登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問16:薬事関係法規・制度(要指導医薬品)
要指導医薬品の定義・販売方法に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア要指導医薬品は、一般用医薬品のリスク区分(第1類〜第3類)の中で最もリスクが高い区分として位置づけられており、薬機法上、第1類医薬品の上位区分として規定されている。
- イ要指導医薬品の販売は薬剤師または登録販売者が行うことができ、その際の情報提供は努力義務にとどまるため、購入者から説明不要の意思表示があれば書面を用いた説明を省略できる。
- ウ要指導医薬品は、使用する本人(患者)だけでなく、家族やケアギバーが代わりに購入することもできるが、その場合も薬剤師による書面情報提供が必要である。
- エ令和7年改正(令和8年5月1日施行)により、すべての要指導医薬品についてオンライン(特定販売)による販売が可能となった。
- オ要指導医薬品から一般用医薬品(第1類)へのリスク区分の移行は、承認から一定期間(概ね3年)が経過し、市販後の安全性情報が蓄積された場合に行われる。正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。
正答はオ(正しいもの)です。
要指導医薬品は承認から一定期間(概ね3年)が経過し、市販後安全性情報が蓄積された後に第1類医薬品へ移行します。これが「要指導→第1類→第2類」という移行の仕組みです。
ア:要指導医薬品は「一般用医薬品のリスク区分」には含まれません。一般用医薬品とは別の区分です。
イ:要指導医薬品の販売は薬剤師のみが行え、薬剤師が対面で書面を用いた情報提供・指導を行う義務があり、購入者が説明不要と申し出ても省略できません(薬機法第36条の5・第36条の6)。よって「登録販売者も販売可・努力義務・省略可」とするイは誤りです。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 要指導は薬剤師のみ販売(第36条の5)、対面・書面で情報提供及び指導、購入者申出があっても省略不可(第36条の6)。元のイは法的に正しく正答オと二重正答だったため、明確な誤り記述に修正し正答をオに一意化 -->
ウ:使用者本人への販売が原則です。エ:「すべて」ではなく、特定要指導医薬品は引き続き対面必須です。
要指導医薬品の概要と第1類との比較:
| 項目 | 要指導医薬品 | 第1類医薬品 |
|---|---|---|
| 定義 | 医療用から一般用へ移行して間もない・スイッチ直後等のリスク評価中の医薬品 | 副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれある医薬品(要指導から移行したものを含む) |
| 販売者 | 薬剤師のみ | 薬剤師のみ |
| 情報提供 | 対面・書面義務・省略不可 | 書面義務・購入者申出で省略可 |
| 特定販売 | 原則不可(令和7年改正で一部解禁、特定要指導は対面必須継続) | 可(薬剤師のリアルタイム対応必要) |
| 販売対象 | 使用者本人(原則) | 本人・家族等も可 |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 要指導医薬品は「一般用医薬品」ではなく、薬機法上は別区分です。第4条の2等に独立した規定があります。「第1類の上位」という表現も不正確です(別カテゴリ)。
- イ(誤): 二重の誤りです。第一に、要指導医薬品の販売は薬剤師のみが行え、登録販売者は販売できません(薬機法第36条の5)。第二に、情報提供は努力義務ではなく義務であり、薬剤師が対面で書面を用いて情報提供・指導を行わなければならず、購入者が説明不要と申し出ても省略できません(薬機法第36条の6)。これは購入者の申出で省略可能な第1類医薬品との決定的な違いです。
- ウ(誤): 要指導医薬品は原則として「使用する本人」への販売が要件であり、家族等への代理購入は認められない(または極めて限定的)です。
- エ(誤): 令和7年改正により、「特定要指導医薬品」を除く要指導医薬品のオンライン販売が解禁されましたが、「すべて」という記述は誤りです。
