登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問10:薬事関係法規・制度
医薬品の特定販売(インターネット・電話等による販売)および令和7年改正(令和8年5月1日施行)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア令和7年の薬機法改正(令和8年5月1日施行)により、要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)については、薬剤師によるオンライン服薬指導等の条件を満たせばインターネットによる特定販売が可能となった。
- イ特定要指導医薬品は令和7年の薬機法改正で新設された区分であり、緊急避妊薬等の対面での使用指導が特に必要な医薬品が指定され、特定販売(インターネット販売)は引き続き禁止されている。
- ウ特定販売を行う店舗販売業者は、その店舗に在庫として保管されている医薬品のみをインターネットで販売することができる(保管のない医薬品を他店舗から取り寄せてインターネット販売することは不可)。
- エ第3類医薬品の特定販売(インターネット販売)については、販売時に薬剤師または登録販売者によるオンラインでの情報提供が法律上義務付けられている。正答
- オ特定販売を行う際は、現在勤務している薬剤師または登録販売者の氏名・担当業務等をウェブサイト上に表示することが求められる。
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正答はエ(誤っているもの)です。
第3類医薬品は情報提供に関する法律上の規定が「なし(義務なし)」です。店頭での対面販売においても第3類の情報提供に義務はなく、インターネット販売(特定販売)においても法律上のオンライン情報提供義務はありません。「義務付けられている」という記述は誤りです。
アは正しく、令和7年改正で要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)のインターネット販売が解禁されました。イは正しく、特定要指導医薬品は新設区分で対面販売必須です。ウは正しく、在庫保管のある医薬品のみ特定販売可能です。オも正しく、勤務者情報の表示義務があります。
特定販売(インターネット・電話販売)の規制概要:
| 区分 | 特定販売 | 令和7年改正後 |
|---|---|---|
| 特定要指導医薬品(緊急避妊薬等) | 不可(対面必須) | 改正で新設・引き続き禁止 |
| 要指導医薬品(特定要指導医薬品以外) | 可(薬剤師によるオンライン服薬指導等条件あり) | 改正で解禁 |
| 第1類医薬品 | 可(薬剤師がリアルタイム情報提供) | 改正前から可能 |
| 第2類医薬品 | 可(情報提供は努力義務) | 改正前から可能 |
| 第3類医薬品 | 可(情報提供義務なし) | 改正前から可能 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 令和7年の薬機法改正(令和8年5月1日施行)で、要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)の特定販売が解禁されました。条件として薬剤師によるオンライン服薬指導・映像確認等が要求されます(詳細は厚労省省令・手引き令和8年4月版で確認要)。
- イ(正): 特定要指導医薬品は令和7年改正で新設された区分です。緊急避妊薬等、対面での指導が特に必要と判断された医薬品が指定されており、インターネット販売は禁止(対面販売のみ)です。
- ウ(正): 特定販売は、その店舗・薬局に実際に在庫として保管されている医薬品のみ販売できます。在庫のない医薬品を他店舗から調達してインターネット販売することはできません(薬機法施行規則)。
- エ(誤・正答): 第3類医薬品は情報提供に関して法律上の規定がなく(義務なし)、店頭でも特定販売でも情報提供の法的義務はありません。「法律上義務付けられている」は誤りです。ただしプロとして必要に応じて情報提供を行うことは妨げられません。
- オ(正): 特定販売を行う際はウェブサイト上に、担当している薬剤師または登録販売者の氏名・担当業務等を表示する義務があります(薬機法施行規則)。これにより消費者が相談相手の専門家を確認でき、匿名販売の抑止となります。
【特定販売規制の変遷と令和7年改正の意義】
日本における医薬品のインターネット販売(特定販売)の規制は、段階的に緩和されてきた歴史があります。
規制緩和の変遷:
```
2006年(薬事法改正): リスク区分制度導入
→ 第2類・第3類のインターネット販売が一定条件で容認へ
2009年(改正薬事法施行規則): 第1類・第2類のインターネット販売を禁止
→ 消費者団体等の反発・訴訟が相次ぐ
2013年(最高裁判決): 改正薬事法施行規則の一部を違法と判断
