第4章 薬事関係法規・制度23薬事関係法規・制度(医薬品の定義)

登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問23:薬事関係法規・制度(医薬品の定義)

医薬品の定義と「無承認無許可医薬品」に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 「専ら医薬品として使用される成分」とは、食品等へ添加することが法令上認められておらず、その成分を含む製品を「食品」として販売した場合でも医薬品として規制される成分をいう。
  • 医薬品の製造販売には、薬機法に基づく製造販売業の許可と、個々の品目ごとの製造販売承認の取得が必要であり、どちらか一方でも欠けると無許可・無承認医薬品となる。
  • 天然成分を原料とし、「健康によい」という趣旨の表示のみを行って販売する製品は、仮に医薬品的効能を謳っていなくても、成分・形状・販売方法によっては薬機法上医薬品とみなされる可能性がある。
  • 無承認無許可医薬品(薬機法に基づく承認・許可なく製造販売された医薬品)は、科学的に有効性・安全性が確認されていなくても、「自己責任で使用する旨の同意書」を添付すれば販売することができる。正答
  • 疾病の「診断」を目的とする医薬品(体外診断薬)も薬機法の規制対象であり、製造販売には承認が必要である。
正答:無承認無許可医薬品(薬機法に基づく承認・許可なく製造販売された医薬品)は、科学的に有効性・安全性が確認されていなくても、「自己責任で使用する旨の同意書」を添付すれば販売することができる。

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正答はエ(誤っているもの)です。

無承認無許可医薬品は、たとえ「自己責任の同意書」があっても販売することはできません。薬機法は消費者が同意しても無許可・無承認品を販売することを禁止しており、同意書は法的効力を持ちません。

アは正しく、「専ら医薬品成分」を含む製品は食品として販売しても医薬品規制が適用されます。イは正しく、許可と承認の両方が必要です。ウは正しく、天然成分・形状・販売方法によって医薬品とみなされる場合があります。オは正しく、体外診断薬も薬機法の規制対象です。

消費者の「同意」は薬機法の違反を正当化しない、という点が重要です。

標準試験対策の基準レベル

薬機法上の「医薬品」の定義(第2条第1項)の三類型:

| 類型 | 内容の例 |

|---|---|

| ① 日本薬局方収載品 | 日本薬局方(公定書)に収載された医薬品 |

| ② 疾病の診断・治療・予防を目的とする物 | 外用薬・飲み薬・注射薬・体外診断薬等 |

| ③ 身体の構造・機能に影響を及ぼすことを目的とする物 | ホルモン製剤・避妊薬等 |

これらに「人または動物に使用されること」が意図される物品が医薬品として規制されます。

各選択肢の解説:

  • ア(正): 「専ら医薬品として使用される成分」(例: エフェドリン・フェノバルビタール等)は食品への添加が認められておらず、これを含む製品は「食品」として販売しても医薬品として規制対象になります(無承認無許可医薬品となる)。
  • イ(正): 医薬品の製造販売には、①製造販売業の許可(事業者レベル)と②品目ごとの製造販売承認(品目レベル)の両方が必要です(薬機法第12条・第14条)。
  • ウ(正): 成分・形状(カプセル剤・錠剤等の医薬品形状)・販売方法・広告の組み合わせが「医薬品的」と判断される場合、医薬的効能の明示がなくても医薬品として規制対象になります(「無承認無許可医薬品の考え方」に基づく)。
  • エ(誤・正答): 薬機法は公衆衛生の観点から消費者の同意の有無に関わらず無承認無許可医薬品の販売を禁止しています。「同意書」を添付することで違法販売が合法化されるという解釈は誤りです。製造者・販売者の刑事責任は免れません。
  • オ(正): 体外診断用医薬品は、薬機法第2条第14項で「専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないもの」と定義される医薬品であり、品目ごとの製造販売承認が必要です。妊娠検査薬・尿糖・尿蛋白検査薬等の一般用検査薬もこれに含まれます。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 体外診断用医薬品は薬機法第2条第14項で「医薬品」と規定(医療機器ではない)。一般用検査薬(尿糖・尿蛋白・妊娠検査薬)も含む。製造販売承認が必要 -->
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【「医薬品」の定義の弾力性と「医薬品的効能標ぼう」の規制論理】

