多角測量3出典: 令和4年度 問3

測量士補 多角測量 問3:出典: 令和4年度 問3

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19

次の文は,測量の誤差について述べたものである。ア〜エに入る語句及び数値の組合せとして最も適当なものはどれか。次の中から選べ。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。 「ア」は,測定の条件が変わらなければ大きさや現れ方が一定している誤差である。一方,「イ」は,原因が不明又は原因が分かってもその影響を除去できない誤差である。このように測定値には誤差が含まれ,真の値を測定することは不可能である。 しかし,ある長さや角度に対する「イ」だけを含む測定値の一群を用いて,理論的に,真の値に最も近いと考えられる値を求めることは可能であり,このようにして求めた値を,最確値という。 ある水平角について,トータルステーションを用いて同じ条件で5回測定し,表3の結果を得たとき,「ア」が取り除かれているとすれば,最確値は「ウ」,最確値の標準偏差の値は「エ」となる。 【表3 測定値】 - 45°22′25″ - 45°22′28″ - 45°22′24″ - 45°22′25″ - 45°22′23″

  • 1ア: 系統誤差 イ: 偶然誤差 ウ: 45°22′23″ エ: 0.8″
  • 2ア: 系統誤差 イ: 偶然誤差 ウ: 45°22′25″ エ: 0.8″正答
  • 3ア: 系統誤差 イ: 偶然誤差 ウ: 45°22′25″ エ: 1.7″
  • 4ア: 偶然誤差 イ: 系統誤差 ウ: 45°22′23″ エ: 1.7″
  • 5ア: 偶然誤差 イ: 系統誤差 ウ: 45°22′25″ エ: 1.7″
正答:2ア: 系統誤差 イ: 偶然誤差 ウ: 45°22′25″ エ: 0.8″

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

本問は測量の誤差論と最確値・標準偏差の計算問題です。正答は2(ア: 系統誤差・イ: 偶然誤差・ウ: 45°22′25″・エ: 0.8″)です。

まずア・イの用語を確認します。「系統誤差」は一定の傾向を持つ誤差(機器の狂い・観測条件の偏り)。「偶然誤差」は原因不明で除去できないランダムな誤差です。問題文の説明からア=系統誤差、イ=偶然誤差と判断します。

最確値(ウ)は測定値の平均値です。

25+28+24+25+23 = 125″ ÷ 5 = 25″ → 45°22′25″

最確値の標準偏差(エ)は0.8″となります(計算はstandardで詳述)。

標準試験対策の基準レベル

本問は誤差の種類の定義と最確値・最確値の標準偏差の計算を問います。

ア・イの判定

  • 「条件が変わらなければ大きさや現れ方が一定」= 系統誤差(定誤差)→ ア
  • 「原因が不明又は除去できない」= 偶然誤差(不規則誤差)→ イ

よってア=系統誤差、イ=偶然誤差(選択肢1〜3に絞られる)

最確値ウの計算

測定値(秒の部分のみ抜き出し): 25″, 28″, 24″, 25″, 23″

最確値 = 算術平均 = (25 + 28 + 24 + 25 + 23) / 5 = 125 / 5 = 25″

→ ウ = 45°22′25″(選択肢2または3)

最確値の標準偏差エの計算

残差 v(測定値 − 最確値):

  • v₁ = 25 − 25 = 0″
  • v₂ = 28 − 25 = +3″
  • v₃ = 24 − 25 = −1″
  • v₄ = 25 − 25 = 0″
  • v₅ = 23 − 25 = −2″

残差の二乗和: Σv² = 0² + 3² + (−1)² + 0² + (−2)² = 0 + 9 + 1 + 0 + 4 = 14

1観測値の標準偏差 σ₀:

σ₀ = √(Σv² / (n−1)) = √(14 / 4) = √3.5 ≒ 1.87″

最確値の標準偏差 σm(= σ₀ / √n):

σm = 1.87 / √5 = 1.87 / 2.236 ≒ 0.836″ ≒ 0.8″

よってエ = 0.8″ → 正答は2。

上級誤答論破・根拠条文・実務応用まで深掘り

本問は誤差論・最確値・最小二乗法の基礎を問う測量士補試験の核心論点です。

誤差の体系的整理

測量誤差は3種類に分類されます。

1. 錯誤(過誤):読み間違い・記録ミス等。発見・除去が原則。

2. 系統誤差(定誤差):測定条件が同じなら大きさ・方向が一定。器械誤差(スタジア定数誤差・目盛誤差)・個人誤差(観測者の癖)・環境誤差(温度・屈折)。補正・較正で軽減可能。

3. 偶然誤差(不規則誤差):ランダムに発生し原因特定・除去が不可能。正規分布(ガウス分布)に従うと仮定。最小二乗法により最確値を推定します。

最確値と最小二乗法

等精度n個の観測値 L₁, L₂, …, Lnの場合、偶然誤差のみを含む測定値群の最確値は算術平均 L̄ = ΣLᵢ/n です。これは「残差の二乗和を最小にする値」(最小二乗条件)と等価であり、統計的に最良線形不偏推定量(BLUE)です。

1観測値の標準偏差と最確値の標準偏差の関係

σ₀(1観測値の標準偏差) = √(Σvᵢ² / (n−1))

σm(最確値の標準偏差) = σ₀ / √n = √(Σvᵢ² / (n(n−1)))

本問での計算:

σ₀ = √(14/4) = √3.5 ≒ 1.871″

σm = √(14/(5×4)) = √(14/20) = √0.7 ≒ 0.837″ ≒ 0.8″

n−1(自由度)で割るのは、測定値から最確値(平均)を計算した時点で1自由度が消費されるためです(不偏推定量)。

重み付き最確値への発展(不等精度観測)

測量士試験では不等精度観測(重み付き最小二乗法)が出題されます。観測値Lᵢに重みwᵢが与えられる場合:

最確値 = ΣwᵢLᵢ / Σwᵢ

単位重みの標準偏差 σ₀ = √(ΣwᵢVᵢ² / (n−1))

重みpの観測値の標準偏差 σp = σ₀ / √p

実務への応用

トータルステーション(TS)での水平角観測では、測定回数を増やすことで最確値の精度が向上します(σm ∝ 1/√n)。公共測量作業規程の準則では基準点測量の観測回数を精度グレード別に規定しており、1級基準点では4セット以上の観測が求められます。また、観測前の器械較正(コリメーション誤差・チルティング誤差の確認)で系統誤差を除去し、複数セットの正・反観測で残余の系統誤差を相殺する手法が標準的です。

測量士試験での出題傾向

測量士試験では選択式に加え、記述式で「最小二乗法による最確値の推定」「分散共分散行列の計算」「信頼区間の算出」が問われます。本問の計算手順を行列形式で表現できるレベルまで習熟しておくことが測量士合格への近道です。

出典・根拠について

本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和4年度 測量士補試験 問3(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

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