基本情報 平成23年度 春期 問70:ストラテジ系に関する問題
T社ではA, B, Cの3種類の商品を販売している。現在のところ, それぞれの商品 には毎月 10.000 人, 20,000 人, 80,000 人の購入者がいる。来年から商品体系を変更し て, P, Q, R, Sの4種類の新商品を販売する予定である。 そこで, 現在の顧客が新商品を購入する割合と新規の顧客数を試算した。この試算 について, 適切な記述はどれか。 人数 P Q NN 〇 A 10,000 0.5 0.3 0.1 0.1 B 20,000 0.1 0.6 0.1 0.1 C 80,000 0.1 0.1 0.3 0.3 既存顧客人数 15,000 23,.000 27,000 27,000 新規顧客人数 5,000 7.000 13.000 23.000
- a商品A の購入者のうち, 1.000 人が商品 Q を購入すると予想している。
- b商品B の購入者は, 商品P, Q, R, Sのどれかを購入すると予想している。
- c商品Pの購入見込者の5割は, 商品Aの購入者であると予想している。
- d商品 S の新規顧客人数は, 商品 C の購入者のうち商品 S を購入する人数より少な いと予想している。正答
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答えは d です。
表を読むと、商品Cの購入者80,000人のうち、商品Sを買う割合は0.3 → 80,000×0.3=24,000人。一方、商品Sの新規顧客は表で23,000人。「Sの新規顧客23,000人 < Cから流れるS購入者24,000人」となり、選択肢dの記述と一致します。
👉 覚え方:人数×割合で「移動する人数」を出して比べる。
ほかの選択肢:a A→Qは10,000×0.3=3,000人なので「1,000人」は誤り/b Bの割合合計0.9で全員ではない/c PはAから5,000・Bから2,000・Cから8,000で計15,000、Aの割合は5/15=約33%で5割ではない。
なぜこれが正解か
正解は d。商品Cの購入者80,000人のうち商品Sを購入する割合は0.3、つまり80,000×0.3=24,000人。表の商品Sの新規顧客人数は23,000人。23,000<24,000 なので「商品Sの新規顧客人数は、商品Cの購入者のうち商品Sを購入する人数より少ない」は正しい。
各選択肢の解説
- a:商品A→Qは10,000×0.3=3,000人。1,000人は誤り。
- b:Bの割合合計は0.1+0.6+0.1+0.1=0.9。残り10%は離脱可能性があるため「必ずどれかを買う」は誤り。
- c:Pの既存顧客15,000人の内訳はA:5,000・B:2,000・C:8,000。Aの割合は5/15≒33%で「5割」は誤り。
覚え方・ひっかけ注意
表の値を人数×割合で個別計算して照合する。割合合計が1.0未満なら「全員が移行する」は誤り、と覚えると b の誤りに即気付ける。
理論的背景
この問題は顧客遷移行列(Customer Transition Matrix)の典型題。マーケティング科学ではマルコフ連鎖モデルを応用し、商品体系変更時の顧客フローを推定する。各セル ai,j は商品i購入者が新商品jを購入する確率を表し、行和が1未満の場合は離脱率(churn rate)が存在することを意味する。
実務での使われ方
ECサイトのリピート購入分析、サブスクリプションサービスのコホート分析、ブランドスイッチ分析、マーケティングミックスモデリング(MMM)で同種の表を扱う。SaaSのコホート分析では月次の顧客遷移行列を作成し、Net Revenue Retention(NRR)やChurn Rateを算出する。表の読解力は実務でも重要。
試験での位置づけ
基本情報のストラテジ系(経営戦略・マーケティング)で頻出の表計算問題。重み付け総合評価法・PPM・損益分岐点・在庫管理(経済発注量EOQ)等と並んで定番。応用情報・ITストラテジストでは販売予測モデル、ベイズ推定との連携も問われる。
選択肢の発展補足
bの誤りは「割合合計0.9」に気付けるかが鍵。実務では離脱(churn)の存在を前提に分析する。cの「Pの購入者15,000の構成比」は条件付き確率P(A|P)=P(P|A)P(A)/P(P)の発想で、ベイズの定理の基礎。dの「24,000 vs 23,000」は新規流入と既存流入の比較で、新商品ローンチ時の顧客ポートフォリオ判断に直結する。エクセルやSQLでクロス集計表(pivot table)を作る習慣をつけると本問は即解。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成23年度 春期 問70/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。