問題
雇入れ時および作業変更時の安全衛生教育(安衛法第59条)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
誤りはエです。特別教育(安衛法第59条第3項)の記録は、安衛則第38条により「特別教育の記録を作成し、3年間保存しなければならない」と規定されています。「5年間保存」という記述は誤りです(3年が正しい)。
ア(雇入れ時の教育義務)、イ(臨時・パートも対象)、ウ(十分な知識・技能を有する労働者は該当事項を省略可・安衛則第35条第2項)、オはいずれも正しい記述です。オについては、特別教育の記録保存義務(安衛則第38条・3年)とは異なり、雇入れ時教育・作業変更時教育の記録保存については労働安全衛生規則に明文の規定がありません。この「特別教育=記録保存義務あり(3年)/雇入れ時・作業変更時教育=明文の記録保存義務なし」という違いが本問の核心です。
安全衛生教育(安衛法第59条)の全体像:
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 安衛法第59条第1項により、事業者は労働者を雇い入れたときは、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行わなければなりません。業種・規模による限定はありません。
- イ(正): 安衛法第59条第1項・安衛則第35条の対象は「労働者」であり、正規・臨時・パートタイムといった雇用形態による区別は設けられていません。
- ウ(正): 安衛則第35条第2項により、教育事項(同条第1項各号)の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができます。
- エ(誤): 安衛則第38条により、特別教育(安衛法第59条第3項)を行ったときは、受講者・科目等の記録を作成して3年間保存しなければなりません。「5年間」という記述は誤りです。
- オ(正): 雇入れ時教育(安衛法第59条第1項)・作業内容変更時教育(同条第2項)について、安衛則第35条は教育事項と省略を定めていますが、記録の作成・保存の規定はありません。記録の作成・保存が定められているのは特別教育(安衛則第38条・3年)です。
【理論的背景】
安全衛生教育(安衛法第59条・第60条・第60条の2)は、労働者が従事する業務の危険性・有害性とその対処を知ったうえで作業できるようにするための制度です。雇入れ時・作業内容変更時の教育は、安衛則第35条で教育事項と省略の規定が定められています。
安全衛生教育の種類と根拠規定:
1. 雇入れ時教育(安衛法第59条第1項): 労働者を雇い入れたとき
2. 作業内容変更時教育(安衛法第59条第2項): 労働者の作業内容を変更したとき(第1項を準用)
3. 特別教育(安衛法第59条第3項): 安衛則第36条に定める危険又は有害な業務に就かせるとき
4. 職長等の教育(安衛法第60条): 政令で定める業種(建設業、製造業(一部を除く)、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業・安衛令第19条)で新たに職務につく職長等
5. 危険有害業務に現に就いている者への教育(安衛法第60条の2): 努力義務
【実務・条文構造】
雇入れ時・作業内容変更時教育の事項(安衛則第35条第1項。遅滞なく、当該労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について行う):
1. 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること
2. 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること
3. 作業手順に関すること
4. 作業開始時の点検に関すること
5. 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること
6. 整理、整頓及び清潔の保持に関すること
7. 事故時等における応急措置及び退避に関すること
8. 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項
教育の省略:
- 安衛則第35条第2項: 上記各号の事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略できる
- 安衛則第37条: 特別教育の科目の全部又は一部について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該科目の特別教育を省略できる
特別教育が必要な業務(安衛則第36条・抜粋):
- 研削といしの取替え又は取替え時の試運転の業務
- 動力プレスの金型、シヤーの刃部又はプレス機械・シヤーの安全装置・安全囲いの取付け、取外し又は調整の業務
- 作業床の高さが10m未満の高所作業車の運転(道路上を走行させる運転を除く)の業務
- 小型ボイラーの取扱いの業務
- 酸素欠乏危険場所における作業に係る業務
- 石綿則第4条第1項に掲げる作業に係る業務
- 足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業を除く)
教育記録の保存義務:
- 特別教育: 受講者、科目等の記録を作成して3年間保存(安衛則第38条)
- 雇入れ時・作業内容変更時教育: 安衛則第35条に記録の作成・保存の規定はない
【試験での位置づけ】
安全衛生教育では「特別教育の記録3年保存(安衛則第38条)」「雇用形態を問わず対象」「十分な知識・技能を有する者は該当事項を省略可(安衛則第35条第2項)」が頻出です。特に「記録の保存が定められているのは特別教育(3年)で、雇入れ時教育・作業内容変更時教育には記録保存の規定がない」という区別は、本問のような正誤判定で問われる重要ポイントです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 教育の内容は「その従事する業務に関する」安全又は衛生のための教育です(安衛法第59条第1項)。安衛則第35条第1項も「当該労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項」と定めています。
- イ: 安衛法第59条第1項は「労働者を雇い入れたとき」と定めるだけで、雇用形態や雇用期間による除外を設けていません。
- ウ: 省略できるのは「十分な知識及び技能を有していると認められる」事項に限られます。特別教育にも同じ趣旨の省略規定(安衛則第37条)があります。
- エ: 特別教育の記録は、受講者・科目等を記録して3年間保存します(安衛則第38条)。5年ではありません。
- オ: 雇入れ時教育・作業内容変更時教育には記録保存の規定がない点が、特別教育(安衛則第38条・3年保存)との違いです。
【根拠法令】労働安全衛生法 第59条第1項・第2項(雇入れ時・作業内容変更時教育)・第59条第3項(特別教育)・第60条(職長等の教育)・第60条の2(危険有害業務従事者への教育)、労働安全衛生規則 第35条(教育事項・省略)・第36条(特別教育の対象業務)・第37条(特別教育の科目の省略)・第38条(特別教育の記録の3年保存)
【補足】記録の保存が定められているのは特別教育(安衛則第38条・3年保存)。雇入れ時教育・作業内容変更時教育には記録保存の規定なし。雇用形態を問わず対象。十分な知識・技能を有する労働者は該当事項の教育を省略可。
- 労働安全衛生法第59条・第60条・第60条の2e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生規則第35条・第38条・第36条・第37条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第19条e-Govで原文を読む
- 石綿障害予防規則第4条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第59条(雇入れ時・作業変更時教育)・第60条(職長教育)、労働安全衛生規則(安衛則)第35条(教育内容)・第36条(特別教育の対象業務)・第38条(特別教育の記録の3年保存)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

