行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 憲法 問28|議員特権・不逮捕特権・免責特権

問題

行政書士 | 憲法

国会議員の特権(不逮捕特権・免責特権)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

国会議員には二つの特権があります。①不逮捕特権(50条):「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない」。保護は会期中に限られ(オは誤り)、院内・院外の区別はありません(エは誤り)。会期前に逮捕された議員も、議院の要求があれば釈放されます(イは誤り)。②免責特権(51条):「議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない」。院外での記者会見・選挙運動等の発言には及びません(アが正答、ウは誤り)。

不逮捕特権(50条)の条文は「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない」です。ここから3点が読み取れます。第一に、保護される期間は「国会の会期中」であり、閉会中の逮捕までは禁じていません(オが誤りである根拠)。第二に、条文は逮捕の場所を限定しておらず、院外での逮捕も会期中は原則として禁止されます。例外は「法律の定める場合」に限られ、「院外なら制限なく逮捕できる」とするエは誤りです。第三に、会期前に逮捕された議員でも、その議院の要求があれば会期中は釈放しなければなりません(イが誤りである根拠)。免責特権(51条)は「両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない」と規定しており、対象は「議院で行つた」演説・討論・表決です。院外での記者会見・選挙運動・SNS投稿等の発言には免責特権が及びません(アが正答の根拠)。院外の名誉毀損発言まで免責されるとするウは、「議院で行つた」という限定を無視しており誤りです。

【理論的背景】

議員特権は、議院(立法府)の自律性と議員の自由な議院活動を保障する制度です。歴史的にはイギリス議会において、国王・行政権による議員逮捕・演説内容への責任追及を防ぐために発展しました。日本国憲法はこれを受け継ぎ、50条(不逮捕特権)と51条(免責特権)を設けています。これらは議員個人の利益のためではなく、議会全体の独立性・機能を守る制度的保障としての性格を持ちます。

【実務・条文構造】

不逮捕特権(50条)の構造を整理します。保護範囲は「国会の会期中」の逮捕であり、場所の限定はなく、院内・院外を問いません。例外は「法律の定める場合」であり、憲法自体は例外の内容を定めず法律に委ねています。会期前に逮捕された議員については「その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない」(50条後段)とされています。エは「院外での行為を理由とする逮捕は会期中でも制限なく可能」としますが、50条は場所を区別していないため誤りです。イは会期前に逮捕された議員について釈放義務を否定しており、50条後段の「釈放しなければならない」と正面から矛盾します。オは閉会中にまで保護を広げており、50条の「国会の会期中」という文言に反します。免責特権(51条)の範囲は、「議院で行つた演説、討論又は表決について」という条文上の限定から、議員としての議院における活動に限られます。院外での記者会見・選挙運動中の演説・SNS投稿等には及びません(アが正答の根拠)。効果は「院外で責任を問はれない」ことであり、院外で民事・刑事の責任を問われないことを意味します。他方、58条2項は両議院が「院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる」と定めており、議院による懲罰は51条によって妨げられません。ウが「院外での名誉毀損についても免責される」としているのは、「議院で行つた」という限定を無視した誤りです。

【試験での位置づけ】

行政書士試験での議員特権の出題ポイントは次の4つです。①不逮捕特権は「国会の会期中」の逮捕を院内外問わず制限する(閉会中は対象外)。②会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば会期中は釈放される(50条後段)。③免責特権は「議院で行つた演説、討論又は表決」に限定され、院外の発言は免責されない。④免責の効果は「院外で責任を問はれない」ことであり、院内の秩序をみだした議員への懲罰(58条2項)とは区別される。「院外での発言は免責されるか」(ウ・ア)、「不逮捕は院内のみか」(エ)、「閉会中も保護されるか」(オ)が典型的な引っかけです。

【各選択肢の発展補足】

  • エ: 誤り。50条は「国会の会期中逮捕されず」と定め、逮捕の場所を限定していない。院外であっても会期中の逮捕は「法律の定める場合」を除き許されない。
  • イ: 誤り。50条後段は「会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない」と定めており、釈放義務を否定する本肢は条文に反する。
  • ウ: 誤り。免責特権は「議院で行つた」演説・討論・表決に適用される。院外での名誉毀損発言には及ばない。
  • ア: 正答。51条「議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない」という条文上の限定を正確に表現している。院外での発言(記者会見・選挙運動等)への不適用も正確。
  • オ: 誤り。50条の保護は「国会の会期中」に限られ、閉会中の逮捕までは禁止していない。

【根拠条文】

日本国憲法 第50条(不逮捕特権)、第51条(免責特権)、第58条第2項(議院の懲罰権)

【補足】

不逮捕特権:「国会の会期中」・院内外を問わない・例外は「法律の定める場合」・会期前に逮捕された議員は議院の要求で釈放。免責特権:「議院で行つた」演説・討論・表決に限定・院外発言は免責されない。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 日本国憲法 第50条(不逮捕特権)、第51条(免責特権) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。