測量士補 多角測量 問6:出典: 令和4年度 問6
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19)
次の文は,公共測量におけるトータルステーション(以下「TS」という。)を用いた1級基準点測量及び2級基準点測量の作業工程について述べたものである。ア〜エに入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の中から選べ。 選点とは,平均計画図に基づき,現地において既知点の現況を調査するとともに,新点の位置を選定し,「ア」及び平均図を作成する作業をいう。 観測とは,TSを用いて関係点間の水平角,鉛直角,距離等を観測する作業をいい,原則として「イ」により行う。観測値について倍角差,観測差等の点検を行い,許容範囲を超えた場合は,再測する。 平均計算とは,新点の水平位置及び標高を求めるもので,計算結果が正しいと確認されたプログラムを使用して,既知点2点以上を固定する「ウ」等を実施するとともに,その結果を「エ」にとりまとめる。
- 1ア: 選点図 イ: 結合多角方式または単路線方式 ウ: 厳密水平網平均計算 エ: 品質評価表
- 2ア: 選点図 イ: 結合多角方式 ウ: 厳密水平網平均計算 エ: 精度管理表正答
- 3ア: 観測図 イ: 結合多角方式または単路線方式 ウ: 三次元網平均計算 エ: 精度管理表
- 4ア: 観測図 イ: 結合多角方式 ウ: 厳密水平網平均計算 エ: 品質評価表
- 5ア: 観測図 イ: 結合多角方式または単路線方式 ウ: 三次元網平均計算 エ: 品質評価表
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本問はTSを用いた1・2級基準点測量の作業工程の用語を問う問題です。正答は2(ア: 選点図・イ: 結合多角方式・ウ: 厳密水平網平均計算・エ: 精度管理表)です。
ア「選点図」:選点工程での成果品は「選点図」(新点位置を示した地形図)と「平均図」です。「観測図」は観測工程の成果品であり、選点工程では誤りです。
イ「結合多角方式」:1・2級基準点測量の観測方式は「結合多角方式」が原則です。「単路線方式」は1・2級では許可されておらず(3・4級では使用可)、「結合多角方式または単路線方式」は誤りです。
ウ「厳密水平網平均計算」:TSによる基準点測量の平均計算は「厳密水平網平均計算」を使用します。「三次元網平均計算」はGNSS測量の平均計算に使用します。
エ「精度管理表」:平均計算の結果はTSによる基準点測量では「精度管理表」にとりまとめます。「品質評価表」はGNSS測量での成果品です。
本問は公共測量作業規程の準則(基準点測量編)の作業工程・成果品の名称を正確に問う知識問題です。
ア(選点図vs観測図)
選点工程の成果品:①選点図(新点の選定位置を1/10,000〜1/25,000地形図上に記載)②平均図(既知点・新点・路線を図示した計画図)。「観測図」は観測工程の成果品(反射鏡配置・標石位置等を記録した図)であり、選点工程では作成しません。
イ(観測方式)
1・2級基準点測量の観測は「結合多角方式」が規定されており、これは両端が既知点に挟まれた路線形式です。精度が高く、閉合差の検証が可能です。「単路線方式」(片端のみ既知点)は精度検証が困難なため3・4級でのみ使用可能。
ウ(平均計算方式)
- TSによる水平位置の平均計算:「厳密水平網平均計算」(最小二乗法による水平角・距離の重み付き平均)
- GNSS測量による平均計算:「三次元網平均計算」(X,Y,Z成分の最小二乗調整)
両者は目的も入力データも異なるため混同しないことが重要です。
エ(成果取りまとめ書類)
- TS基準点測量:「精度管理表」(倍角差・観測差・閉合差・標準偏差等の精度指標をまとめる)
- GNSS測量:「品質評価表」(基線長精度・固定解率等の品質指標)
2017年の作業規程準則改正以降、成果品の名称が変更された経緯があるため、最新版の準則を確認することが重要です。
本問はTSとGNSSの基準点測量を横断して作業工程・成果品の違いを問う出題意図があります。
基準点測量の作業工程(公共測量作業規程の準則・第2編第3章)
TS基準点測量の標準的な作業フロー:
1. 作業計画(平均計画図の作成・精度設計)
2. 選点(平均計画図に基づく現地調査・新点位置選定・選点図作成・平均図作成)
3. 造標・埋標(標石の設置・永久標識の埋設)
4. 観測(結合多角方式によるTS観測・倍角差・観測差の点検)
5. 計算(平均計算→厳密水平網平均計算・水準測量による標高計算)
6. 品質評価・成果品作成(精度管理表・測量記録・成果数値データ)
各工程の成果品名称の混同が本問の罠であり、受験者の理解度を正確に測る良問です。
結合多角方式の精度管理(閉合差許容値)
結合多角方式では、路線の方位角閉合差・水平位置閉合差を基準値以内に収める必要があります。公共測量作業規程の準則では、1・2級基準点測量の精度基準が路線長・測点数・距離等の関数として規定されています。
具体例(1級基準点測量の閉合差の基準値):
- 方位角閉合差:n回の折れ曲がりに対して ±30″√n 以内
- 水平位置閉合差:路線長Sに対して ±1/50,000×S(cmオーダー)以内
この許容値を超えた場合は再観測・路線設計の見直しが必要です。
厳密水平網平均計算の数学的背景
厳密水平網平均計算は最小二乗法(条件方程式法または観測方程式法)により、観測された水平角・距離データから各点の座標を最適推定します。
- 未知数:各新点のX座標・Y座標(2n個、n=新点数)
- 観測値:水平角・斜距離の観測値(既知点で固定)
- 冗長観測数(自由度)= 観測数 − 未知数:これが正の値であることが平均計算の条件
- 単位重み標準偏差(σ₀):残差の二乗和÷自由度の平方根が精度の指標
測量士試験では行列形式での最小二乗計算(法方程式の設立・解法)が詳細に問われます。
TS・GNSS基準点測量の棲み分けと将来動向
2024年現在、都市部ではGNSS基準点測量が主流ですが、建物密集地・山地・樹林帯などではGNSS電波が遮蔽されるためTSが不可欠です。国土地理院は「i-Construction」推進の一環として測量DX(ドローン測量・自動化TS・MMS等)を推進しており、4次産業革命後の測量士の役割は機器操作から品質管理・データ活用へとシフトしています。測量士試験でも計算ツールの活用・品質管理の知識が重視されつつあります。
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和4年度 測量士補試験 問6(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。