第4章 薬事関係法規・制度12薬事関係法規・制度(情報提供義務)

登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問12:薬事関係法規・制度(情報提供義務)

一般用医薬品のリスク区分別の情報提供義務に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 第1類医薬品の販売に際しては、薬剤師が書面を用いて必要事項を説明することが義務であり、購入者から説明不要の意思表示がある場合でも、書面の交付を省略することはできない。正答
  • 第2類医薬品の情報提供は薬剤師または登録販売者による努力義務であり、義務ではないが積極的に情報提供に努めることが求められる。
  • 第3類医薬品については、薬剤師または登録販売者による情報提供の義務規定はないが、購入者からの相談には応じる義務がある。
  • 指定第2類医薬品は、情報提供を積極的に行うため、購入者が情報提供を受ける機会を確保するための陳列上の措置が求められる。
  • 第1類医薬品の販売は薬剤師のみが行うことができ、登録販売者は第1類医薬品を販売することができない。
正答:第1類医薬品の販売に際しては、薬剤師が書面を用いて必要事項を説明することが義務であり、購入者から説明不要の意思表示がある場合でも、書面の交付を省略することはできない。

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正答はア(誤っているもの)です。

第1類医薬品の販売時、薬剤師による書面を用いた情報提供は義務ですが、購入者から明確に説明不要の意思表示があった場合は情報提供を省略できます。「書面交付を省略できない」という記述が誤りです。

イは正しく、第2類は努力義務です。ウは正しく、第3類は情報提供義務はないが相談への対応義務はあります。エは正しく、指定第2類は陳列上の措置が必要です。オは正しく、第1類を販売できるのは薬剤師のみです。

情報提供の「義務・努力義務・義務なし」という段階と、省略できる条件の組み合わせが試験の核心です。

標準試験対策の基準レベル

リスク区分別の情報提供義務まとめ(頻出・最重要):

| 区分 | 情報提供の義務 | 対応できる専門家 | 購入者申出による省略 |

|---|---|---|---|

| 要指導医薬品 | 義務(書面・対面) | 薬剤師のみ | 省略不可 |

| 第1類医薬品 | 義務(書面) | 薬剤師のみ | 可(購入者の意思表示あれば) |

| 第2類医薬品 | 努力義務 | 薬剤師または登録販売者 | — |

| 指定第2類医薬品 | 努力義務(+陳列措置) | 薬剤師または登録販売者 | — |

| 第3類医薬品 | 義務なし | 薬剤師または登録販売者 | — |

各選択肢の解説:

  • ア(誤・正答): 第1類医薬品の情報提供義務は薬機法第36条の10に規定があります。薬剤師による書面を用いた情報提供が原則義務ですが、購入者が「説明は不要」と明示し、薬剤師が適正使用できると判断した場合は省略できます。「説明不要でも省略できない」という点が誤りです。要指導医薬品とは異なる点として注意が必要です(要指導は購入者の申出があっても省略不可)。
  • イ(正): 第2類医薬品は努力義務(情報提供に努めなければならない)が課されます(薬機法第36条の10)。
  • ウ(正): 第3類医薬品の情報提供義務は法令上規定されていませんが、購入者から相談を受けた場合は対応する義務があります(相談応需義務・薬機法第36条の10)。
  • エ(正): 指定第2類医薬品は陳列において、購入者が情報提供を受けやすい措置(情報提供カウンターとの近接陳列など)が求められます。
  • オ(正): 第1類医薬品の販売従事者は薬剤師に限定されています(薬機法第36条の9。誰が販売できるかの区分を定める条文)。登録販売者は第1類の販売を行うことができません。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【情報提供義務制度の法的構造と実務的意義】

一般用医薬品の情報提供義務は、2009年(平成21年)改正薬事法から導入され、現行薬機法に引き継がれています。この制度の目的は、医薬品のリスクに応じて専門家が関与する機会を確保し、セルフメディケーションの安全性を担保することにあります。

第1類医薬品の情報提供義務と省略規定の詳細:

第1類医薬品の販売時は、薬剤師が書面(添付文書や説明書)を用いて以下の事項を説明する義務があります:

