした被保険者(短期雇用特例被保険者・日雇労働被保険者を除く)
- 支給額: 休業日数が通算180日に達するまでは休業開始時賃金日額×支給日数の100分の67、それ以降は100分の50に相当する額
- 出生時育児休業については出生時育児休業給付金(同法第61条の8)
育児休業取得者の保護(育介法第10条):
- 事業主は、労働者が育児休業申出等をし、若しくは育児休業をしたこと等を理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない
【試験での位置づけ】
産前産後・育児休業の頻出ポイント:
- 「産後6週間経過後+本人請求+医師承認=就業可(例外)」
- 「産後8週間以内は原則就業禁止」(6と8の区別が重要)
- 「育児休業は男性も取得可」
- 「育児休業給付金は雇用保険から支給(67%→50%)」
- 「出生時育児休業(産後パパ育休)・育児休業の2回取得・取得状況の公表(300人超)」
- 「育児休業を理由とする不利益取扱いの禁止は育介法第10条」
引っかけパターン:
- 「産後6週間は就業禁止(8週間が正しい)」
- 「産後8週間経過後に本人請求で就業可(6週間後が正しい)」
- 「育児休業は女性のみ」(男性も可)
- 「育児休業中は給付金なし」(雇用保険から支給あり)
【各選択肢の発展補足】
- ア: 産前休業は「6週間以内(多胎14週間以内)に出産予定の女性が請求した場合」に取得でき、本肢の「8週間前から」は数値が誤りです(8週間は産後休業の原則期間)。産前休業は本人の請求が要件ですが、産後休業(第65条第2項)は本人が希望しても6週間を経過するまでは就業させられない規定であり、産前と産後で性質が異なります。「産前6週間・産後8週間」という数値の組合せを正確に押さえることが重要です。
- イ: 例外で就かせることができるのは「医師が支障がないと認めた業務」に限られます(第65条第2項ただし書)。全業務の就業が許されるわけではありません。
- ウ: 育児休業とは別に、出生時育児休業(第9条の2)があり、子の出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間以内の期間を定めて取得できます。いずれも「労働者」が対象で、性別による区別はありません。
- エ: 育児休業給付金の対象は被保険者で、短期雇用特例被保険者と日雇労働被保険者は除かれます(雇用保険法第61条の7第1項)。
- オ: 労基法第65条は産前産後休業、育介法第10条は育児休業申出等や育児休業をしたこと等を理由とする解雇その他不利益な取扱いの禁止です。根拠法令の取り違えを問う引っかけです。
【根拠法令】労働基準法 第65条(産前産後:産後6週間経過後+本人請求+医師が支障がないと認めた業務で就業可・産後8週間以内は原則就業禁止)、育児・介護休業法 第5条(育児休業:男女問わず・最長2歳まで)・第9条の2(出生時育児休業)・第10条(不利益取扱いの禁止)・第22条の2(取得状況の公表:300人超)、雇用保険法 第61条の7(育児休業給付金:67%→50%)
【補足】産後は6週間経過後+本人請求+医師が支障がないと認めた業務で就業可(6と8の区別が重要)。育児休業は男女問わず取得可能。育休給付金は雇用保険から67%(休業日数180日以降50%)。育児休業を理由とする不利益取扱いの禁止は育介法第10条。
- 労働基準法第65条e-Govで原文を読む
- 雇用保険法第61条の7e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法(労基法)第65条(産前産後)、育児・介護休業法(育介法)第5条(育児休業の申出)・第10条(不利益取扱いの禁止)、雇用保険法第61条の7(育児休業給付金)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

