危険物乙四 危険物に関する法令 問80:指定数量
同一の場所で、特殊引火物のジエチルエーテルを100 L と、アルコール類のメタノールを2,000 L を貯蔵している。指定数量の倍数として**正しいもの**はどれか。
- ア倍数は合計3.0である。
- イ倍数は合計4.0である。
- ウ倍数は合計5.0である。
- エ倍数は合計7.0である。正答
- オ倍数は合計10.0である。
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正しいのはエです。各品目の指定数量を確認します。
- ジエチルエーテル(特殊引火物): 50 L
- メタノール(アルコール類): 400 L
倍数計算:
- ジエチルエーテル: 100÷50=2.0
- メタノール: 2,000÷400=5.0
- 合計: 2.0+5.0=7.0
特殊引火物の指定数量は50 L(第四類で最小)です。少量でも倍数が大きくなることが特徴です。「特殊引火物は50 L・アルコール類は400 L」を押さえます。
指定数量の倍数計算(特殊引火物の少量高倍数):
| 品目 | 分類 | 指定数量 | 貯蔵量 | 倍数 |
|---|---|---|---|---|
| ジエチルエーテル | 特殊引火物 | 50 L | 100 L | 2.0 |
| メタノール | アルコール類 | 400 L | 2,000 L | 5.0 |
合計倍数:2.0+5.0=7.0(エ=正)
引っかけパターン:
- 特殊引火物の指定数量を100 L・200 L等と誤認する(正しくは50 L)
- メタノールを第一石油類水溶性(アセトンと同じ400 L)と混同する(アルコール類も400 Lなので混同しやすいが品名は別)
- 特殊引火物の指定数量は50 Lのため100 Lでも倍数2.0と「少量で高倍数」になる点を見落とす
特殊引火物(50 L)は第四類の中で最も指定数量が小さく、少量でも消防法規制の適用が生じます。ジエチルエーテル・二硫化炭素・アセトアルデヒド・酸化プロピレンが代表物質です。
【理論的背景】
特殊引火物は「1気圧で発火点100℃以下のもの、または引火点が−20℃以下かつ沸点が40℃以下のもの」と定義されます(危政令別表第三備考)。発火点が特に低いか、引火点・沸点が極めて低く蒸気を大量発生させやすいため、第四類の中で最も危険性が高いグループとして指定数量50 Lが割り当てられています。
ジエチルエーテルは引火点−45℃・発火点約160℃で特殊引火物の典型例です。蒸気比重2.55で空気より重く低所に滞留します。メタノールはアルコール類(炭素数1〜3の飽和1価アルコール)で引火点11℃、指定数量400 Lです。両者ともに非常に危険性が高い物質ですが、指定数量は50 Lと400 Lで8倍の差があります。
【実務・条文構造】
本問の検算:
- ジエチルエーテル(特殊引火物)指定数量50 L → 100÷50=2.0
- メタノール(アルコール類)指定数量400 L → 2,000÷400=5.0
- 合計倍数=7.0(エ)
合計倍数7.0は消防法規制の対象で、倍数10に近い規模です。予防規程・定期点検の義務閾値(製造所・一般取扱所は倍数10以上)に近づいていますが、本問では10未満です。保安監督者の選任義務は施設区分・倍数に応じて発生します。
【試験での位置づけ】
特殊引火物の指定数量50 Lは「50 Lだから少量に見えるが、倍数は大きくなる」という点が引っかけです。例えばジエチルエーテル100 Lで倍数2.0になり、250 Lで倍数5.0になります。この感覚を持っておくと「特殊引火物は少し貯蔵するだけで倍数が急上昇する=特別に危険である」という制度の趣旨と一致して理解が深まります。また、メタノール(アルコール類400 L)と、アセトン(第一石油類・水溶性400 L)は指定数量が同じ400 Lですが品名が別(アルコール類vs第一石油類)であることも混同しやすい点です。
【各選択肢の発展補足】
- ア(誤): 3.0はジエチルエーテルのみの倍数を1.0(指定数量を100 Lと誤認)とし、メタノールを2.0(指定数量を1,000 Lと誤認)とした場合など、複数の取り違えが重なった場合に出る値。
- イ(誤): 4.0はジエチルエーテルを計算に含めずメタノール(2,000÷400=5.0)でも4.0にはならず、ジエチルエーテルを「倍数1.0(指定数量100 L)」とし「メタノールを倍数3.0(指定数量667 L相当等)」と取り違えた場合など計算の組合せによって出る誤答値。
- ウ(誤): 5.0はジエチルエーテルを計算しない(倍数0として扱う)か、メタノールのみの倍数(2,000÷400=5.0)で回答した場合。合算を忘れた代表的な誤答。
- エ(正): 2.0+5.0=7.0。確定表準拠の正答。
- オ(誤): 10.0はジエチルエーテルの指定数量を10 Lと誤認した場合(100÷10=10、10+5=15.0にもなる)など、指定数量の数値を大幅に誤認した場合。
【根拠法令】危険物の規制に関する政令 別表第三、第1条の11。
【補足】ジエチルエーテル(特殊引火物)50 L、メタノール(アルコール類)400 L。倍数合計=2.0+5.0=7.0。特殊引火物は50 Lが最小で少量でも倍数大。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 設計doc§1-1確定表と一致。ジエチルエーテル(特殊引火物)50 L・メタノール(アルコール類)400 L。倍数 100÷50+2,000÷400=2.0+5.0=7.0(エ)。特殊引火物の定義(発火点100℃以下or引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下)も§2-3と整合。正答フィールドは「エ」単一。正答一意。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 危険物の規制に関する政令 別表第三(指定数量)・第1条の11(複数品目の倍数合算)。ジエチルエーテル(特殊引火物)指定数量50 L、メタノール(アルコール類)指定数量400 L。倍数合計=100÷50+2,000÷400=2.0+5.0=7.0。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。