危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法93消火方法(S10・粉末消火剤)

危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問93:消火方法(S10・粉末消火剤)

粉末消火剤に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • リン酸二水素アンモニウムを主成分とする粉末消火剤(ABC粉末)はA火災(普通)・B火災(油)・C火災(電気)すべてに適応できる。正答
  • 炭酸水素ナトリウムを主成分とするNaHCO₃粉末消火剤はA火災(木材・紙等)に最も効果的である。
  • 粉末消火剤の主な消火効果は冷却効果であり、発熱反応を止めることで消火する。
  • 粉末消火剤は消火後に残留物が残らないため、精密機器や電気設備の消火に最も適した消火剤である。
  • 粉末消火剤はすべてA・B・C火災の全火災に適応し、電気・油火災にも同等の効果を発揮する。
正答:リン酸二水素アンモニウムを主成分とする粉末消火剤(ABC粉末)はA火災(普通)・B火災(油)・C火災(電気)すべてに適応できる。

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正しいのはアです。ABC粉末消火剤(リン酸二水素アンモニウム主成分)はA・B・C火災すべてに使えます

  • ア(正): ABC粉末=A・B・C火災すべてに適応。
  • イ(誤): NaHCO₃粉末はBC粉末でA火災(普通火災)には適さない。
  • ウ(誤): 粉末消火剤の主な効果は窒息+抑制(冷却が主ではない)。
  • エ(誤): 粉末消火剤は残留物が多い(精密機器に不適)。CO₂消火剤が精密機器向け。
  • オ(誤): すべての粉末がABC対応ではない(BC粉末はAに不適)。

「ABC粉末=A・B・C火災全適応/BC粉末=B・Cのみ(Aに不適)」を押さえます。

標準試験対策の基準レベル

粉末消火剤の種類と適応火災:

粉末消火剤は主成分によって種類が分かれ、適応火災も異なります。

  • ア(正): リン酸二水素アンモニウム(NH₄H₂PO₄)を主成分とするABC粉末消火剤はA火災(木材・紙・繊維等の普通火災)・B火災(油・可燃性液体)・C火災(電気設備火災)のすべてに適応できる。乙4試験でも「万能型粉末消火剤」として頻出。正しい。
  • イ(誤): 炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)を主成分とする粉末消火剤(BC粉末・第1種)はB火災(油)・C火災(電気)に有効ですが、A火災(普通火災)には効果が低い(不適)。木材・紙等の深部火災を消火する効果がないため、A火災には適応しない。「A火災に最も効果的」は誤り。
  • ウ(誤): 粉末消火剤の主な消火効果は、(1)窒息(粉末が燃焼面を覆い酸素を遮断)と(2)抑制(負触媒)効果(ハロゲン化合物の場合と同様に化学的に燃焼連鎖反応を阻害)です。冷却が主効果ではない(冷却効果は限定的)。
  • エ(誤): 粉末消火剤は消火後に大量の粉末が残留する。精密機器・電気設備に付着すると腐食・絶縁不良等の二次障害を引き起こす。精密機器への最適消火剤は残留物のないCO₂消火剤
  • オ(誤): NaHCO₃粉末(BC粉末)はA火災に不適。「すべての粉末がABC対応」は誤り。ABC対応は主にリン酸二水素アンモニウム系(ABC粉末)に限られる。

引っかけパターント: BC粉末をA火災に有効とする(イ)、冷却が主効果とする(ウ)、粉末消火剤を精密機器に適するとする(エ)。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

粉末消火剤は、細かい粉末粒子を放射して油火災や電気火災を消火する消火剤です。主成分によってA・B・C火災への適応性が異なり、すべての火災に使えるわけではありません。乙4試験では「どの粉末がどの火災に使えるか」「主な消火効果は何か」が核心論点です。

