危険物乙四
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問97|エタノールの蒸気比重計算・分子量÷29

問題

危険物乙四 | 基礎的な物理学及び基礎的な化学

エタノール(C2H5OH、分子量 46)の蒸気比重として、最も近いものはどれか。ただし空気の平均分子量は 29 とする。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

正しいのはウ(約1.6)です。蒸気比重は 分子量 ÷ 空気の平均分子量(29) で計算します。

エタノール(C2H5OH)の分子量:

  • C×2 = 12×2 = 24
  • H×6 = 1×6 = 6
  • O = 16
  • 合計 = 24+6+16 = 46

蒸気比重 = 46 ÷ 29 ≒ 1.59 ≈ 1.6

蒸気比重 > 1(空気より重い)→ 蒸気は低所・床面に滞留する。

  • ア(0.63): 29÷46≒0.63(分母分子を逆にした誤り)。
  • イ(1.0): 空気と同じ比重(分子量=29の物質に相当)。誤り。
  • ウ(正・1.6): 46÷29≒1.59。正しい。
  • エ(2.6): 二硫化炭素(76÷29≒2.6)の値に近い。誤り。
  • オ(4.5): 灯油(分子量約130÷29≒4.5)相当。誤り。

蒸気比重の計算(確立した物理学):

蒸気比重(vapor density relative to air)= 蒸気の分子量 / 空気の平均分子量(≒ 29)

エタノール(C2H5OH)の分子量計算:

  • C: 12×2 = 24
  • H: 1×6 = 6(CH3CH2OH の H は5+1=6個)
  • O: 16×1 = 16
  • 合計: 24+6+16 = 46

蒸気比重 = 46 ÷ 29 ≒ 1.59(約1.6)

これは§1-2物性表の確定値と一致します。

各選択肢の分析:

  • ア(0.63): 29÷46の逆算値(分子と分母を誤って入れ替えた計算ミス)。
  • イ(1.0): 蒸気比重1.0は、分子量が空気の平均分子量(約29)と等しい物質に相当する。分子量46のエタノールには当てはまらない。
  • ウ(正・1.59≈1.6): 46÷29≒1.59。
  • エ(2.6): 二硫化炭素(CS2,分子量76,蒸気比重≒2.6)の値。エタノールではない。
  • オ(4.5): 分子量≒130相当(例: 灯油の蒸気比重4.5前後)。エタノールではない。

第4類の蒸気比重比較(§1-2):

物質分子量蒸気比重
メタノール(CH3OH)3232/29≒1.10
エタノール(C2H5OH)4646/29≒1.59
ジエチルエーテル7474/29≒2.55
二硫化炭素(CS2)7676/29≒2.62

すべての値が > 1(空気より重い)→低所滞留→引火危険。

【理論的背景:蒸気比重の物理的意味】

蒸気比重(相対蒸気密度)は「物質の蒸気の密度が空気の密度の何倍か」を表します。

蒸気比重 = ρ_vapor / ρ_air = M_vapor / M_air(理想気体近似)

ここで M_air(空気の平均分子量)= N2(28)×0.78 + O2(32)×0.21 + Ar(40)×0.01 ≒ 28.97 ≒ 29 と計算できます。

気体の密度は同温同圧で分子量に比例するため、蒸気比重 = 分子量/29 が成立します。

【エタノール蒸気の挙動と危険性】

エタノール蒸気比重 ≒ 1.59 は「空気の約1.6倍重い」ことを意味します。このため:

  • 蒸気は床面・低所(ピット・排水溝等)に滞留する
  • 上部の換気口だけでは蒸気が十分に排出されないことがある
  • 低所から引火源(電気スイッチ・静電気・喫煙等)へ流れ着く危険

このため、換気を十分に行い、点火源となる電気機器には防爆型のものを使うといった対策が重要です(職場のあんぜんサイト GHSモデルSDS エタノール「防爆型の電気機器/換気装置/照明機器を使用すること」)。

【分子量計算の確認:エタノール(C2H5OH)】

C2H5OH の構造: エチル基(C2H5-)にヒドロキシ基(-OH)が結合。

原子数の確認:

  • C: 2個(分子量: 12×2=24)
  • H: 5+1=6個(エチル基の5H + OHの1H、分子量: 1×6=6)
  • O: 1個(分子量: 16×1=16)

合計: 24+6+16 = 46(検算: §1-2物性表と一致)

蒸気比重: 46÷29 = 1.586…≒1.59(§1-2確定値)

【各選択肢の発展補足】

  • ア(0.63): 逆算値(29/46)。分子量を分母に置いた計算ミス。蒸気比重 < 1 の物質(空気より軽い)は水素・ヘリウム・アンモニア等で、第4類には存在しない。
  • イ(1.0): 蒸気比重1.0は分子量≒29の物質(例: エタン C2H6 の分子量30≒1.03)。エタノールには当てはまらない。
  • ウ(正・1.6): 46÷29≒1.59。§1-2確定値と一致。
  • エ(2.6): 二硫化炭素(CS2 = C(12)+S(32)×2=76、76/29≒2.62)の値。蒸気が重く低所に強く滞留する。
  • オ(4.5): 灯油の蒸気比重≒4.5前後(混合物のため概数)。分子量に換算すると≒130程度の炭化水素に相当。

【試験での位置づけ】

乙四試験では蒸気比重の計算(分子量÷29)が頻出です。エタノール(46÷29≒1.6)はメタノール(32÷29≒1.1)と並んで計算問題として出題されます。また「蒸気比重>1→空気より重い→低所滞留」は性質科目とも接続する重要な論点です。

【根拠】確立した物理学(蒸気比重=分子量/29)・§1-2物性表(エタノール蒸気比重1.59確定)。

【補足】C2H5OH 分子量=46。蒸気比重=46/29≒1.59(約1.6)。蒸気は空気より重く低所滞留。

この問題の根拠根拠: 確立した物理学(蒸気比重 = 分子量 / 空気の平均分子量)。エタノール蒸気比重 = 46 / 29 ≒ 1.59(§1-2物性表の確定値と一致)。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(蒸気比重 = 分子量 / 空気の平均分子量)。エタノール蒸気比重 = 46 / 29 ≒ 1.59(§1-2物性表の確定値と一致)。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。