問題
泡消火剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
誤っているのはウです。アセトンは水に溶ける液体なので、通常の泡消火剤をかけると泡が溶けて消えてしまい、液面を覆えません。水に溶ける液体には水溶性液体用泡(耐アルコール泡)を使います。
- ア(正): 通常の泡はガソリン・灯油など水に溶けない油に有効。
- イ(正): アルコール類には耐アルコール泡を使う(通常の泡は溶けて消える)。
- ウ(誤): 水溶性のアセトンに通常の泡では効果が不十分。
- エ(正): 泡は電気を通すので電気設備の火災には避ける。
- オ(正): 泡の消火器は第4類の火災に適応する。
「水に溶ける液体には耐アルコール泡」を押さえます。
泡消火剤の種類と適応(水溶性・非水溶性の区別):
泡消火剤は液面を泡で覆って空気(酸素)を断つ窒息消火です。泡が液面に残り続けることが効果の条件になります。
- ア(正): 通常の泡消火剤(水成膜泡・たん白泡・合成界面活性剤泡等)は、非水溶性液体(ガソリン・灯油・軽油・重油等)の火災に有効。泡が油に溶けないため膜が保たれる。
- イ(正): メタノール・エタノール・アセトン等の水溶性液体は、通常の泡(水が主成分)を溶かして消泡させ、液面を覆えない。そのため水溶性液体用泡消火剤(耐アルコール泡)を用いる。泡消火薬剤の規格省令でも、通常の泡消火薬剤と水溶性液体用泡消火薬剤は別の区分になっている。
- ウ(誤): アセトンは第一石油類の水溶性液体。通常の泡は溶けて液面に残らず、「非水溶性油と同様に十分」は誤り。
- エ(正): 泡は水を多く含み電気を通すため、電気設備の火災には使用を避ける。危政令別表第五でも泡の消火器・泡消火設備は電気設備に適応しない。電気火災には二酸化炭素・ハロゲン化物・粉末を使う。
- オ(正): 別表第五で、泡を放射する消火器は第四類の危険物に適応する。
引っかけパターン: 水溶性のアセトン・アルコール類に通常の泡が有効とする(ウ)。水溶性か非水溶性かで使う泡が変わることを固定します。
【理論的背景】
泡消火剤の効果は「泡膜が液面に残り続けるかどうか」で決まります。非水溶性液体(ガソリン・灯油等)では泡が液に溶けないので、液面を覆い続けて酸素を断ち、あわせて泡の水分で冷却します。一方、水溶性液体(アルコール類・アセトン等)は泡の水分と混ざり合うため、泡が壊れて液面に残りません。そこで、水溶性液体の上でも壊れにくいように作られたのが水溶性液体用泡消火剤(耐アルコール泡)です。
【条文・規格の構造】
- 適応の区分(危政令第20条・別表第五): 泡を放射する消火器と泡消火設備は、第四類の危険物の欄に○(適応)。電気設備の欄には○がなく、電気火災には使わない。
- 水溶性の区別(危政令別表第三): 第一石油類・第二石油類・第三石油類は、非水溶性液体と水溶性液体で指定数量が分かれる(第一石油類は非水溶性200L・水溶性400L)。アセトンは第一石油類の水溶性液体。アルコール類(メタノール・エタノール等)は品名として別に定められ(指定数量400L)、いずれも水に溶ける。
- 泡消火薬剤の規格(泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第1条): この省令は「泡消火薬剤(水溶性液体用泡消火薬剤を除く)」の規格を定めるとしており、通常の泡消火薬剤と水溶性液体用泡消火薬剤を別の区分として扱っています。水溶性液体の火災に泡を使うときは、水溶性液体用を選ぶ必要があるということです。
【電気火災に泡を使わない理由】
泡は水を多く含み電気を通すため、通電中の電気設備に放射すると、泡が電気の通り道になって感電や短絡のおそれがあります。電気設備には、電気を通しにくい二酸化炭素・ハロゲン化物・粉末の消火器を使います。
【水溶性第一石油類(アセトン)の注意点】
アセトン(CH₃COCH₃)は引火点約−20℃の第一石油類で、水と任意の割合で混ざります。通常の泡をかけても泡が溶けて液面を覆えず、窒息効果が得られません。泡で消すなら水溶性液体用泡消火剤を使い、ほかに二酸化炭素・ハロゲン化物・粉末も第四類に適応します。
【試験での位置づけ】
泡消火剤の論点は、(1)通常の泡は非水溶性液体に有効、(2)水溶性液体(アルコール類・アセトン等)には水溶性液体用泡(耐アルコール泡)、(3)泡の消火器は第四類に適応、(4)泡は電気火災に不適、です。引っかけは、水溶性のアセトン・アルコール類に通常の泡が有効とする(本問ウ)、泡を電気火災に使えるとする誤りです。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 通常の泡は非水溶性液体に有効(泡が溶けず液面を覆い続ける)。
- イ(正): アルコール類(水溶性)は通常の泡を溶かす→水溶性液体用泡を用いる。
- ウ(誤): アセトン(水溶性)に通常の泡→泡が溶けて液面を覆えない→効果不十分。
- エ(正): 泡は電気を通す→電気設備の火災には避ける(別表第五でも電気設備に適応しない)。
- オ(正): 泡を放射する消火器は第四類に適応(別表第五)。
【根拠法令】危険物の規制に関する政令第20条・別表第三・別表第五、泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第1条。
【補足】通常の泡は非水溶性に有効。水溶性(アルコール類・アセトン等)には水溶性液体用泡(耐アルコール泡)。泡の消火器は第四類に適応、電気設備には不適。
- 危険物の規制に関する政令第20条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 危険物の規制に関する政令第20条・別表第五(泡を放射する消火器・泡消火設備は第四類の危険物に適応/電気設備には適応しない)、同別表第三(第一石油類〜第三石油類は非水溶性液体と水溶性液体で指定数量を分けて定める。アセトンは第一石油類の水溶性液体)、泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第1条(通常の泡消火薬剤と「水溶性液体用泡消火薬剤」を別の区分として扱う)。アルコール類・アセトン等の水溶性液体は通常の泡を溶かして消泡させるため、泡で消火するときは水溶性液体用泡消火剤(耐アルコール泡)を用いる(ウが誤り)。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。
