問題
ビタミンE・B群・Cに関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイです。
ビタミンB₁(チアミン)は、炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持します。ビタミンB₁主薬製剤は手足のしびれの症状の緩和や脚気等に用いられます。
各ビタミンの特徴整理(試験頻出):
- E(脂溶性):体内の脂質を酸化から守る・血流を改善
- B₁(水溶性):炭水化物からのエネルギー産生・神経の働きの維持・製剤は脚気等に
- B₁₂(水溶性):赤血球の形成を助ける・動物性食品に含まれ、完全菜食で欠乏しやすい
- B₆(水溶性):タンパク質の代謝に関与・B₁₂とともに肝臓に貯蔵される
- C(水溶性):抗酸化作用・欠乏=壊血病
ビタミンE・B群・Cの比較表:
| ビタミン | 溶性 | 主な機能 | 欠乏症 | 過剰症 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|---|
| E(トコフェロール) | 脂溶性 | 抗酸化(脂溶性ラジカル捕捉)・生殖機能 | 溶血性貧血(早産児)・神経障害 | 抗凝固薬との相互作用・出血傾向 | ワルファリン効果増強に注意 |
| B₁(チアミン) | 水溶性 | 炭水化物からのエネルギー産生・神経の正常な働きの維持 | 脚気 | 報告少ない | 製剤は手足のしびれ・脚気等に用いる |
| B₂(リボフラビン) | 水溶性 | FMN・FAD(酸化還元反応補酵素) | 口内炎・舌炎・皮膚炎・眼球充血 | 報告少ない(黄色尿で排泄) | 「フラビン」=黄色 |
| B₆(ピリドキシン) | 水溶性 | タンパク質の代謝・皮膚や粘膜の健康維持・神経機能の維持 | 皮膚炎・貧血・神経炎 | — | 肝臓に貯蔵される水溶性ビタミン |
| B₁₂(シアノコバラミン) | 水溶性 | DNAメチル化・神経髄鞘維持・葉酸代謝 | 巨赤芽球性貧血・神経障害 | 報告少ない | 動物性食品にのみ存在 |
| C(アスコルビン酸) | 水溶性 | 抗酸化・皮膚や粘膜の機能維持・メラニン産生抑制 | 壊血病(出血傾向・歯肉炎) | — | 製剤は歯ぐきからの出血・鼻血の予防等に用いる |
各選択肢の解説:
- ア(誤): ビタミンEは脂溶性ビタミンです。大量摂取で出血時間が延長することがあり、ワルファリン等の抗凝固薬と併用すると抗凝固効果が増強する可能性があります。「水溶性・蓄積なし・相互作用なし・過剰症なし」はすべて誤りです。
- イ(正): 手引きは「ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用がある」とし、ビタミンB₁主薬製剤は神経痛、手足のしびれ、便秘、眼精疲労等の症状の緩和、脚気、肉体疲労時等のビタミンB₁の補給に用いられるとしています。正しい記述です。
- ウ(誤): ビタミンB₁₂は動物性食品(肉・魚・卵・乳製品)にのみ含まれるビタミンです。植物性食品にはほぼ含まれないため、完全菜食(ビーガン)の人では欠乏のリスクが高く、巨赤芽球性貧血・神経障害が生じることがあります。「植物性食品に豊富・ビーガンで欠乏しない」は誤りです。
- エ(誤): ビタミンCは水溶性ビタミンであり、体内貯蔵量は比較的少なく(2〜3週間程度で枯渇)、毎日の摂取が必要です。「脂溶性・長期蓄積・補給不要」は誤りです。ビタミンC欠乏(壊血病)は歯肉出血・皮下出血・傷の治癒遅延を引き起こします。
- オ(誤): 手引きは「肝臓は、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D等のほか、ビタミンB6やB12等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器でもある」としており、水溶性であっても肝臓に貯蔵されます。また「ビタミンB6は、タンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素である」とされています。「肝臓に貯蔵されない」「タンパク質の代謝に関与しない」はいずれも誤りです。
【各ビタミンの分子機序・臨床的重要性と登録販売者が押さえるべき知識】
ビタミンB₁(チアミン)の詳細—エネルギー産生と脚気:
チアミン(B₁)はチアミンピロリン酸(TPP)として以下の酵素の補酵素として機能します:
1. ピルビン酸脱水素酵素(PDH):ピルビン酸→アセチルCoA(解糖系→TCAサイクルへの入口)
2. α-ケトグルタル酸脱水素酵素(TCAサイクル中間体)