薬機法における「医薬品」の定義は、意図・目的・成分・形状・販売方法の総合的な判断によって決まります。この定義の弾力性こそが、食品・サプリメントを装った無承認無許可医薬品規制の根拠となっています。

「専ら医薬品として使用される成分」の法的意義:

厚生労働省は、医薬品成分として承認されており、かつ食品等に使用することが認められていない成分のリスト(「専ら医薬品として使用される成分」リスト)を公表しています。このリストに掲載された成分を含む製品は、それが「食品」「サプリメント」「健康食品」として販売・表示されていても、薬機法上の医薬品として規制されます。

例えば:

  • シルデナフィル(ED治療薬の成分)→ 「ダイエット食品」に混入させて販売→ 無承認無許可医薬品
  • エフェドリン→ 特定の用途での高用量配合→ 医薬品として規制
  • フェノバルビタール→ 食品への添加は認められない→ 含有製品は医薬品

「医薬品とみなされる基準」(いわゆる判断基準・三要素):

製品が医薬品かどうかの判断は、以下の要素を総合的に評価して行われます:

1. 成分: 医薬品成分(専ら医薬品成分)を含むか

2. 形状: カプセル・錠剤・アンプル等の医薬品形状か

3. 標ぼう(表示・広告): 疾病の治療・予防等の医薬品的効能を直接・間接に謳っているか

三要素のいずれかが「医薬品的」であれば、医薬品として規制される可能性があります。特に、医薬品的形状(カプセル・錠剤)だけで医薬品とみなされる場合もあります。

「自己責任の同意書」が無効である理由の法的分析:

薬機法による医薬品規制は、消費者の個人的な「同意」によって排除できません。その理由は:

1. 公衆衛生上の保護: 薬機法は「公衆衛生の向上及び増進」(目的規定)を法目的としており、個人の意思に優先する公益的規制です

2. 有効性・安全性の客観的確認の要請: 承認制度は「客観的な審査」によって安全性・有効性を確認する仕組みであり、当事者間の合意で代替できません

3. 情報の非対称性の解消: 一般消費者は医薬品の安全性・有効性を自分で判断できない→規制が必要

4. 刑事罰の存在: 無承認無許可医薬品の製造販売は刑事罰(懲役・罰金)の対象であり、同意書によって刑事責任は免除されない

体外診断薬の法的位置づけ(選択肢オに関連):

体外診断用医薬品は、薬機法第2条第14項で「専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないもの」と定義される「医薬品」です(医療機器ではありません)。販売には体外診断用医薬品の製造販売業許可が必要で、品目ごとの承認も必要です。一般用検査薬としては、尿糖・尿蛋白・妊娠検査薬が承認されており、これらも体外診断用医薬品(医薬品)として規制されます。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 体外診断用医薬品は薬機法第2条第14項の「医薬品」。一般用検査薬(尿糖・尿蛋白・妊娠検査薬)を含み、製造販売承認が必要 -->

無承認無許可医薬品の社会的問題:

現在も後を絶たない無承認無許可医薬品の問題:

  • 海外から個人輸入されたED治療薬・ダイエット薬に専ら医薬品成分が混入
  • インターネットで「サプリメント」として販売される違法品
  • 「健康食品」として流通しながら医薬品成分を配合した製品

こうした製品は有効性・安全性の確認がなく、重篤な副作用(心臓への影響・低血糖等)を引き起こすリスクがあります。登録販売者として、消費者からこうした製品について相談された場合には適切な注意喚起が求められます。

試験頻出ポイントのまとめ:

1. 医薬品の定義は「目的・成分・形状・標ぼうの総合評価」

2. 専ら医薬品成分を含む製品は食品表示でも医薬品規制が適用

3. 同意書・自己責任の申告で無許可販売は合法化されない

4. 体外診断薬(妊娠検査薬等)も医薬品規制対象

【根拠】薬機法第2条第1項(医薬品の定義)・第12条(製造販売業許可)・第14条(製造販売承認)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「医薬品の分類・取扱い等」(薬機法第2条第1項・第12条・第14条) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

医薬品の定義と範囲・無承認無許可医薬品・専ら医薬品成分頻出度B

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