【粉末消火剤の種類と適応火災の一覧】

| 種類 | 主成分 | 適応火災 | 通称 |

|---|---|---|---|

| 第1種 | NaHCO₃(炭酸水素ナトリウム) | BC火災のみ(Aに不適) | BC粉末・ナトリウム粉末 |

| 第2種 | KHCO₃(炭酸水素カリウム) | BC火災のみ | BC粉末(カリウム系) |

| 第3種 | NH₄H₂PO₄(リン酸二水素アンモニウム) | ABC火災すべて | ABC粉末・万能粉末 |

| 第4種 | KHCO₃+尿素混合 | BC火災のみ | 高性能BC粉末 |

ABC粉末(第3種・リン酸二水素アンモニウム)がA・B・C火災すべてに適応する唯一の粉末消火剤です。

【粉末消火剤の消火メカニズム詳細】

粉末消火剤の主な消火効果は窒息効果と抑制(負触媒)効果の二つです。

  • 窒息効果: 粉末粒子が燃焼面を覆い、燃料(可燃性蒸気)と空気(酸素)の接触を遮断する。
  • 抑制(負触媒)効果: 粉末の熱分解によって生成した物質(K・Na等のラジカル)が燃焼連鎖反応を中断する(ハロゲン化物消火剤と同様の原理)。

ABC粉末がA火災にも適応する理由:

リン酸二水素アンモニウム(NH₄H₂PO₄)は熱分解するとメタリン酸(HPO₃)を生成し、これが固体可燃物(木材・紙)の表面を被覆して再燃焼を防止します。この被覆効果がBC粉末にはなく、A火災(固体の深部火災)には効果が出ません。

【残留物と適応機器の整理】

| 消火剤 | 残留物 | 精密機器・電気機器適性 |

|---|---|---|

| CO₂消火剤 | なし(気体化) | 最適(残留物なし・絶縁性高い) |

| 粉末消火剤 | 大量の粉末 | 不適(残留物で腐食・絶縁不良) |

| 水(泡含む) | あり(液状) | 不適(導電性・腐食) |

【試験での位置づけ】

粉末消火剤の論点は(1)ABC粉末(リン酸二水素アンモニウム)はA・B・C火災全適応、(2)BC粉末(NaHCO₃等)はB・C火災のみ(A火災に不適)、(3)主な消火効果は窒息+抑制(負触媒)(冷却が主ではない)、(4)残留物が多い→精密機器・電気設備には不適(CO₂消火剤が適する)です。引っかけはBC粉末をA火災に有効とする(イ)、冷却が主効果とする(ウ)、残留物なし・精密機器向けとする(エ)です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): ABC粉末(NH₄H₂PO₄)=A・B・C火災すべてに適応。第3種粉末消火剤。
  • イ(誤): NaHCO₃粉末(第1種・BC粉末)はA火災に不適(B・C火災のみ)。
  • ウ(誤): 主な消火効果は窒息+抑制(負触媒)。冷却が主ではない。
  • エ(誤): 残留物大量→精密機器に不適。CO₂消火剤が精密機器向け。
  • オ(誤): BC粉末はA火災に不適。全ての粉末がABC対応ではない。

【根拠】確立した消火理論・設計書§1-3。

【補足】粉末消火剤:ABC粉末(NH₄H₂PO₄)はA・B・C火災全適応。BC粉末(NaHCO₃)はB・Cのみ(Aに不適)。主効果は窒息+抑制(冷却が主ではない)。残留物大量→精密機器に不適(CO₂消火剤が精密機器向け)。

<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): ABC粉末(リン酸二水素アンモニウム第3種)=A/B/C火災全適応、BC粉末(NaHCO₃第1種等)=A火災不適、粉末の主効果=窒息+抑制(負触媒)、残留物多く精密機器不適、は確立事実と整合。正答ア一意(イ=NaHCO₃をA最有効は誤/ウ=冷却主は誤/エ=残留物なしは誤/オ=全粉末ABC対応は誤、いずれも誤でアのみ正)。物性是正なし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した消火理論・設計書§1-3。**ABC粉末(リン酸二水素アンモニウム)はA・B・C火災すべてに適応**(アが正しい)。NaHCO₃粉末(BC粉末)はA火災には**不適**(B・C火災のみ)。粉末消火剤の主な消火効果は**窒息+抑制(負触媒)**(冷却が主効果ではない)。粉末消火剤は消火後に**大量の残留物**が残り精密機器への悪影響があるため、残留物なし・精密機器適はCO₂消火剤の特徴。全ての粉末がABC火災対応ではない(BC粉末はAに不適)。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

消火方法・粉末消火剤の種類と適応火災の組合せ頻出度B

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法の他の問題

1
第4類の共通性状
2
消火方法
3
品名分類
4
ガソリン
5
灯油・軽油
6
重油

科目別に解いて、危険物乙四に合格

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