第4章 薬事関係法規・制度17薬事関係法規・制度(特定販売・ネット販売)

登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問17:薬事関係法規・制度(特定販売・ネット販売)

特定販売(インターネット等を利用した医薬品の販売)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 特定販売を行う店舗販売業者は、あらかじめ都道府県知事等に届出を行うことが必要であり、届出なしに特定販売を開始することはできない。
  • 特定販売を行うウェブサイトには、取り扱う医薬品のリスク区分・販売業者の名称や許可番号・相談対応ができる薬剤師または登録販売者の情報等を表示しなければならない。
  • 令和7年改正(令和8年5月1日施行)により、「特定要指導医薬品」に指定されたものを除く要指導医薬品について、薬剤師によるオンライン服薬指導を条件に特定販売が解禁された。
  • 特定販売を行う場合、当該薬局・店舗に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品(薬局製造販売医薬品を含む)のみを販売でき、店舗以外の場所(倉庫等)に保管している医薬品を特定販売することは認められない。
  • 第1類医薬品の特定販売を行う場合、購入者が「情報提供は不要」と申し出て、薬剤師が適正に使用されると判断したときであっても、薬剤師による情報提供を省略することは一切できない。正答
正答:第1類医薬品の特定販売を行う場合、購入者が「情報提供は不要」と申し出て、薬剤師が適正に使用されると判断したときであっても、薬剤師による情報提供を省略することは一切できない。

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正答はオ(誤っているもの)です。

第1類医薬品は、購入者が「説明は不要」と申し出て、薬剤師が適正に使用されると判断したときは、情報提供を省略できます(薬機法第36条の10)。これは対面販売でも特定販売でも同じです。したがって「申出があっても一切省略できない」とするオは誤りです(購入者の申出があっても省略できないのは要指導医薬品です)。

ア:届出が必要で正しい。イ:ウェブサイトへの表示義務は正しい。ウ:令和7年改正の内容として正しい(特定要指導医薬品は引き続き対面必須)。エ:特定販売できるのは「当該薬局・店舗に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品等のみ」であり、倉庫等店舗外の在庫を特定販売することは認められません(薬機法施行規則)。よってエは正しい記述です。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 施行規則で特定販売は「当該薬局・店舗に貯蔵又は陳列している一般用医薬品・薬局製造販売医薬品のみ」。よって元の選択肢エ(倉庫不可)は法令上正しく、誤りではなかった=正答が誤っていた。第1類は購入者申出で省略可(第36条の10)なので「省略できない」とするオが唯一の誤り。正答をエ→オに変更 -->

標準試験対策の基準レベル

特定販売(薬機法第36条の8の2等)の主な要件:

| 要件区分 | 内容 |

|---|---|

| 届出 | 都道府県知事等への事前届出が必要 |

| ウェブサイト表示 | 販売業者の名称・許可番号・取扱品目・担当専門家情報等 |

| 取扱品目 | 第1類・第2類・第3類(要指導は令和7年改正で一部解禁) |

| 在庫要件 | 当該薬局・店舗に貯蔵又は陳列している一般用医薬品等のみ(倉庫等店舗外在庫は不可) |

| 情報提供 | 第1類は薬剤師による情報提供が必要(購入者の申出があり適正使用可能と判断したときは省略可) |

| 広告 | 薬機法の広告規制(第66条等)に準拠 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 特定販売を行う場合、都道府県知事(または保健所設置市の市長・特別区の区長)への届出が必要です(薬機法施行規則)。無届けで特定販売を行うことは法令違反となります。
  • イ(正): 特定販売のウェブサイトには、店舗の掲示板に記載する事項と同様の情報をウェブ上に表示することが義務付けられています。購入者がネット上で必要な情報を確認できる体制の確保が目的です。
  • ウ(正): 令和7年改正(令和8年5月1日施行)により、特定要指導医薬品を除く要指導医薬品について薬剤師のオンライン服薬指導を条件に特定販売が解禁されました。これは医薬品の適正使用とアクセス向上の両立を目指した改正です。
  • エ(正): 特定販売できるのは「当該薬局・店舗に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品(薬局製造販売医薬品を含む)のみ」です(薬機法施行規則)。倉庫等、店舗以外の場所に保管している医薬品を特定販売することは認められません。したがってエは正しい記述であり、誤りではありません。
  • オ(誤・正答): 第1類医薬品は、購入者が「説明は不要」と申し出て薬剤師が適正に使用されると判断したときは、情報提供を省略できます(薬機法第36条の10)。これは対面販売でも特定販売でも変わりません。購入者の申出があっても情報提供を省略できないのは要指導医薬品であり、第1類ではありません。したがって「申出があっても一切省略できない」とするオは誤りです。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【特定販売制度の創設・発展と令和7年改正の意義】

