危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問73:個別品名(第二石油類・非水溶性)
キシレンの性状に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- アキシレンは第二石油類の非水溶性液体に分類される。
- イキシレンの引火点は約25〜32℃で、常温(20℃)では引火しにくいが、夏場(30℃超え)では引火の危険がある。
- ウキシレンの蒸気は空気より重く(蒸気比重>1)、低所に滞留しやすい。
- エキシレンは水によく溶けるため、消火には耐アルコール泡を用いる。正答
- オキシレンはベンゼン・トルエンと同様に芳香族炭化水素の一種である。
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誤りはエです。キシレンは非水溶性(水に溶けにくい)です。非水溶性の火災には通常の泡消火剤を使い、耐アルコール泡は必要ありません。
- ア(正): 第二石油類・非水溶性。
- イ(正): 引火点約25〜32℃(常温ではやや安全だが夏場は危険)。
- ウ(正): 蒸気比重>1で低所に滞留。
- エ(誤): 非水溶性なので耐アルコール泡は不要。通常の泡を使う。
- オ(正): 芳香族炭化水素(ベンゼン環を持つ)。
「キシレン=第二石油類・非水溶性・通常泡でよい・蒸気は低所滞留」を押さえます。
キシレン(C₈H₁₀)の性状:
キシレンはベンゼン環にメチル基2つを持つ芳香族炭化水素で、o-(オルト)・m-(メタ)・p-(パラ)の3種の異性体の混合物です。
- ア(正): 第二石油類・非水溶性(指定数量1,000L)。引火点が21〜70℃の範囲(約25〜32℃)なので第二石油類。正しい。
- イ(正): 引火点約25〜32℃は21℃以上70℃未満→第二石油類の定義通り。常温(20℃)ではやや引火しにくいが、気温が30℃を超える夏場の環境や加熱された容器では引火点を超えて危険になる。正しい。
- ウ(正): 分子量106、蒸気比重106÷29≒3.7(空気より重い)。発生した蒸気は床面・地下ピット等の低所に滞留する。低所換気が必要。
- エ(誤): キシレンは非水溶性(水にほとんど溶けない)。耐アルコール泡はメタノール・エタノール・アセトン・グリセリン等の水溶性液体の火災に使うもの。非水溶性のキシレン火災には通常の泡消火剤が適合する。
- オ(正): キシレン(ジメチルベンゼン)はベンゼン・トルエンと同様にベンゼン環を持つ芳香族炭化水素。正しい。
引っかけパターント: キシレンを水溶性とする(エ)、第一石油類とする(引火点誤認)。「キシレン=第二石油類・非水溶性・通常泡で対応」を核心に。
【理論的背景】
キシレン(ジメチルベンゼン・C₈H₁₀・分子量106)は芳香族炭化水素の一つで、ベンゼン・トルエンと並んで乙4試験でよく出題される「BTX(ベンゼン・トルエン・キシレン)」系物質の一つです。ベンゼン(分子量78・引火点−11℃・第一石油類)、トルエン(分子量92・引火点4℃・第一石油類)と比べて、キシレンは分子量が最も大きく引火点も高め(約25〜32℃)で第二石油類に分類されます。BTXの比較が乙4試験での典型出題パターンです。
【キシレンの詳細性状】
- 区分: 第二石油類・非水溶性(指定数量1,000L)
- 引火点: 約25〜32℃(異性体によって異なる。o-キシレン32℃・m-キシレン25℃・p-キシレン25℃が主要値)
- 発火点: 約460〜530℃(教科書でレンジ)
- 液比重: 0.86〜0.88(水より軽い・液比重<1)
- 蒸気比重: 106÷29≒3.7(空気より重い・低所滞留)
- 燃焼範囲: 約1.1〜7 vol%
- 水溶性: 非水溶性(水にほとんど溶けない)
- 外観: 無色透明・特有の芳香
【BTX三者の品名区分比較】
| 物質 | 品名 | 引火点 | 蒸気比重 | 水溶性 |
|---|---|---|---|---|
| ベンゼン | 第一石油類・非水溶性 | 約−11℃ | 約2.7 | 非水溶性 |
| トルエン | 第一石油類・非水溶性 | 約4℃ | 約3.2 | 非水溶性 |
| キシレン | 第二石油類・非水溶性 | 約25〜32℃ | 約3.7 | 非水溶性 |
分子量が大きい(C₈H₁₀ > C₇H₈ > C₆H₆)ほど引火点が高く品名が高位(危険性が低い)になる傾向があります。しかし三者ともに非水溶性で、通常の泡消火剤が適合します。
【消火法と火災予防】
キシレンは非水溶性のため、消火は通常の泡消火剤(窒息消火)・粉末・CO₂が基本です。棒状注水は液面拡大で不適。引火点が25〜32℃と夏の気温(30℃超)に近いため、夏季の貯蔵・取扱いには引火点超えに対する注意が必要です。蒸気比重3.7で低所滞留するため、密閉空間・地下ピットでの使用時は低所換気と防爆電気設備が必要です。
【試験での位置づけ】
キシレンの出題核心は(1)第二石油類・非水溶性(ベンゼン・トルエンは第一石油類との区別)、(2)引火点約25〜32℃(夏場は危険)、(3)非水溶性のため通常泡でよい(耐アルコール泡は不要)、(4)蒸気比重約3.7(低所滞留)です。引っかけは水溶性とする(本問エ)、第一石油類とする(引火点誤認)、耐アルコール泡が必要とする誤りです。BTX(ベンゼン・トルエン・キシレン)を分子量・引火点・品名の順に整理すると記憶に効率的です。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 引火点約25〜32℃(21〜70℃の範囲)→第二石油類・非水溶性(指定数量1,000L)。
- イ(正): 引火点25〜32℃は常温(20℃)よりやや高いが夏場・加熱で超える。第二石油類の特徴。
- ウ(正): 蒸気比重約3.7(空気より重い)→低所滞留。
- エ(誤): 非水溶性→通常泡でよい。耐アルコール泡は水溶性液体用で不要。
- オ(正): ベンゼン環を持つ芳香族炭化水素(BTXの一つ)。
【根拠】確立した教科書値・設計書§1-2・§2-3(S2)。
【補足】キシレン:第二石油類・非水溶性・引火点約25〜32℃・液比重0.86〜0.88・蒸気比重約3.7・燃焼範囲1.1〜7 vol%・通常泡でよい(非水溶性)・低所滞留。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 一次/準一次ソース突合済。キシレン引火点約25〜32℃(異性体差・21〜70℃→第二石油類に整合)・液比重0.86〜0.88・蒸気比重106/29≒3.7(検算一致)・非水溶性 すべて一致。品名区分(第二石油類・非水溶性・1,000L)と引火点整合。正答エ一意(非水溶性ゆえ耐アルコール泡は不要が誤。他4肢は正記述)。物性是正なし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した教科書値・設計書§1-2・§2-3(S2)。キシレン(C₈H₁₀・分子量106・ジメチルベンゼン)は第二石油類・非水溶性(指定数量1,000L)。引火点**約25〜32℃**(異性体によって異なるが概ね21〜70℃の範囲→第二石油類)。液比重0.86〜0.88(水より軽い)。蒸気比重106÷29≒3.7(空気より重い)。**非水溶性**のため通常の泡消火剤が使用可(耐アルコール泡は不要)。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。