危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問80:個別品名(第三石油類・水溶性)
エチレングリコールの性状に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- アエチレングリコールは第三石油類の水溶性液体に分類され、指定数量は4,000Lである。
- イエチレングリコールの引火点は約111℃で、常温(20℃)では引火の危険は低い。
- ウエチレングリコールは水溶性であるため、消火には耐アルコール泡を用いるのが適切である。
- エエチレングリコールの液比重は水よりもわずかに重く(約1.1)、粘性が高い。
- オエチレングリコールはアルコール類に分類されるため、指定数量はメタノールと同じ400Lである。正答
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誤っているのはオです。エチレングリコールはアルコール類ではなく第三石油類・水溶性(4,000L)です。アルコール類の定義(炭素数1〜3の飽和1価アルコール)を満たさない(2価アルコール)ためです。
- ア(正): 第三石油類・水溶性・4,000L。
- イ(正): 引火点約111℃(常温より高く常温では比較的安全)。
- ウ(正): 水溶性→耐アルコール泡が適切。
- エ(正): 液比重約1.1(水より重い)・粘性高い。
- オ(誤): アルコール類ではない(2価アルコール・第三石油類)。
「エチレングリコール=第三石油類・水溶性4,000L・引火点111℃・2価アルコールでアルコール類ではない」を押さえます。
エチレングリコール(C₂H₆O₂)の性状:
エチレングリコールは不凍液・ポリエステル繊維の原料として広く使われる2価アルコールです。
- ア(正): 第三石油類・水溶性(4,000L)。引火点約111℃は70〜200℃→第三石油類の定義を満たす。正しい。
- イ(正): 引火点約111℃は常温(20℃)より大幅に高い。常温では引火の直接的な危険は低いが、加熱(エンジン冷却水・工業プロセス)では引火点を超える可能性がある。正しい。
- ウ(正): エチレングリコールは水と任意の割合で混ざる水溶性。消火には耐アルコール泡(水溶性液体用泡)が適切。正しい。
- エ(正): 液比重約1.11(水より重い)。粘性が高い(グリセリンほどではないが)粘稠液体。正しい。
- オ(誤): 消防法上のアルコール類は「炭素数1〜3の飽和1価アルコール」。エチレングリコールは炭素数2の2価アルコール(-OH基が2つ)でアルコール類の定義を満たさない。したがって第三石油類に分類され、指定数量はメタノールの400Lではなく4,000L。
アルコール類との本質的な違い:
- メタノール(CH₃OH): 炭素数1・1価・アルコール類400L
- エタノール(C₂H₅OH): 炭素数2・1価・アルコール類400L
- エチレングリコール(C₂H₆O₂): 炭素数2・2価・第三石油類・水溶性4,000L
【理論的背景】
エチレングリコール(1,2-エタンジオール・C₂H₆O₂・分子量62)は炭素数2の2価アルコール(ジオール)で、グリセリン(炭素数3の3価アルコール)と並んで「消防法上はアルコール類ではない多価アルコール系の第三石油類・水溶性」として乙4試験で頻出です。不凍液(自動車・航空機)・ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)の原料として産業上重要な物質です。
【エチレングリコールの詳細性状】
- 区分: 第三石油類・水溶性(指定数量4,000L)
- 引火点: 約111℃(70〜200℃→第三石油類)
- 発火点: 約400℃
- 液比重: 約1.11(水より重い・液比重>1)
- 蒸気比重: 62÷29≒2.1(空気より重い)
- 燃焼範囲: 約3.2〜53 vol%(広い)
- 水溶性: 完全水溶性
- 外観: 無色・無臭・甘味・粘性あり
【多価アルコールとアルコール類(消防法)の区別】
消防法のアルコール類定義「炭素数1〜3の飽和1価アルコール」において、重要なのは「1価」の部分です。
- 1価アルコール(-OH基1つ): メタノール・エタノール・1-プロパノール・2-プロパノール→アルコール類
- 2価アルコール(-OH基2つ): エチレングリコール→アルコール類ではない(第三石油類・水溶性)
- 3価アルコール(-OH基3つ): グリセリン→アルコール類ではない(第三石油類・水溶性)
この区別が乙4試験での典型的な引っかけです。「アルコールという言葉が名前に入る→アルコール類」という誤解をさせる出題パターンがあります。
【不凍液としての実務的意義】
エチレングリコールは自動車の冷却水(ラジエーター液)として広く使われています。-50℃以下まで凝固点を下げる特性(水と混合することで)があり、不凍液として重要です。エンジンルーム内では高温(100℃超)になる部分があり、引火点111℃を超える可能性があります。自動車整備・解体現場での火災予防に実務的な意義を持ちます。
【試験での位置づけ】
エチレングリコールの出題核心は(1)第三石油類・水溶性(4,000L)(アルコール類との混同・グリセリンとの比較)、(2)引火点約111℃(第三石油類の範囲70〜200℃)、(3)水溶性→耐アルコール泡が必要、(4)液比重約1.11(水より重い)、(5)2価アルコール→アルコール類定義外→第三石油類です。引っかけはアルコール類・400Lとする(本問オ)、第二石油類とする誤りです。グリセリン(3価・引火点160℃・液比重1.26)との比較も有効です。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 第三石油類・水溶性・4,000L(引火点約111℃が70〜200℃に該当)。
- イ(正): 引火点約111℃(常温より高い)。常温では直接の危険は低いが加熱で危険。
- ウ(正): 水溶性→通常泡は消泡→耐アルコール泡が必要。
- エ(正): 液比重約1.11(水より重い)・粘性あり。
- オ(誤): 2価アルコール→アルコール類の「1価」定義に非該当→第三石油類・水溶性4,000L。メタノール・エタノールの400Lは誤り。
【根拠】確立した教科書値・設計書§1-1・§2-3(S2)。
【補足】エチレングリコール:第三石油類・水溶性4,000L・引火点約111℃・液比重約1.11(水より重い)・蒸気比重約2.1・燃焼範囲3.2〜53 vol%・耐アルコール泡必要。アルコール類ではない(2価アルコール)。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 一次/準一次ソース突合済。エチレングリコール引火点約111℃(第三石油類70〜200℃に整合)・発火点約398〜400℃・液比重約1.1〜1.11(水溶性で>1)・蒸気比重62/29≒2.1・第三石油類水溶性4,000L・水溶性 すべて一致(kikenbutu-web/Wikipedia等)。2価アルコールゆえアルコール類定義外も正しく区別。正答オ一意(アルコール類400Lは誤・実際は第三石油類4,000L。ア〜エは正記述)。物性是正なし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した教科書値・設計書§1-1・§2-3(S2)。エチレングリコール(C₂H₆O₂・1,2-エタンジオール・分子量62)は**第三石油類・水溶性**(指定数量4,000L)。引火点**約111℃**(70〜200℃→第三石油類)。液比重**約1.11**(水より重い)。**水溶性**。アルコール類の定義(炭素数1〜3の飽和**1価**アルコール)に非該当(**2価アルコール**)→第三石油類。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。