特定販売(インターネット・電話等による医薬品の販売)は、2014年(平成26年)の薬機法(当時:薬事法)施行規則改正により、第1類・第2類・第3類医薬品について認められました。それ以前の「インターネット販売禁止」を巡る行政・最高裁の議論を経て、法令上の枠組みが整備されました。

特定販売解禁の経緯(歴史的背景):

2009年(平成21年)の薬事法改正施行時、厚生労働省は省令により第1類・第2類のインターネット販売を禁止しましたが、最高裁判所が2013年(平成25年)に「省令による販売方法の制限は法律の根拠が必要」として当該省令を無効と判断しました。これを受けて2014年に薬機法施行規則が改正され、法令上の根拠を持つ特定販売制度が確立されました。

令和7年改正(令和8年5月1日施行)の詳細:

この改正は要指導医薬品の特定販売に関する大きな政策転換です:

1. 特定要指導医薬品の新設: 濫用のおそれが特に高いものや、重篤な副作用が懸念されるものなど、引き続き対面販売・書面情報提供を義務付ける医薬品として「特定要指導医薬品」が法令で規定されました。

2. 一般要指導医薬品のオンライン解禁: 特定要指導医薬品に該当しない要指導医薬品について、以下の条件でオンライン販売が解禁されました:

- 薬剤師によるオンライン服薬指導(ビデオ通話等によるリアルタイム対話)の実施

- 購入者本人の使用であることの確認

- 情報提供内容の記録・保管

3. この改正の社会的意義: へき地・移動困難者・共働き世帯等での医薬品へのアクセス改善が目的です。一方、対面での確認が困難になることによる安全性リスクとのバランスが課題です。

特定販売のウェブサイト表示義務(詳細):

特定販売を行うウェブサイトには、次の情報を見やすく表示することが義務付けられています:

1. 業者の名称・所在地・電話番号

2. 開設許可の種別・番号・年月日・許可権者

3. 担当する薬剤師・登録販売者の氏名

4. 取扱うリスク区分(第1類〜第3類)

5. 特定販売を行う旨(および特定要指導医薬品を取り扱う場合はその旨)

6. 相談対応の時間・方法

これらの情報は購入者がオンライン購入の際に意思決定できるよう、購入手続きの前に確認できる位置に表示する必要があります。

「在庫場所」の要件(選択肢エに関連):

特定販売の対象とできるのは「当該薬局・店舗に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品(および薬局製造販売医薬品)のみ」です(薬機法施行規則)。実店舗に陳列・貯蔵していない医薬品、すなわち倉庫等の店舗外在庫を特定販売することは認められません。これは、特定販売であっても実店舗での適正な保管・管理を前提とし、薬剤師・登録販売者による管理が及ぶ範囲の医薬品に限る趣旨です。したがって「店舗の在庫から販売できる(倉庫からは不可)」という選択肢エは正しい記述です。

第1類医薬品の特定販売と薬剤師対応:

第1類医薬品の特定販売を行う場合、薬剤師が情報提供を行える体制(ビデオ通話・電話等によるリアルタイム対応)が必要です。もっとも、第1類医薬品については、購入者が「説明は不要」と申し出て薬剤師が適正に使用されると判断したときは情報提供を省略できる(薬機法第36条の10)という規定が、対面販売・特定販売を通じて適用されます。購入者の申出があっても省略できないのは要指導医薬品であり、この点が第1類との制度的な差異です。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 第1類は購入者申出+薬剤師判断で情報提供を省略可(第36条の10)。対面・特定販売で同じ。省略不可は要指導のみ。本問の正答をエ→オに是正した根拠 -->

【根拠】薬機法施行規則(特定販売の方法・当該薬局店舗に貯蔵又は陳列している一般用医薬品等のみ・ウェブサイト表示事項)・薬機法第36条の10(第1類医薬品の情報提供・省略要件)、令和7年薬機法改正(令和8年5月1日施行)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「医薬品の分類・取扱い等」(薬機法施行規則 特定販売の方法・第36条の10(第1類医薬品の情報提供・省略要件)) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

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