→ 第1類・第2類のインターネット販売禁止は法律の委任を超えるとして無効
2014年(薬事法改正→薬機法化): 要指導医薬品制度新設
→ 第1類・第2類・第3類のインターネット販売を法律上明確に許容
→ 要指導医薬品は対面販売義務(インターネット禁止)を明確化
2021年以降(オンライン服薬指導の解禁): 医療用医薬品でオンライン服薬指導導入
→ 将来的なOTCへの展開が議論される
2025年(令和7年改正・令和8年5月1日施行): 要指導医薬品のオンライン解禁
→ 特定要指導医薬品(緊急避妊薬等)を新設・対面義務残存
→ それ以外の要指導医薬品はオンライン服薬指導等の条件で特定販売可
```
【特定要指導医薬品の新設背景】
緊急避妊薬(アフターピル)は長年「処方箋医薬品 vs OTC化」の議論があり、一部試験的なOTC販売が試みられてきました。令和7年改正では要指導医薬品として扱いつつも、「特定要指導医薬品」という対面販売必須の特別区分を新設することで、オンライン解禁と対面保護のバランスを取りました。
特定要指導医薬品に指定される基準(厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定):
- 適正な使用のために薬剤師の対面による販売・授与が特に必要と認められる要指導医薬品
- 緊急避妊薬のように、使用前の個別事情の把握や慎重な指導が対面で行われることが特に重要なもの
これにより「要指導医薬品(特定要指導医薬品以外)はオンライン服薬指導により特定販売可」と「特定要指導医薬品は販売時の対面が必須(特定販売不可)」の二分が生まれました。なお、特定要指導医薬品であっても服薬指導・情報提供そのものは対面が基本ですが、販売の対面要件が核心です。
【特定販売に必要なウェブサイト表示要件(薬機法施行規則)】
特定販売を行う薬局・店舗販売業者はウェブサイト等に以下の情報を表示する義務があります(概要・正確な表示項目は施行規則を監修確認要):
1. 許可の区分・許可番号・許可年月日
2. 店舗の名称・所在地・電話番号
3. 相談できる薬剤師または登録販売者の氏名・担当業務
4. 特定販売の方法(電話・インターネット等の具体的方法)
5. 開店時間・特定販売の開始・終了時刻
これらは消費者が購入先の薬局・薬店を適切に識別し、専門家に相談できることを担保するための情報公開義務です。
【令和7年改正が登録販売者の業務に与える影響】
特定販売の拡大は登録販売者にとって新たな業務機会を生みます。
- 要指導医薬品(特定要指導除く)のオンライン販売は薬剤師が担当(登録販売者は非対象)
- 第2類・第3類のオンライン販売は登録販売者も対応可能(ただし情報提供は努力義務・義務なし)
- ウェブ上のチャット相談・情報提供サービスへの登録販売者の活用が増加
デジタル環境での顧客対応(オンラインチャット・メール相談・SNS等)における医薬品情報提供スキルが、今後の登録販売者に求められる新しい能力として注目されています。
【根拠】薬機法第4条第3項(要指導医薬品・特定要指導医薬品の定義)・第36条の6(要指導医薬品の販売従事者・情報提供・指導)・第36条の10(一般用医薬品の情報提供等)、薬機法施行規則(特定販売・ウェブサイト表示要件)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 【最新改正=最重要・突合済】令和7年改正(公布R7.5.21・施行令和8年5月1日)の主要事実を厚労省一次情報(厚労省WEBマガジンcloseup/20・山口県/東京都・厚労省R8.3.6参考資料)で全数突合。(1)要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)はオンライン服薬指導により特定販売解禁=肢ア正しい、(2)特定要指導医薬品(緊急避妊薬等)新設・特定販売不可=肢イ正しい、(3)在庫保管品のみ特定販売可=肢ウ正しい、(4)第3類は情報提供の法的義務なし=肢エ「義務付けられている」は誤り=正答エで一意妥当、(5)ウェブサイトに勤務者氏名等表示義務=肢オ正しい。【条番号修正】裏の取れない「第36条の6の2」を削除し、特定要指導医薬品の定義は改正後第4条第3項(要指導医薬品の定義内・新設)、販売情報提供は第36条の6、一般用医薬品情報提供は第36条の10に修正(不確実な号番号は配信しない原則)。施行日令和8年5月1日=令和8年度試験の基準に合致 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 薬機法第4条第3項(要指導医薬品・特定要指導医薬品の定義・令和7年改正で新設)・第36条の6(要指導医薬品の販売従事者・情報提供・指導/薬剤師の対面又はオンライン服薬指導)・第36条の10(一般用医薬品の情報提供等)・薬機法施行規則(特定販売関連)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。