1. 名称

2. 成分・分量

3. 用法・用量

4. 効能・効果

5. 使用上の注意のうち当該者が注意すべき事項

6. その他薬剤師が必要と判断する事項

ただし、購入者が「説明を要しない」旨を申し出た場合は説明を省略できます(薬機法の規定)。これは要指導医薬品と決定的に異なる点です。要指導医薬品は購入者の意思表示があっても情報提供を省略できません(書面交付も義務)。この「省略できる/できない」の違いは頻出論点です。

要指導医薬品・第1類・第2類の比較(情報提供義務の観点から):

```

要指導医薬品:

→ 薬剤師のみ対応可

→ 対面義務・書面交付義務

→ 省略不可(購入者の意思表示があっても)

→ 令和7年改正で一部オンライン可(ただし特定要指導医薬品は対面必須継続)

第1類医薬品:

→ 薬剤師のみ対応可

→ 書面を用いた情報提供義務

→ 購入者の明示的な「不要」申出があれば省略可

→ オンライン販売(特定販売)も可だが薬剤師によるリアルタイム情報提供が必要

第2類医薬品(含む指定第2類):

→ 薬剤師または登録販売者が対応

→ 努力義務(情報提供に努めなければならない)

→ 指定第2類は陳列措置が追加で必要

第3類医薬品:

→ 薬剤師または登録販売者が対応

→ 情報提供の義務規定なし

→ ただし相談応需義務は共通して存在

```

相談応需義務(全リスク区分共通):

情報提供義務の有無に関わらず、購入者からの相談には誠実に対応する義務(相談応需義務)はすべての医薬品に適用されます。第3類でも「情報提供の義務はないが相談には答えなければならない」という点は試験でも問われます。

登録販売者の職域と「研修中」の扱い:

第1類医薬品の販売は薬剤師のみが行えますが、この「販売」には在籍要件が伴います。薬剤師が在籍していない時間帯には第1類医薬品を販売できません(販売中断措置が必要)。

また、登録販売者には「研修中」の概念があります。実務経験が不足している登録販売者(登録販売者資格を持つが実務経験2年未満)は「研修中の登録販売者」として、管理者(薬剤師または経験ある登録販売者)の下でのみ販売に従事できます。この場合、名札にも「研修中」と明記することが義務付けられています。

指定第2類医薬品の陳列措置の実務:

指定第2類医薬品は、販売対面カウンターから7メートル以内の距離に陳列するか、または情報提供を促す積極的な措置を講じることが求められます。ただし、この7メートルルールの詳細は既存のch4_08で扱われていますので、ここでは情報提供義務との関連を押さえるにとどめます。

令和7年改正(令和8年5月1日施行)の影響:

改正により要指導医薬品のオンライン販売が一定の条件下で可能になりましたが、第1類・第2類・第3類の情報提供義務の構造自体に変更はありません。第1類のオンライン販売時の情報提供方法(ビデオ通話等によるリアルタイム対応)の要件が実務上重要になっています。

試験対策の重要ポイント:

1. 要指導医薬品の省略不可 vs 第1類の省略可(購入者申出あり)の違い

2. 第1類=薬剤師のみ、第2・3類=薬剤師または登録販売者

3. 第3類は情報提供義務なし・しかし相談応需義務はある

4. 指定第2類は努力義務+陳列措置

【根拠】薬機法第36条の9(一般用医薬品の販売に従事する者の区分)・第36条の10(一般用医薬品に関する情報提供・相談応需)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 条番号を是正。第1類の書面情報提供・第2類の努力義務・相談応需はいずれも第36条の10(旧解説は第36条の9としていた)。販売従事者の区分(第1類は薬剤師のみ)が第36条の9。正答ア(第1類は購入者申出で省略可=省略不可は誤り)で一意・正しい -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「医薬品の分類・取扱い等」(薬機法第36条の9(販売従事者の区分)・第36条の10(一般用医薬品の情報提供・相談応需)) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

リスク区分ごとの情報提供義務と対応する専門家(薬剤師/登録販売者頻出度A

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