登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問11:薬事関係法規・制度(リスク区分の定義)
一般用医薬品のリスク区分に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア第1類医薬品とは、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある成分を含む医薬品であって、第2類医薬品・第3類医薬品を除いたものをいう。正答
- イ指定第2類医薬品とは、第1類医薬品のうち特に注意を要するものとして厚生労働大臣が指定したものをいい、薬剤師でなければ販売することができない。
- ウ第3類医薬品は副作用・相互作用等による健康被害が生じるおそれがないことが確認された医薬品であり、添付文書の記載義務が免除されている。
- エリスク区分の分類は製造業者が製造承認申請時に自ら申請し、薬機法上の法的根拠なく各社が独自に設定することができる。
- オ第1類医薬品には、医療用から転用されて間もなく一般用医薬品としての安全性が確立していない成分(いわゆるスイッチOTC)のみが分類される。
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正答はア(正しいもの)です。
第1類医薬品は「副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある成分を含む医薬品のうち、第2類・第3類以外のもの」と定義されます。これが試験の正確な法定定義です。
イは誤りで、指定第2類医薬品は「第2類医薬品のうち特に注意を要するもの」を厚生労働大臣が指定したものです(第1類のうちではありません)。また指定第2類は薬剤師・登録販売者のいずれも販売でき、「薬剤師でなければ販売不可」は誤りです。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 指定第2類の指定主体は厚生労働大臣で正しい(薬機法第36条の7第1項)。元の選択肢イは法的に正しく正答アと二重正答だったため、イを「第1類のうち/薬剤師のみ」という明確な誤り記述に修正し正答をアに一意化 -->ウは誤りで、第3類でも添付文書記載義務は免除されません。エは誤りで、リスク区分は法令に基づきます。オは誤りで、スイッチOTC以外にも第1類に分類される成分があります。
一般用医薬品リスク区分の法定定義(薬機法第36条の7):
| 区分 | 定義の要点 |
|---|---|
| 第1類医薬品 | 副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれある成分を含む(第2類・第3類除く) |
| 第2類医薬品 | 副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある成分を含む医薬品(第1類除く) |
| 指定第2類医薬品 | 第2類のうち、特に注意を要するもの |
| 第3類医薬品 | 第1類・第2類以外の一般用医薬品(日常生活に支障を来す程度ではないが保健衛生上注意が必要) |
各選択肢の解説:
- ア(正): 薬機法第36条の7第1項の定義そのままです。「副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害」という文言が重要で、第2類も同様の文言があります。第1類は「第2類・第3類を除いたもの」で、より高いリスク区分の位置づけです。
- イ(誤): 二つの点で誤りです。第一に、指定第2類医薬品は「第2類医薬品のうち特に注意を要するもの」を厚生労働大臣が指定したものであり(薬機法第36条の7第1項)、「第1類医薬品のうち」ではありません。第二に、指定第2類医薬品は薬剤師・登録販売者のいずれも販売でき、「薬剤師でなければ販売することができない」のは第1類医薬品です。なお「特に注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する」という指定の仕組み自体は正しい表現です。
- ウ(誤): 第3類医薬品は「日常生活に支障を来す程度ではない」とされますが、「健康被害がゼロ」ではなく、添付文書の記載義務は免除されません。
- エ(誤): リスク区分は薬機法第36条の7に法的根拠があり、製造業者が独自に自由設定できるものではありません。
- オ(誤): 第1類にはスイッチOTC以外にも、承認審査等でリスクが高いと判断された成分が含まれます。
【リスク区分制度の法的構造と改正経緯】
一般用医薬品のリスク区分は、2009年(平成21年)の薬事法改正(当時)によって導入された制度です。改正以前は「甲類・乙類」という区分でしたが、消費者にとってわかりやすいリスクの「見える化」を目的として現行の三区分(+指定第2類)体系が整備されました。
区分の法令上の根拠:
薬機法第36条の7は「販売時の情報提供義務」を規定するにあたり、リスク区分を定義の基礎に置いています。ただし区分の具体的な品目は、薬機法施行規則および厚生労働省告示・通知によって指定されており、一般用医薬品として承認申請する際に区分が判定されます。
「日常生活に支障を来す程度」という表現の重要性:
第1類と第2類の定義は表面上よく似ており、試験でも混同されやすい箇所です。両者ともに「副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれ」という文言を含みます。整理すると:
- 第1類: このおそれがある成分を含む医薬品のうち第2類・第3類に相当しないもの(=最高リスク)
- 第2類: このおそれがある成分を含む医薬品のうち第1類に相当しないもの
- 第3類: 上記に該当しない一般用医薬品(日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれは低いが保健衛生上の注意は必要)
つまり、区分は「おそれの程度」と「第1類かどうか」という入れ子構造で決まります。
指定第2類医薬品の実務的意義:
指定第2類医薬品は、第2類の中でも特に注意が必要な医薬品です。実務上は陳列規制(情報提供を促す措置が必要)や情報提供の努力義務が強化される対象となります。具体例としては、コデイン含有製品(咳止め・鎮痛)、エフェドリン含有製品などが指定されています。
スイッチOTCと第1類の関係:
スイッチOTC(医療用から転用された成分)は確かに第1類に分類されることが多いですが、第1類のすべてがスイッチOTCではありません。承認後の安全性評価の結果として第1類にとどまり続ける成分もあります。また、市場投入後の安全性情報の蓄積によって、第1類から第2類へリスク区分が変更されることもあります(いわゆる「区分変更」)。
2024年以降の薬機法改正との関連:
令和7年改正(令和8年5月1日施行)により要指導医薬品のオンライン販売が一部解禁されましたが、第1類〜第3類のリスク区分定義自体に変更はありません。ただし、要指導医薬品が一定期間後に第1類に移行する流れ(要指導→第1類→第2類)という審査・移行プロセスの理解は引き続き重要です。
試験対策の重要ポイント:
1. 各区分の「定義の文言」を正確に覚える(第1類と第2類の定義は類似するため混同注意)
2. 指定第2類は「第2類の中の特に注意が必要なもの」
3. 第3類は「おそれなし」ではなく「日常生活に支障を来す程度ではない」
4. リスク区分は製造業者が独自設定するものではなく法令に基づく
【根拠】薬機法第36条の7(一般用医薬品の区分)・薬機法施行規則(区分の詳細)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「医薬品の分類・取扱い等」(薬機法第36条の7) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。