行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 行政法 問27|申請に対する処分・理由の提示・理由提示の時期と方式

問題

行政書士 | 行政法

飲食店の営業許可を申請したAに対し、行政庁Bは申請を拒否する処分をしようとしている。この場面での理由の提示に関する次の記述のうち、行政手続法の規定に照らし、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

申請を拒否するとき、行政庁は原則として「同時に」理由を示さなければなりません(行手法8条1項本文)。

エが正しい。 8条1項ただし書は、要件や公にされた審査基準が数値などの客観的な指標で明確に決まっていて、申請書などから要件を満たさないことが明らかなときは、申請者の求めがあったときに示せば足りるとしています。

ア(誤): 理由を書面で示す義務は、処分を書面でするときです(8条2項)。イ(誤): 求めがあったときだけでよいのはただし書の場面だけで、原則は同時に示します。ウ(誤): そのような明文の規定はありません。オ(誤): 申請拒否の理由は処分と同時に示します。

8条の構造

  • 1項本文: 申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合、申請者に対し、同時に理由を示す。
  • 1項ただし書: 法令の要件または公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標で明確に定められ、申請がこれに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかなときは、申請者の求めがあったときに示せば足りる(エ正)。
  • 2項: 1項本文の処分を書面でするときは、理由も書面で示す。

誤りの肢

  • ア: 書面で示す義務は「処分を書面でするとき」に限られます。口頭の処分に書面の理由提示を求める規定ではありません。
  • イ: 原則と例外が逆です。求めがあったときに示せば足りるのは、ただし書の要件を満たす場合だけです。
  • ウ: 行政手続法には、訴訟で理由を差し替えることを禁じる規定はありません。この問題は判例・学説で論じられる事項で、行手法の明文の定めではありません。
  • オ: 8条は「同時に」と定めています。処分後に理由を示す仕組みは、不利益処分について差し迫った必要がある場合の14条1項ただし書・2項にあるもので、申請拒否処分の8条にはありません。

【理論的背景】

理由の提示は、行政庁に慎重な判断を促して恣意を抑えること、そして申請者が処分の理由を知り、不服申立てや訴訟をするかどうかを判断できるようにすることを目的とする仕組みです。だから行手法8条1項本文は、拒否処分と「同時に」理由を示すことを求めています。処分の後で理由を聞かされるのでは、申請者は処分を受けた時点で争うかどうかを判断できません。

一方で、要件が数値などで明確に決まっていて、申請書を見れば要件を満たさないことが一目で分かる場合まで、毎回理由を示させるのは手間に比べて意味が小さい。そこで8条1項ただし書は、この場合に限り「申請者の求めがあったときに」示せば足りるとしました。理由を示す義務がなくなるわけではなく、求めがあれば示さなければならない点に注意が要ります。

【実務・条文構造】

8条の要件を分けると次のとおりです。

1. 対象: 申請により求められた許認可等を拒否する処分(申請に対する処分の一部)

2. 時期: 処分と同時(1項本文)

3. 例外: ①法令の要件または公にされた審査基準が、数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている、②申請がこれらに適合しないことが、申請書の記載または添付書類その他の申請の内容から明らか、の両方を満たすとき → 申請者の求めがあったときに示せば足りる(1項ただし書)

4. 方式: 1項本文の処分を書面でするときは、理由も書面で示す(2項)

肢アは2項の「処分を書面でするとき」という条件を落としています。2項が書面での理由提示を求めるのは、処分そのものが書面でされる場合です。

肢オの「処分後相当の期間内」という言い回しは、不利益処分の14条と混同させるものです。14条1項は不利益処分について同時の理由提示を原則としつつ、ただし書で「当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合」を除き、2項でその場合も原則として処分後相当の期間内に理由を示すとしています。申請拒否処分の8条には、この事後の提示の仕組みはありません。

肢ウは、理由の差し替え(処分時と別の理由を訴訟で主張すること)を行手法が明文で禁じているとするものです。行政手続法の条文にそうした規定はありません。理由の差し替えが訴訟でどこまで許されるかは、行政事件訴訟の場で判例・学説が扱ってきた問題で、行手法の条文から直接答えが出るものではありません。条文にない禁止を「明文で禁止」とする点で誤りです。

【試験での位置づけ】

申請に対する処分の理由提示は、「同時に」「ただし書の2要件」「書面でするときは書面」の3点が繰り返し問われます。不利益処分の14条(差し迫った必要がある場合の事後提示)と並べて、どちらの条にどの例外があるかを入れ替える引っかけが典型です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(誤): 8条2項は「前項本文に規定する処分を書面でするとき」に限って書面での理由提示を求める。
  • イ(誤): 原則は同時の提示(1項本文)。求めがあったときでよいのは1項ただし書の場合だけ。
  • ウ(誤): 行手法に理由の差し替えを禁じる明文の規定はない。
  • エ(正): 8条1項ただし書をそのまま述べている。
  • オ(誤): 8条は「同時に」。処分後相当の期間内の提示は不利益処分の14条2項の仕組み。

【根拠条文】行政手続法 第8条第1項・第2項、第14条第1項・第2項(比較)

【補足】8条1項ただし書でも理由提示の義務が消えるのではなく、「求めがあったとき」に示す義務が残る。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政手続法 第8条第1項(ただし書を含む)・第2項、第14条第1項・第2項(比較)(e-Gov 法令検索 現行 https://laws.e-gov.go.jp/law/405AC0000000088 )。本問は自作問題。 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

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  • 頻出度A

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