3. トランスケトラーゼ(ペントースリン酸経路)
チアミン欠乏の結果:
- ピルビン酸→乳酸の経路に偏る→乳酸アシドーシス
- TCAサイクル(有酸素代謝)が機能しない→脳・神経・心臓(高エネルギー需要臓器)が最初にダメージを受ける
脚気の病型:
- 末梢神経型(乾性脚気):末梢神経の髄鞘障害→感覚障害・筋力低下・腱反射消失
- 心臓型(湿性脚気):心筋エネルギー代謝障害→高拍出性心不全・浮腫
手引きでは、ビタミンB₁主薬製剤の用途として神経痛、筋肉痛・関節痛、手足のしびれ、便秘、眼精疲労の症状の緩和、脚気、肉体疲労時・妊娠・授乳期・病中病後の体力低下時の補給が挙げられています。ビタミンB₁には腸管運動を促進する働きもあるとされます。
ビタミンEの抗凝固薬相互作用の機序:
ビタミンE(α-トコフェロール)は:
- 脂溶性の強力な抗酸化剤(脂質ペルオキシドラジカルを捕捉→フリーラジカル連鎖反応を断ち切る)
- 高用量では血小板凝集の抑制・プロスタサイクリン合成促進→抗凝固薬(ワルファリン)の効果を増強
ワルファリンとビタミンEの相互作用:
- ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子(II・VII・IX・X)の合成を阻害
- 結果:出血リスクの増大(脳出血・消化管出血等)
登録販売者として:ワルファリン服用中の人にビタミンE含有製品を勧める場合は医師・薬剤師への相談を促します。
ビタミンB₁₂欠乏の詳細—ビーガンと巨赤芽球性貧血:
ビタミンB₁₂の吸収経路(複雑):
1. 胃腺から出る粘液に、内因子(intrinsic factor: IF)と呼ばれるタンパク質が含まれる
2. B₁₂はIFと結合することで小腸から吸収されやすくなる
3. 肝臓に貯蔵される(手引き:肝臓はビタミンB₆やB₁₂等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器)
欠乏の原因:
- 食事性:完全菜食(動物性食品なし)→食事からのB₁₂摂取が不足→欠乏しやすい
- 吸収障害:悪性貧血(IF産生低下・自己免疫)・胃切除後・回腸切除後・腸管吸収不全
ビタミンB₁₂欠乏の結果:
- 巨赤芽球性貧血:DNAメチル化・胸腺ピリジン合成障害→骨髄の巨赤芽球化→倦怠感・息切れ・動悸
- 亜急性脊髄連合変性症:脊髄後索・側索の脱髄→感覚障害・歩行失調
- 葉酸欠乏の巨赤芽球性貧血と鑑別が重要(葉酸補充でB₁₂欠乏の神経障害は改善しない)
ビタミンB₆の働きと貯蔵(選択肢オの論点):
手引きでのビタミンB₆の位置づけ:
- 「タンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素」
- ビタミンB₆主薬製剤(ピリドキシン塩酸塩又はピリドキサールリン酸エステル)は、口角炎・口内炎・湿疹・皮膚炎・にきび・手足のしびれ等の症状の緩和に用いられる
- 貧血用薬では「ヘモグロビン産生に必要なビタミンB6」として配合される場合がある
- 肝臓は、脂溶性ビタミン(A、D等)だけでなく、ビタミンB₆やB₁₂等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器でもある(「水溶性だから貯蔵されない」は誤り)
登録販売者の実務対応:
| ビタミン | 特に注意が必要な場面 | 対応 |
|---|---|---|
| E | ワルファリン服用中・出血傾向がある人 | 高用量サプリ購入時に医師相談を促す |
| B₁ | アルコール多飲者・透析患者・ダイエット中 | 欠乏リスクを伝え、食事バランスを確認 |
| B₁₂ | 完全菜食・胃切除後・高齢者(吸収低下) | 欠乏のリスクを伝え医師受診を勧める |
| A・D(脂溶性) | 過剰摂取 | 手引き:脂溶性ビタミンでは過剰摂取により過剰症を生じるおそれ(Dは高カルシウム血症等) |
手引きは「ビタミン成分等は、多く摂取したからといって適用となっている症状の改善が早まるものでなく、むしろ脂溶性ビタミンでは、過剰摂取により過剰症を生じるおそれがある」としており、量の管理が重要です。登録販売者として正確な知識を持って購入者に適切な情報提供ができることが求められます。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅢ-2)「ビタミン、カルシウム、アミノ酸等の働き、主な副作用」(ビタミンB群・C・E)/第2章Ⅰ-1-1)「消化器系」(肝臓によるビタミンの貯蔵) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

