問題
抗ヒスタミン成分に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はオ(誤っているもの)です。
抗コリン作用を持つ抗ヒスタミン薬は、緑内障の症状を悪化させるおそれがあるため、緑内障の診断を受けた人は使用前に医師・薬剤師に相談することとされています。また、口渇・排尿困難(前立腺肥大症で特に問題)・便秘などの副作用を起こします。「問題なく使用できる」「副作用はない」という記述は完全に誤りです。
ア〜エはすべて正しい記述です。特に重要なポイントは:
- クロルフェニラミン(第1世代)→眠気強い・排尿困難のある人は相談
- ジフェンヒドラミン→中枢作用が特に強い(睡眠改善薬の主薬)・服用後は運転操作を避ける
- ロラタジン・フェキソフェナジン塩酸塩→内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)の抗ヒスタミン成分
これら成分名と特徴のセットを覚えることが第3章の鉄板暗記事項です。
抗ヒスタミン薬の第1世代・第2世代比較:
| 特性 | 第1世代(クロルフェニラミン・ジフェンヒドラミン等) | 第2世代(ロラタジン・フェキソフェナジン等) |
|---|---|---|
| 中枢移行 | 高い | 低い |
| 眠気 | 強い | 弱い |
| 抗コリン作用 | あり(口渇・尿閉) | 少ない |
※ 手引きでは世代による区別はせず、抗ヒスタミン成分が配合された内服薬を服用した後は、乗物又は機械類の運転操作を避けることとされています。
各選択肢の解説:
- ア(正): クロルフェニラミンマレイン酸塩(第1世代)は抗コリン作用を持ちます。抗コリン作用は膀胱収縮筋を緩める方向に働くため、前立腺肥大症(排尿しにくい状態)では尿閉が悪化します。同様の理由で緑内障(眼圧上昇)にも注意が必要です。
- イ(正): 脳内のヒスタミン刺激が低下すると眠気が促され、ジフェンヒドラミン塩酸塩は抗ヒスタミン成分の中でも特にそのような中枢作用が強い成分です。この作用を利用して、ジフェンヒドラミン塩酸塩を主薬とする催眠鎮静薬(睡眠改善薬)もあります。重大な事故につながるおそれがあるため、抗ヒスタミン成分が配合された内服薬を服用した後は、乗物又は機械類の運転操作を避けることとされています。
- ウ(正): 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)に用いられる抗ヒスタミン成分として、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、メキタジン、エピナスチン塩酸塩などとともに、フェキソフェナジン塩酸塩、ロラタジンが挙げられています。
- エ(正): 抗ヒスタミン薬はアレルギー症状の緩和に有効ですが、アナフィラキシーショックの第一治療薬はアドレナリン(エピネフリン)自己注射薬(エピペン)です。アナフィラキシーは血圧低下・呼吸困難を伴う全身性即時型反応であり、抗ヒスタミン薬の効果発現では間に合いません。
- オ(誤・正答): 抗コリン作用(ムスカリン受容体遮断)は毛様体筋を弛緩させ、眼の排液路(シュレム管)への房水流出を減少させて眼圧を上昇させます。緑内障の診断を受けた人では症状の悪化を招くおそれがあり、使用前に医師・薬剤師に相談すべきとされています。また抗コリン作用は唾液腺抑制(口渇)・膀胱収縮筋弛緩(排尿困難・尿閉)・消化管蠕動低下(便秘)を引き起こします。「問題なく使用できる」「副作用はない」は誤りです。
【ヒスタミンH1受容体と抗ヒスタミン薬の作用機序】
ヒスタミンは肥満細胞(マスト細胞)・好塩基球に貯蔵されており、IgEを介したアレルギー反応やコンプリメント活性化によって遊離します。H1受容体に結合すると血管拡張(浮腫・紅潮)・分泌亢進(鼻水・涙液)・平滑筋収縮(気管支痙攣)・知覚神経刺激(かゆみ)を引き起こします。
