衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 労働生理 問26|腎臓・尿の性状と異常所見

問題

衛生管理者 | 労働生理

尿の性状と異常所見に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤りはアです。尿比重計や屈折計で測った尿比重は、尿中のグルコースなどの大きな分子の濃度が高いと上昇することがあります。「低下する」は逆です。グルコースは通常、血糖値が180mg/dLを超え、かつ腎機能が正常な場合に尿中に出現します。

その他は正しい内容です。尿pHの正常値と検体放置によるpH上昇(エ)、ケトン尿症の意味(イ)、蛋白クレアチニン比の使い方と限界(ウ)、尿潜血がヘモグロビン・ミオグロビンにも反応すること(オ)。

各選択肢の正誤と根拠:

  • エ(正): pHは5.0〜6.0が正常値(範囲は4.5〜8.0)です。検体処理が遅れると、細菌により尿素が分解される過程でアンモニアが放出されるため、pHが上昇することがあります。ウレアーゼを産生する病原体に感染した場合も、pH高値の偽陽性となることがあります。
  • イ(正): ケトン体はケトン血症患者の尿中に漏出します。ケトン尿症は内分泌・代謝性疾患によって生じ、腎機能障害は反映しません。なお、試験紙による尿中ケトン体測定はアセト酢酸とアセトンしか測定できず、βヒドロキシ酪酸は測定されません。
  • ウ(正): 総タンパク質排泄量は、24時間蓄尿で測定するか、随時尿検体のタンパク質/クレアチニン比から推定できます。この比は24時間蓄尿での測定値と良好に相関しますが、クレアチニン排泄量が有意に増加(例: 筋肉質のアスリート)または低下(例: 悪液質)すると真度が低下します。
  • ア(誤): 比重は尿濃度(浸透圧)の大まかな尺度で、正常範囲は1.001〜1.035です。尿比重計および屈折計による測定値は、尿中の大きな分子(放射線不透過性造影剤・アルブミン・グルコースなど)の濃度が高いと上昇することがあります。「低下する」は誤りです。
  • オ(正): 血尿は、赤血球が試験紙の上で溶解してヘモグロビンが放出され、変色を起こすことで検出されます。試験紙はヘモグロビンに反応するため、遊離ヘモグロビン(血管内溶血)やミオグロビン(横紋筋融解症)があっても陽性と判定されます。

【理論的背景】

尿検査は、腎臓・尿路だけでなく代謝・内分泌の異常を拾う基本的な検査です。完全な尿検査には、色調・外観・匂いの確認、尿試験紙によるpH・比重・タンパク質・グルコース・ヘモグロビン(赤血球を示唆)・亜硝酸塩・白血球エステラーゼの測定、そして円柱・結晶・細胞(尿沈渣)の顕微鏡分析が含まれます。

尿試験紙・尿検査の主な項目:

項目正常・基準読み方の注意
pH5.0〜6.0が正常値(範囲4.5〜8.0)検体処理の遅れやウレアーゼ産生菌の感染でpHが上昇することがある
比重1.001〜1.035高齢者・腎機能障害では濃縮能が低下して低値のことがある。造影剤・アルブミン・グルコースが多いと比重計・屈折計の値が上昇することがある
タンパク質試験紙は主に尿中アルブミン濃度を反映糖尿病の腎合併症の重要なマーカーである中等度アルブミン尿は、標準の試験紙では検出されない
グルコース量に関係なく異常通常、血糖値が180mg/dLを超え、腎機能が正常な場合に出現。試験紙の検出閾値は50mg/dL
ケトン体―ケトン血症で尿中に漏出。試験紙はβヒドロキシ酪酸を測定できない
ヘモグロビン(潜血)―遊離ヘモグロビン(溶血)・ミオグロビン(横紋筋融解症)でも陽性

【実務・条文構造】

職場の健康診断と尿検査:

  • 雇入時の健康診断(安衛則第43条)には「尿中の糖及び蛋白の有無の検査」が含まれ、定期健康診断(安衛則第44条第1項第10号)ではこれを「尿検査」として行います
  • 定期健康診断で医師の判断により省略できる項目は第44条第2項に列挙された項目(身長・体重・腹囲・視力・聴力、胸部エックス線検査及び喀痰検査、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、心電図)で、尿検査は含まれていません
  • 健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者については、健康を保持するために必要な措置について医師または歯科医師の意見を聴かなければなりません(安衛法第66条の4)

【試験での位置づけ】

尿の性状の問題では、「比重は尿濃度の目安で、グルコースなどの大きな分子が多いと比重計・屈折計の値は上昇する(低下しない)」という方向が問われやすい論点です。アのように方向を逆にした記述が典型的な引っかけです。あわせて、試験紙の潜血はヘモグロビンに反応するため赤血球以外でも陽性になること、蛋白クレアチニン比はクレアチニン排泄量が大きく変わる人では当てにならないことも押さえておきましょう。

【各選択肢の発展補足】

  • エ: 尿細管性アシドーシスの診断などで精密なpH値が必要な場合は、ガラス電極によるpH測定が推奨され、二酸化炭素の逸脱を防ぐため尿検体に鉱油膜層を加えます。
  • イ: 試験紙法ではβヒドロキシ酪酸が測定されないため、ケトン体の評価に試験紙はもはや広くは推奨されておらず、正確さの点では血清中のケトン体を直接測定する方法が上回ります。
  • ウ: 尿中アルブミン/クレアチニン比は、尿検体を定時に採取する必要がなく24時間蓄尿での値と良好に相関するため、より簡便なスクリーニング検査です。30mg/gを超える値は中等度アルブミン尿を示唆します。
  • ア: 尿試験紙による比重は、尿pHが6未満の場合は不当に高く、7を超える場合は不当に低く判定されることがあります。尿浸透圧は浸透圧計で直接測定でき、正常範囲は50〜1,200mOsm/kgです。
  • オ: 鏡検では、赤血球は3個未満/HPFなら正常のことがあり(運動後などは5個未満/HPFでも正常のことがある)、無症候性血尿は臨床状況に照らして解釈します。糸球体性赤血球は小さく変形し、非糸球体性赤血球は正常な形状とサイズを保ちます。

【根拠】MSDマニュアル プロフェッショナル版「腎症状を有する患者の評価」、労働安全衛生規則第43条・第44条、労働安全衛生法第66条の4。

【補足】尿比重の正常範囲は1.001〜1.035。グルコースなどが多いと比重計・屈折計の値は上昇する(低下は誤り)。尿潜血はヘモグロビン・ミオグロビンにも反応。蛋白クレアチニン比はクレアチニン排泄量が大きく変わる人では真度が低下する。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: MSDマニュアル プロフェッショナル版「腎症状を有する患者の評価」(尿検査)、労働安全衛生規則第43条・第44条。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 腎臓・尿の性状と異常所見
  • 頻出度B

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