問題
安全衛生教育に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
誤っているのはウです。特別教育の実施記録の保存期間は3年間(安衛則第38条)であり、5年間ではありません。
安全衛生関係の記録保存期間は複数あり混同しやすいため整理が必要です。健康診断個人票は5年保存(安衛則第51条)ですが、特別教育の記録は3年保存です。この数値の違いが試験で問われる典型的な引っかけです。
各正しい選択肢の確認: ア→雇入れ時と作業内容変更時の教育義務(安衛法第59条第1項・第2項)。イ→特別教育(同条第3項・安衛則第36条)。エ→職長教育(安衛法第60条・安衛令第19条の業種)。オ→十分な知識・技能を有する労働者についての教育の省略(安衛則第35条第2項)。
安全衛生教育の種類と保存期間(安衛法第59条〜第60条・安衛則):
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 「雇入れ時」と「作業内容変更時」の安全衛生教育は、安衛法第59条第1項・第2項による義務(事業場の規模・業種を問わない)。教育事項は機械等・原材料等の危険性又は有害性、作業手順、作業開始時の点検、疾病の原因及び予防、整理整頓、事故時等の応急措置及び退避等(安衛則第35条第1項)。
- イ(正): 特別教育(安衛法第59条第3項・安衛則第36条)の対象は、研削といしの取替え、アーク溶接等、低圧の充電電路の敷設・修理、最大荷重1t未満のフォークリフトの運転、つり上げ荷重5t未満のクレーンの運転、フルハーネス型墜落制止用器具を用いて行う作業など、第1号〜第41号(枝番を含む)の業務。
- ウ(誤): 特別教育の記録(受講者、科目等)の保存期間は3年間(安衛則第38条)。健康診断個人票(5年)と混同しやすい。
- エ(正): 職長教育(安衛法第60条)の対象業種は、建設業、製造業(たばこ製造業など一部を除く)、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業(安衛令第19条)。作業主任者は対象から除かれます。
- オ(正): 雇入れ時等の教育事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略できます(安衛則第35条第2項)。
安全衛生記録の保存期間比較:
| 記録の種類 | 保存期間 |
|---|---|
| 特別教育の記録 | 3年間(安衛則第38条) |
| 健康診断個人票 | 5年間(安衛則第51条) |
| ストレスチェック結果の記録(労働者の同意を得て提供を受けた場合) | 5年間(安衛則第52条の13第2項) |
| 産業医の勧告の内容等の記録 | 3年間(安衛則第14条の3第2項) |
【理論的背景】
安全衛生教育制度(安衛法第59条〜第60条)は、労働者が危険・有害業務に従事する前に必要な知識・技能を習得させることで、労働災害を未然に防止するための予防的措置です。「知らなかったから事故に遭った」という事態を制度的に防ぐための仕組みと言えます。
特別教育(第59条第3項)は、フォークリフト・クレーン・アーク溶接・低圧電気取扱い等の厚生労働省令で定める危険・有害業務に労働者をつかせるときに行う教育です。同じ種類の機械でも、規模の大きいものは就業制限業務(免許または技能講習修了等が必要・安衛法第61条)、小さいものは特別教育の対象業務に分かれる点も重要です。
【実務・条文構造】
安全衛生教育の体系:
1. 雇入れ時・作業内容変更時の教育(安衛法第59条第1項・第2項):
- 対象: すべての労働者(規模・業種不問)
- タイミング: 雇い入れた時・作業内容変更時(遅滞なく)
- 内容(安衛則第35条第1項第1号〜第8号):
- 機械・原材料等の危険性・有害性
- 安全装置・有害物抑制装置・保護具の性能と取扱方法
- 作業手順
- 作業開始時の点検
- 整理・整頓・清潔の保持
- 事故時等における応急措置・退避
- 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防
- その他当該業務に関する安全衛生のために必要な事項
- 省略可能な場合: 十分な知識・技能を有していると認められる労働者については、その事項の教育を省略可(安衛則第35条第2項)
2. 特別教育(安衛法第59条第3項・安衛則第36条):
- 対象業務(主要なもの): 研削といしの取替え又は取替え時の試運転・アーク溶接等・低圧の充電電路の敷設又は修理・最大荷重1t未満のフォークリフトの運転・つり上げ荷重5t未満のクレーンの運転・ゴンドラの操作・フルハーネス型墜落制止用器具を用いて行う作業等
- 科目の省略: 十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、その科目の特別教育を省略可(安衛則第37条)
- 記録保存: 受講者、科目等の記録を3年間(安衛則第38条)
3. 職長等への教育(安衛法第60条):