抗ヒスタミン薬はH1受容体に競合的に結合してヒスタミンの作用を遮断します。第1世代は脂溶性が高く血液脳関門を容易に通過し、中枢H1受容体遮断による眠気・認知機能低下が生じます。第2世代は親水性が高い(または能動輸送システムで脳から排出される)ため中枢移行が抑制されています。
【抗コリン作用(ムスカリン受容体遮断)の臓器別影響】
抗コリン作用はムスカリン受容体(M1〜M5)を遮断することで副交感神経の作用を抑制します:
| 臓器 | 副交感神経の正常作用 | 抗コリン遮断時の副作用 |
|---|---|---|
| 唾液腺 | 唾液分泌促進 | 口渇・口腔乾燥 |
| 涙腺・気管腺 | 分泌促進 | ドライアイ・気道乾燥 |
| 膀胱排尿筋 | 収縮(排尿) | 排尿困難・尿閉 |
| 腸管平滑筋 | 蠕動促進 | 便秘 |
| 毛様体筋 | 収縮(近焦点) | 調節麻痺(遠視・ぼやけ) |
| 眼の虹彩括約筋 | 縮瞳 | 散瞳(光過敏・閉塞隅角緑内障で眼圧上昇) |
| 心臓 | 徐脈 | 頻脈 |
緑内障で注意が必要とされる背景には「眼の虹彩括約筋弛緩→散瞳→閉塞隅角型では虹彩が前方に倒れてシュレム管を塞ぐ→眼圧急上昇→視神経障害・失明」という機序があります。手引きでは、緑内障の診断を受けた人は使用前に相談すべきとされています。
【アナフィラキシーとアドレナリンの位置づけ】
アナフィラキシーはI型アレルギーの全身重症型で、心血管・呼吸器・皮膚・消化器の複数系統に同時に症状が出ます。機序はIgE依存性の肥満細胞脱顆粒→ヒスタミン・ロイコトリエン・PAF等の大量放出→全身血管拡張・血管透過性亢進→循環血液量減少性ショック+気管支攣縮です。
第一治療薬がアドレナリン(エピネフリン)である理由:
1. α1受容体作用: 末梢血管収縮→血圧上昇(ショックへの対抗)
2. β1受容体作用: 心収縮力増加・心拍数増加(心拍出量回復)
3. β2受容体作用: 気管支拡張(呼吸困難の解消)
4. 肥満細胞の脱顆粒を抑制する作用: メディエーター放出を直接抑制
抗ヒスタミン薬はH1受容体を遮断しますが、既に放出されたロイコトリエン・PAF等の作用は抑制できず、急速に進行する血圧低下・気道閉塞には対応できません。アナフィラキシーが疑われる場合は抗ヒスタミン薬を使いながら直ちにアドレナリン投与と救急要請が必要です。
【試験での位置づけと頻出暗記セット】
登録販売者試験における抗ヒスタミン薬の頻出論点:
1. 抗ヒスタミン成分の名前(クロルフェニラミンマレイン酸塩・ジフェンヒドラミン塩酸塩・メキタジン・エピナスチン塩酸塩・フェキソフェナジン塩酸塩・ロラタジン等)
2. 眠気(ジフェンヒドラミン塩酸塩は特に中枢作用が強い)→内服薬の服用後は乗物又は機械類の運転操作を避ける
3. 抗コリン作用→排尿困難や口渇、便秘等。排尿困難の症状がある人・緑内障の診断を受けた人は使用前に相談
4. アナフィラキシーの第一治療薬はアドレナリン(抗ヒスタミンは補助)
成分名→作用→副作用→使用上の注意のセットで覚えることが第3章アレルギー領域の攻略法です。特に「緑内障の診断を受けた人は相談」は頻出ポイントです。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅶ「内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)」
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅶ「内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)」、Ⅰ-3「眠気を促す薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