- オ(正): 要指導医薬品から第1類医薬品への移行は、承認から概ね3年間の市販後調査等を経て安全性が確認された後に行われます(厚生労働省が移行を決定)。
【要指導医薬品制度の創設経緯と法的位置づけ】
要指導医薬品は、2013年(平成25年)の薬事法改正(薬機法への改称と同時)によって創設された区分です。この改正以前、医療用から一般用への「スイッチOTC」は承認直後から第1類として販売できました。しかし、承認直後の医薬品は市販後の安全性情報が十分蓄積されていないにもかかわらず、第1類として購入者の申出があれば情報提供省略可という扱いには問題があるとの指摘があり、より厳格な管理区分として要指導医薬品が新設されました。
「使用者本人」要件の厳格性と実務的課題:
要指導医薬品の販売は、原則として「使用する本人」に対して行うことが義務づけられています。これは、薬剤師が当人の状況・症状・服用中の薬等を直接確認した上で情報提供することで、医薬品の適正使用を担保するためです。
ただし実務上は、本人が来店できない場合(重篤で外出困難等)の取り扱いについて問題が生じます。代理購入の取り扱いは法令上の解釈が問われる場面であり、試験でも「本人への販売が原則」という知識が問われます。
令和7年改正(令和8年5月1日施行)の詳細:
令和7年改正は要指導医薬品の販売規制に大きな変更をもたらしました:
1. 特定要指導医薬品の新設: 濫用リスクが特に高いもの等として、引き続き対面販売・書面情報提供が義務付けられる「特定要指導医薬品」が規定されました。
2. 要指導医薬品のオンライン解禁(特定要指導以外): 薬剤師によるオンライン服薬指導(ビデオ通話等でのリアルタイム対応)を条件に、特定販売(ネット販売)が可能となりました。
3. 注意点: この改正は令和8年5月1日施行であり、試験問題の出題時点(令和8年度)では施行後の内容として出題されます。「要指導医薬品のすべてがオンライン可」という誤解に注意。
要指導医薬品から第1類への移行プロセス:
```
承認→要指導医薬品として販売開始
↓(市販後調査:約3年間)
↓(副作用情報・使用実態の蓄積)
厚生労働省が安全性を評価・移行決定
↓
第1類医薬品へ移行(薬機法施行規則の改正)
↓(さらに安全性蓄積・実績積み上げ)
第2類医薬品へ移行も可能性あり
```
この移行プロセスにより、OTC医薬品の市場では「同じ成分でも数年後にはリスク区分が下がる」現象が起きます。登録販売者として働く上では、この動的な区分変化を追う必要があります。
要指導医薬品の書面情報提供義務の内容:
薬剤師は要指導医薬品の販売時に、以下の事項について書面を用いて説明する義務があります:
1. 名称
2. 成分・分量
3. 用法・用量
4. 効能・効果
5. 使用上の注意のうち当該者が注意すべき事項
6. 薬剤師が必要と判断する事項
この情報提供は、購入者の意思表示(「説明不要」)によっても省略できないという点が、第1類との最大の制度的差異です。
試験で混同されやすい点まとめ:
| 論点 | 要指導医薬品 | 第1類医薬品 |
|---|---|---|
| 一般用医薬品か | いいえ(別区分) | はい |
| 販売者 | 薬剤師のみ | 薬剤師のみ |
| 情報提供省略 | 不可 | 購入者申出で可 |
| 特定販売 | 特定要指導は不可/その他は改正で可 | 可 |
| 対象者 | 使用本人原則 | 制限なし |
【根拠】薬機法第4条第5項第3号(要指導医薬品の定義)・第36条の5(要指導医薬品の販売従事者)・第36条の6(要指導医薬品の情報提供及び指導)、令和7年薬機法改正(令和8年5月1日施行)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 定義は第4条第5項第3号(旧記載「第4条の2」は誤り)。販売従事者=第36条の5、情報提供及び指導=第36条の6。正答オ(要指導→第1類への移行は概ね3年の市販後評価後)は手引き準拠で妥当 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「医薬品の分類・取扱い等」(薬機法第4条第5項第3号(要指導医薬品の定義)・第36条の5(販売従事者)・第36条の6(情報提供及び指導)) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。