- 対象業種(安衛令第19条): 建設業・製造業(たばこ製造業、繊維工業〔紡績業・染色整理業を除く〕、衣服その他の繊維製品製造業、紙加工品製造業〔セロファン製造業を除く〕を除く)・電気業・ガス業・自動車整備業・機械修理業
- タイミング: 新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く)
- 内容: 作業方法の決定及び労働者の配置、労働者に対する指導又は監督の方法、危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置、異常時等における措置など(安衛法第60条・安衛則第40条)
4. 安全管理者等に対する教育等(安衛法第19条の2・努力義務):
- 事業者は、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者その他労働災害の防止のための業務に従事する者に対し、能力の向上を図るための教育、講習等を行い、又はこれらを受ける機会を与えるように努めなければならない
就業制限業務 vs 特別教育業務:
| 業務区分 | 必要要件 | 例 |
|---|---|---|
| 就業制限業務(安衛法第61条・安衛令第20条) | 免許または技能講習修了等 | つり上げ荷重5t以上のクレーンの運転(第6号)・最大荷重1t以上のフォークリフトの運転(第11号) |
| 特別教育業務(安衛法第59条第3項・安衛則第36条) | 特別教育 | つり上げ荷重5t未満のクレーンの運転(第15号)・最大荷重1t未満のフォークリフトの運転(第5号) |
→ 規模の大きい機械ほど免許・技能講習が必要(要件が厳格)
【試験での位置づけ】
安全衛生教育の頻出ポイント:
- 「雇入れ時と作業内容変更時に義務あり」
- 「特別教育の記録保存は3年間(健康診断個人票の5年と混同しない)」
- 「職長教育は政令で定める業種(建設業・製造業等)に限定」
- 「就業制限業務(免許・技能講習)vs特別教育業務の区別」
保存期間の数値(3年・5年)の区別は頻出の引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 安衛法第59条第1項は「労働者を雇い入れたとき」と定めており、雇用形態による区別はありません。作業内容を変更したときにも準用されます(同条第2項)。
- イ: 特別教育の対象業務は安衛則第36条に第1号から第41号まで(枝番を含む)列挙されています。業種・規模を問わず、対象業務に労働者をつかせるときに実施が必要です。
- ウ: 3年保存の記録は「特別教育の記録」(安衛則第38条)のほか「産業医の勧告の内容等の記録」(安衛則第14条の3第2項)もあります。健康診断個人票は5年保存(安衛則第51条)です。
- エ: 職長教育の対象業種は安衛令第19条に定める6業種(建設業、製造業〔一部を除く〕、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業)です。作業主任者は職長教育の対象から除かれています(安衛法第60条)。
- オ: 雇入れ時等の教育の省略(安衛則第35条第2項)と同様に、特別教育にも科目の省略の規定があります(安衛則第37条)。いずれも「十分な知識及び技能を有していると認められる労働者」が要件で、業種による省略ではありません。
【根拠法令】労働安全衛生法 第59条(安全衛生教育:雇入れ時・作業内容変更時・特別教育)・第60条(職長等への教育)・第61条(就業制限)、労働安全衛生法施行令 第19条(職長等の教育を行うべき業種)・第20条(就業制限業務)、労働安全衛生規則 第35条(雇入れ時等の教育・省略)・第36条(特別教育対象業務)・第37条(特別教育の科目の省略)・第38条(特別教育記録の3年保存)
【補足】特別教育の記録保存は3年間(健康診断個人票の5年ではない)。雇入れ時・作業内容変更時に教育義務あり(規模・業種不問)。職長教育は安衛令第19条の業種のみ義務。
- 労働安全衛生規則第36条・第38条・第51条・第35条・第52条の13・第14条の3e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法第59条・第60条・第61条・第19条の2e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第19条・第20条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第59条(安全衛生教育)・第60条(職長等への教育)、労働安全衛生法施行令(安衛令)第19条(職長等の教育を行うべき業種)、労働安全衛生規則(安衛則)第35条(雇入れ時等の教育・省略)・第36条(特別教育の対象業務)・第38条(特別教育の記録保存:3年間)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

