危険物乙四
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問96|静電気の防止策・流速制限の意味と数値的根拠

問題

危険物乙四 | 基礎的な物理学及び基礎的な化学

第4類危険物の移液・充填時の静電気防止策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

誤っているのはエです。充填直後にタンク内へ計量棒を挿入すると、液面の静電気が未散逸の状態で放電(スパーク)が起き、引火性蒸気に点火する危険があります。一定時間待ってから計量を行うのが安全です。

  • ア(正): 流速制限→静電気発生量を減らす。正しい。
  • イ(正): アース+ボンディングで放電防止。正しい。
  • ウ(正): 高湿度→帯電量低減。正しい。
  • エ(誤): 充填直後の計量棒挿入は放電火花の危険がある。一定時間待つのが正しい。
  • オ(正): 帯電防止靴・作業着で人体帯電を防ぐ。正しい。

危険物充填後はすぐに操作せず、静電気が散逸する時間を確保することが安全上重要です。

移液・充填時の静電気防止策(確立した物理学・安全指針):

防止策効果根拠
流速制限発生量低減摩擦による帯電量は流速に依存(速いほど多い)
アース・ボンディング放電防止電位差をなくす・電荷を大地に逃がす
加湿(湿度管理)帯電量低減水分が電荷逃がしを促進
帯電防止靴・作業着人体帯電防止人体からの放電(着衣静電気)を防ぐ
充填後の静置時間帯電散逸液中の電荷が中和・散逸するまで待つ

各選択肢:

  • ア(正): 流速が速いほど摩擦・乱流による電荷発生量が増加する。流速1m/s以下等の制限が推奨される場合がある。
  • イ(正): アース(接地)で電荷を大地に逃がし、ボンディング(等電位化)で容器間の電位差をなくす。セットで実施するのが基本。
  • ウ(正): 湿度50〜70%程度で帯電が著しく低下するとされる。乾燥した冬季に静電気事故が増える根拠。
  • エ(誤): 充填直後はタンク内の液面(帯電した液体)に蓄積した電荷がまだ散逸していない。この状態で計量棒(導体)を挿入すると、液面との電位差で放電(スパーク)が起こりうる。一定時間(液体の静電気散逸時間:数分〜十数分)が必要。「安全に除去できる」は正反対の記述。
  • オ(正): 人体への静電気蓄積(着衣・歩行)→放電(ドアノブで「バチッ」)が点火源になる可能性あり。帯電防止靴・作業着は有効な防止策。

引っかけ: エ(充填直後の計量棒挿入が安全)は実際に事故が起きるパターン。

【理論的背景:充填後静置時間の必要性】

液体(第4類危険物)がタンクに充填されると、充填中の摩擦・乱流によって液体中・液面に電荷が蓄積します。充填停止後、電荷は次第に散逸(中和・大地への移動)しますが、電気不良導体(有機液体)では散逸に時間がかかります。

静電気散逸時定数 τ = ε/σ(ε:誘電率、σ:電気伝導率)。有機液体の σ が非常に小さいため τ が長い(数分〜数十分に達することがある)。

この間(充填後の静置期間)にタンク内に導体(計量棒・サンプラー等)を挿入すると、帯電した液面と導体間に電位差→放電→引火性蒸気着火のリスクがあります。

必要な静置時間は施設の種類・液体の種類によって異なります。

【各防止策の物理的根拠】

1. 流速制限: 帯電量はおおむね流速の1.75〜2乗に比例するとされる(実験的知見)。低流速(1 m/s以下等)にすると帯電量が著しく低下。

2. アース+ボンディング: アース(Ground)は電荷を大地(無限容量の導体)に逃がす。ボンディング(Bonding)は2つの導体を接続して同電位にし、電位差による放電を防ぐ。タンクローリーの充填では必ずアース線とボンディングクリップを接続してから開弁。

3. 加湿: 相対湿度50%以上で静電気帯電が著しく低下(表面の水膜が電荷の移動経路になる)。

4. 帯電防止靴・作業着: 導電性素材(カーボン繊維・金属繊維入り)で人体帯電を防ぐ。通常の化学繊維作業着は帯電しやすい。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 流速制限は発生量を根本的に減らす。アースでは除去しきれない場合の補完策でもある。
  • イ(正): アース+ボンディングはセットで実施するのが原則。アースのみでは容器間の電位差が残ることがある。
  • ウ(正): 加湿は冬季乾燥時の補完策として有効。ただし爆発性雰囲気(引火性蒸気)への水スプレーは不適切な場合もある(霧化水が点火源になりうる雰囲気では禁止)。
  • エ(誤): 充填後の静置時間が必要(散逸時定数 τ)。直後の計量棒挿入は放電火花リスク。
  • オ(正): 帯電防止靴・作業着の着用は危険物施設で義務・推奨されている防護具の一つ。

【試験での位置づけ】

乙四試験では「流速制限・アース・ボンディング・加湿・帯電防止靴」が正しい防止策として、「充填直後の容器内操作」が不適切な行為として出題されます。防止策の名称と根拠(なぜ有効か)をセットで記憶することで、正誤判定が確実になります。

【根拠】確立した物理学・危険物取扱い安全指針(静電気散逸時定数の概念)。

【補足】充填直後の計量棒挿入は放電→引火の危険あり(静置時間が必要)。流速制限・アース+ボンディング・加湿・帯電防止靴が正しい防止策。

この問題の根拠根拠: 確立した物理学・危険物取扱い安全指針。移液直後(液面が安定していない間)にタンク内に計量棒等を挿入すると、蓄積した静電気の放電火花が引火性蒸気に着火する危険がある。移液後は一定時間(数分〜十数分)経過して静電気が散逸・平衡してから計量を行うのが安全。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学・危険物取扱い安全指針。移液直後(液面が安定していない間)にタンク内に計量棒等を挿入すると、蓄積した静電気の放電火花が引火性蒸気に着火する危険がある。移液後は一定時間(数分〜十数分)経過して静電気が散逸・平衡してから計量を行うのが安全。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 静電気の防止策・流速制限の意味と数値的根拠
  • 頻出度A

関連する問題

ページの先頭へ