基礎的な物理学及び基礎的な化学73物質の三態・状態変化

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問73:物質の三態・状態変化

潜熱(状態変化熱)に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 状態変化が起こっている間、物質の温度は一定に保たれる。
  • 固体が液体になる(融解する)ときに吸収される熱を融解熱という。
  • 液体が気体になる(蒸発する)ときに吸収される熱を蒸発熱(気化熱)という。
  • 液体が気体になるとき熱を放出するため、液体の温度が上昇する。正答
  • 蒸発熱は一般に融解熱より大きい値をとる。
正答:液体が気体になるとき熱を放出するため、液体の温度が上昇する。

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誤っているのはエです。液体が気体になるとき(蒸発)は熱を吸収します。熱を放出するのは逆方向(気体→液体の凝縮)です。

  • ア(正): 状態変化中は温度一定(潜熱が変化に使われる)。
  • イ(正): 固体→液体の熱は融解熱(吸熱)。
  • ウ(正): 液体→気体の熱は蒸発熱・気化熱(吸熱)。
  • エ(誤): 蒸発は「吸熱」。熱を放出して温度が上昇するのは逆(凝縮は発熱)。
  • オ(正): 蒸発熱は融解熱より一般に大きい(水: 融解熱334 J/g、蒸発熱2260 J/g)。

アルコールが手に塗られると冷たく感じるのは、蒸発熱(気化熱)を周囲から奪うためです。

標準試験対策の基準レベル

潜熱の定義と方向(確立した物理学):

状態変化が起こる際に吸収または放出される熱を「潜熱」といいます。状態変化中は物質の温度が変化しない(一定)のが特徴です(顕熱との違い)。

| 状態変化 | 方向 | 熱の移動 | 名称 |

|---|---|---|---|

| 固体→液体 | 融解 | 吸熱 | 融解熱 |

| 液体→固体 | 凝固 | 発熱 | 凝固熱 |

| 液体→気体 | 蒸発 | 吸熱 | 蒸発熱(気化熱) |

| 気体→液体 | 凝縮 | 発熱 | 凝縮熱 |

  • ア(正): 状態変化中は温度一定(潜熱が状態変化に使われる)。
  • イ(正): 固体→液体は融解熱(吸熱)。
  • ウ(正): 液体→気体は蒸発熱・気化熱(吸熱)。
  • エ(誤): 蒸発は吸熱過程。液体は周囲から熱を奪い、自身の温度は一定(状態変化中)。熱を放出して温度上昇するのは「発熱反応」や「顕熱加熱」の話。誤り。
  • オ(正): 蒸発熱は融解熱より一般に大きい。水は融解熱334 J/g・蒸発熱2260 J/g(約6.8倍)。

第4類との関係: 引火性液体の気化(蒸発)は吸熱過程。液面付近の蒸発熱は周囲の空気から奪われるため、液温管理と換気が火災予防の核心。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景:潜熱と顕熱の違い】

熱には「顕熱(sensible heat)」と「潜熱(latent heat)」の2種類があります。顕熱は物質の温度変化に対応する熱(Q=mcΔt で計算)。潜熱は温度を変えずに状態変化に使われる熱です。状態変化中、外から与えた熱は分子間の結合を切断する(または形成する)エネルギーとして使われるため、温度(分子の平均運動エネルギー)は変化しません。この「状態変化中の温度一定」は試験で繰り返し出題される原則です。

【蒸発熱と融解熱の大小関係】

一般に蒸発熱 > 融解熱です(水は約6.8倍、他の物質でも同傾向)。これは液体→気体の変化が固体→液体より分子間距離を大きく広げる(分子間力を大幅に弱める)ためです。第4類危険物ではこの蒸発熱が小さい物質ほど蒸発が起こりやすく(少ないエネルギーで気化)、引火点が低くなります。ガソリンやジエチルエーテルの引火点が低いのは、分子量が小さく分子間力が弱いため蒸発熱が小さいことも一因です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 融解中・沸騰中はともに温度一定。水の融点(0℃)・沸点(100℃)でのフラットな温度曲線がその証拠。
  • イ(正): 融解熱は固体→液体で吸収。凝固熱(液体→固体)はそれと同量の発熱。
  • ウ(正): 蒸発熱(気化熱)は液体→気体で吸収。アルコールが肌で冷たく感じる・汗が体を冷やすのは気化熱を周囲(体)から奪うため。
  • エ(誤): 蒸発は吸熱。液体が蒸発するとき液体(および周囲の空気)から熱を奪う。「熱を放出して温度が上昇する」は誤り。発熱して温度が上昇するのは燃焼・酸化反応など化学変化の話であり、物理的な状態変化(蒸発)ではない。
  • オ(正): 蒸発熱>融解熱。水の例で言えば融解熱334 J/g・蒸発熱2260 J/g。第4類危険物でも同様の傾向。

【試験での位置づけ】

乙四試験では潜熱の概念(状態変化中は温度一定)と蒸発の吸熱性が頻出です。また、「蒸発は吸熱」(エが誤り)は出題パターンとして重要です。冷却消火との関係(水の蒸発熱が冷却効果の核心)にも接続します。蒸発熱>融解熱の大小と、沸点・引火点の関係(低沸点→低引火点→高危険性)を合わせて理解すると、物理化学と性質科目の両方で得点できます。

【根拠】確立した物理学(潜熱・気化熱の定義)。

【補足】蒸発は吸熱・状態変化中は温度一定・蒸発熱>融解熱(一般則)。凝縮・凝固は逆方向で発熱。

<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 水の融解熱334 J/g・蒸発熱2260 J/g(約6.8倍)は確立物理定数と一致。蒸発=吸熱・状態変化中は温度一定・蒸発熱>融解熱すべて正確。正答エ(蒸発が発熱で温度上昇は誤り)で一意。確定。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(潜熱・気化熱の定義)。液体が気体になる蒸発は吸熱過程であり、周囲から熱を吸収する(液体自身の温度は一定)。熱を「放出」するのは逆過程(凝縮)である。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

潜熱の定義・状態変化中の温度一定頻出度B

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科目別に解いて、危険物乙四に合格

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