登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問102|循環器用薬=ユビデカレノン/ヘプロニカート/ルチンの作用

問題

登録販売者 | 第3章 主な医薬品とその作用 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

循環器用薬(強心薬以外)に配合される成分に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

ユビデカレノン(コエンザイムQ10)はエネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、軽度な心疾患による動悸、息切れ、むくみの症状に用いられます。心臓の病気で医師の治療を受けている人は、その処置が優先され、使用前に医師等に相談すべきとされています。これは正しい記述です。

誤りのポイント:

  • イ:ヘプロニカートはビタミンEのエステルではなく、ニコチン酸が遊離して末梢の血液循環を改善する成分です(ビタミンEと組み合わせて用いられる場合が多い)。
  • ウ:ルチンは毛細血管の補強・強化を期待して用いられる成分で、強心作用で頻脈・心悸亢進を改善する成分ではありません。
  • エ:ユビデカレノンは「強心薬」ではなく「その他の循環器用薬」の成分で、用いられるのは軽度な心疾患による症状です。重度のうっ血性心不全の治療の主軸に用いるものではありません。
  • オ:「ビタミン様物質で毛細血管を補強・強化」はルチンの説明です。ヘプロニカートはニコチン酸が遊離して末梢の血液循環を改善します。

循環器用薬(非強心薬系)の成分比較表:

成分主な作用目的注意点
ユビデカレノン(CoQ10)エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける・心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高める軽度な心疾患による動悸・息切れ・むくみ心臓病治療中は医師等に相談。2週間位使用して改善がなければ漫然と続けない。15歳未満の小児向けの製品はない
ヘプロニカート、イノシトールヘキサニコチネートニコチン酸が遊離→末梢の血液循環を改善末梢の血行改善ビタミンEと組み合わせて用いられる場合が多い
ルチンビタミン様物質・毛細血管の補強、強化高血圧等における毛細血管の補強強心作用なし
コウカ(紅花)末梢の血行を促してうっ血を除く冷え症・血色不良(煎じて服用する製品)生薬

各選択肢の解説:

  • ア(正): 手引きは、ユビデカレノンを「エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分」とし、「軽度な心疾患により日常生活の身体活動を少し越えたときに起こる動悸、息切れ、むくみの症状に用いられる」としています。また「心臓の病気で医師の治療又は指示を受けている人では、その処置が優先されるべきであり、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談するべきである」とされています。正しい記述です。
  • イ(誤): 手引きは、ヘプロニカート、イノシトールヘキサニコチネートについて「いずれの化合物もニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。ビタミンEと組み合わせて用いられる場合が多い」としています。ビタミンEのエステル型ではなく、「その他の循環器用薬」の成分です。
  • ウ(誤): 手引きは、ルチンを「ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる」としています。強心作用で頻脈・心悸亢進を改善する第一選択の成分ではありません。
  • エ(誤): ユビデカレノンは手引きで「強心薬」ではなく「その他の循環器用薬」に分類される成分です。手引きでは「心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって血液循環の改善効果を示すとされ」ていますが、用いられるのは軽度な心疾患による動悸、息切れ、むくみの症状です。「2週間位使用して症状の改善がみられない場合には、心臓以外の病気が原因である可能性も考えられ、漫然と使用を継続することは適当でない」ともされており、重度のうっ血性心不全に対して一般用医薬品として治療の主軸に用いるものではありません。
  • オ(誤): 「ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる」のはルチンです。ヘプロニカートは、ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる成分です。

【ユビデカレノン・ヘプロニカート・ルチンの薬理詳細と循環器系への作用】

ユビデカレノン(コエンザイムQ10)の詳細薬理:

ユビデカレノン(Ubidecarenone/Coenzyme Q10/Ubiquinone)はベンゾキノン環と長鎖イソプレニル側鎖(n=10)からなる脂溶性化合物です。

ミトコンドリア電子伝達系での役割:

1. 複合体I(NADH脱水素酵素)からNADHの電子を受け取りユビキノールQH₂に還元

2. ユビキノールが複合体IIIにて電子をシトクロムcに渡す際にユビキノンに酸化

3. この酸化還元サイクルを繰り返してミトコンドリア内膜でのH⁺ポンプ駆動→ATP合成

手引きでは、ユビデカレノンは「肝臓や心臓などの臓器に多く存在し、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、摂取された栄養素からエネルギーが産生される際にビタミンB群とともに働く」とされ、「心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって血液循環の改善効果を示すとされ」ています。

医薬品としての位置づけ(登録販売者の視点):

  • 手引きの分類は「強心薬」ではなく「その他の循環器用薬」
  • 軽度な心疾患により日常生活の身体活動を少し越えたときに起こる動悸、息切れ、むくみの症状に用いられる
  • 2週間位使用して症状の改善がみられない場合には、心臓以外の病気が原因である可能性も考えられ、漫然と使用を継続することは適当でない
  • 副作用:胃部不快感、食欲減退、吐きけ、下痢、発疹・痒み
  • 心臓の病気で医師の治療又は指示を受けている人:その処置が優先され、使用前に医師等に相談
  • 動悸、息切れ、むくみは高血圧症、呼吸器疾患、腎臓病、甲状腺機能の異常、貧血などが原因となることもあり、これらの基礎疾患がある人も使用前に医師等に相談
  • 小児:15歳未満の小児向けの製品はない(心疾患による症状があれば医師の診療を優先)

ヘプロニカートの詳細:

手引きは「ヘプロニカート、イノシトールヘキサニコチネート」を並べて挙げ、「いずれの化合物もニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。ビタミンEと組み合わせて用いられる場合が多い」としています(両者は別の化合物として併記されています)。

試験でのひっかけの型:

  • 「ビタミンEのエステル型」(選択肢イ)→誤り。ビタミンEは組み合わせて用いられる相手
  • 「ビタミン様物質で毛細血管を補強・強化」(選択肢オ)→誤り。これはルチンの説明

ルチンの詳細:

ルチン(Rutin)はクエルセチンと糖(ルチノース)からなるフラボノイド配糖体です。

手引きでは「ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる」とされています。心筋に作用して収縮力を高める強心成分ではありません(選択肢ウ)。

強心薬(センソ・ジャコウ等)との違い(ルチンとの対比):

成分手引きの分類作用用いられる症状
センソ・ジャコウ等(強心成分)強心薬心筋に直接刺激を与え、その収縮力を高める疲労やストレス等による軽度の心臓の働きの乱れによる動悸・息切れ等
ルチンその他の循環器用薬毛細血管の補強、強化高血圧等における毛細血管の補強
ユビデカレノンその他の循環器用薬エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける・心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高める軽度な心疾患による動悸・息切れ・むくみ
ヘプロニカートその他の循環器用薬ニコチン酸が遊離し末梢の血液循環を改善末梢の血行改善

登録販売者の実務:循環器系訴えへの対応:

「動悸・息切れ」の訴えは、単純な一時的疲労から重篤な心臓疾患まで幅広い原因があります。一般用医薬品(ユビデカレノン等)で対応できるのは「軽度で原因が明らか」な場合に限られます。以下のケースは必ず受診勧奨:

  • 安静時の動悸・息切れが続く
  • 胸痛・胸部圧迫感を伴う(狭心症・心筋梗塞の可能性)
  • 失神・意識消失の既往
  • 足のむくみ・体重急増(心不全の可能性)
  • 処方医薬品(降圧薬・抗不整脈薬)服用中

登録販売者は「症状が軽い・一時的」だけで判断せず、赤旗症状(red flags)を見逃さないことが重要です。

この問題の根拠根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅳ-4「その他の循環器用薬」
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅳ-4「その他の循環器用薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。