登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 問13|アレルギーの仕組みと添加物

問題

登録販売者 | 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

医薬品のアレルギーおよびアレルギーを引き起こす可能性のある添加物に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

正答はウです。「添加物はアレルギー反応の原因にならないことが薬機法で定められている」は完全に誤りです。

添加物(着色料・保存料・香料・賦形剤等)は有効成分の補助的役割を担いますが、それ自体がアレルギーを引き起こす抗原(アレルゲン)になることがあります。タートラジン(黄色4号)はその代表例で、アレルゲンとなり得る添加物として手引きに明記されています。

他の選択肢はすべて正しい記述です。アのアレルギーの定義(免疫の過剰反応)は基本知識です。イのタートラジンとアスピリン喘息の関連、エの遅延型アレルギー(接触性皮膚炎)、オの初回使用・体質変化によるアレルギー発現はいずれも重要事項です。

各選択肢の詳細解説:

  • ア(正): アレルギーは免疫系が特定の抗原(アレルゲン)に対して過剰な免疫応答を示す状態です。医薬品の有効成分に加え、添加物(タートラジン・ラテックス・ゼラチン・卵白由来成分等)もアレルゲンとなり得ます。
  • イ(正): タートラジン(FD&C Yellow No.5)はアゾ系着色料です。アスピリン喘息(NSAIDs不耐性)を持つ患者では、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるアラキドン酸代謝変化との関連で、タートラジンへの不耐性(偽アレルギー)が誘発されることがあります。
  • ウ(誤・正答): 薬機法に「添加物はアレルギーの原因にならない」などという規定は存在しません。実際に添加物によるアレルギーは医学的に確認されており、添加物の安全性は製造承認時に評価されますが、個人のアレルギー体質によってはリスクがあります。
  • エ(正): アレルギーには即時型(IgE介在・蕁麻疹・アナフィラキシー)と遅延型(T細胞介在・接触性皮膚炎)の2種類があります。金属(ニッケル・コバルト等)による接触性皮膚炎は遅延型の典型例です。
  • オ(正): アレルギーは感作(初回接触で抗体産生)した後の再接触で発現することが多いですが、まれに初回から発現することもあります。また以前は問題なかった物質でも、加齢・疾患・ストレス等による免疫状態の変化で新たにアレルギーが生じることがあります。

主な医薬品添加物とアレルギーリスク:

添加物種類リスクのある患者群
タートラジン(黄色4号)合成着色料アスピリン喘息患者・一般的なアレルギー体質
ゼラチン基剤(カプセル等)食物(豚・牛)アレルギー患者
乳糖賦形剤乳製品アレルギー(ミルクアレルギー)患者(乳糖不耐症とは別)
パラベン類防腐剤接触性皮膚炎(遅延型)リスク

【アレルギー反応の免疫学的分類(Gell-Coombs分類)と医薬品への適用】

アレルギー反応はGell-Coombs分類(1963年)によって4型に分類されます。医薬品アレルギーはこのうち主に以下が関与します:

型名称機序発現時間医薬品の例
Ⅰ型即時型(IgE依存型)IgE→マスト細胞脱顆粒→ヒスタミン放出分〜1時間ペニシリン・セフェム系・アスピリン(アナフィラキシー)
Ⅱ型細胞障害型(IgG/IgM)抗体+補体→細胞破壊時間〜日薬剤性溶血性貧血(キニジン等)
Ⅲ型免疫複合体型抗原抗体複合体沈着→補体活性化時間〜日薬剤性血清病様反応
Ⅳ型遅延型(T細胞依存型)感作T細胞→サイトカイン放出48〜72時間接触性皮膚炎(ニッケル・ラテックス・局所麻酔薬)

【タートラジン(黄色4号)の不耐性メカニズム:真のアレルギーvs偽アレルギー】

タートラジンへの反応には「真のIgE介在アレルギー」と「偽アレルギー(非免疫学的過敏反応)」の2種類があります:

真のIgEアレルギー(稀):

  • タートラジン特異的IgEが産生
  • 再接触でマスト細胞脱顆粒→蕁麻疹・血管浮腫

偽アレルギー(より多い):

  • アスピリン喘息との関連: NSAIDs(アスピリン等)はCOX-1を阻害→プロスタグランジンE2産生低下→アラキドン酸がロイコトリエン経路に流れる→気道収縮・喘息発作
  • タートラジンも同様の機序(COX阻害ではないが、アラキドン酸代謝への影響)で喘息を誘発するとの説
  • 正確な機序は完全には解明されていない

【添加物の安全性評価と規制】

医薬品の添加物は薬機法に基づき製造承認時に評価されますが、「添加物はアレルギーの原因にならない」という規定は存在しません。逆に「添加物も副作用の原因となり得る」という観点から、添付文書の「成分・分量」欄に添加物が記載される理由の一つです。

食品添加物との規制の違い:

  • 食品添加物: 食品衛生法・食品安全委員会の評価。アレルギー表示が義務付けられた特定原材料(8品目)は食品には表示義務があるが、医薬品への適用は別途
  • 医薬品添加物: 薬機法の承認審査で評価。患者への情報提供は添付文書・製品情報により行う

登録販売者の実務的対応(アレルギーを持つ顧客への対応):

購入者にアレルギー歴がある場合の確認事項:

1. 何に対するアレルギーか: 食品・薬・金属等の具体的なアレルゲン

2. 過去の医薬品アレルギーの有無: 「薬を飲んだ後に発疹が出た」等の経験

3. アスピリン喘息の有無: NSAIDs全般・タートラジン含有品に注意

4. 添付文書の「成分・分量」「してはいけないこと」の確認: アレルゲンを含む製品の特定

アレルギーが疑われる症状が出た場合の対応:

  • 即時型(蕁麻疹・血管浮腫・アナフィラキシー): 服用を直ちに中止・重症例は119番
  • 遅延型(発疹・接触性皮膚炎): 服用を中止・医師・薬剤師への相談を促す
  • 添付文書の「してはいけないこと」に該当する症状は服用中止を勧める

アレルギー対応は登録販売者試験の頻出論点であり、「有効成分だけでなく添加物もアレルゲンになる」という原則を実務の接客に活かすことが求められます。

この問題の根拠
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律e-Govで原文を読む
条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第1章Ⅱ-1)「副作用」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。