登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問32:薬事関係法規・制度(薬局の機能認定)
地域連携薬局・専門医療機関連携薬局に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア地域連携薬局は、在宅医療への対応や入退院時の医療機関との情報共有等を行う機能を有する薬局として、都道府県知事が認定する。
- イ専門医療機関連携薬局は、がん等の特定の疾病に係る専門的な薬学的管理を行う機能を有する薬局として、都道府県知事が認定する。
- ウ地域連携薬局の認定を受けた薬局は、その旨を薬局の外側の見やすい場所に表示しなければならない。
- エ地域連携薬局の認定は一度受ければ永続するものであり、更新の申請を行う必要はない。正答
- オ地域連携薬局と専門医療機関連携薬局の認定は、同一の薬局が両方の認定を同時に受けることが可能である。
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正答はエ(誤っているもの)です。
地域連携薬局の認定は更新制であり、認定の有効期間は1年です。有効期間が満了する前に更新申請が必要で、「一度受ければ永続する」という記述は誤りです。
ア・イは正しく、地域連携薬局と専門医療機関連携薬局はいずれも都道府県知事が認定します。地域連携薬局は在宅医療対応・入退院時連携等が要件、専門医療機関連携薬局はがん等の専門的薬学管理が要件です。ウは正しく、認定薬局は外側の見やすい場所に認定を受けた旨を表示する義務があります。オは正しく、同一薬局が両方の認定を同時に受けることも可能です。
薬局の機能別認定制度の比較:
| 区分 | 地域連携薬局 | 専門医療機関連携薬局 |
|---|---|---|
| 対象機能 | 在宅医療・入退院時連携・24時間対応等の地域包括ケア | がん等特定の疾病に係る専門的な薬学的管理 |
| 認定者 | 都道府県知事 | 都道府県知事 |
| 認定の性質 | 更新制(有効期間1年・満了前に更新申請が必要) | 更新制(有効期間1年・同様) |
| 表示義務 | 認定された旨を薬局外側の見やすい場所に表示 | 同様 |
| 同一薬局での両立 | 可能(両方の認定を同時に受けられる) | 同様 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 地域連携薬局は、在宅での療養を受ける患者への対応・入退院時の医療機関との情報共有・夜間・休日の相談体制等を備えた薬局として都道府県知事が認定します。
- イ(正): 専門医療機関連携薬局は、がんなど高度・専門的な薬物療法を受ける患者への薬学的管理を行う機能を有する薬局として都道府県知事が認定します。
- ウ(正): 認定を受けた薬局は、薬局の外側の見やすい場所に認定を受けた旨(地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の文字等)を表示しなければなりません。これにより患者・消費者が認定薬局を容易に識別できます。
- エ(誤): 認定は更新制で、認定の有効期間は1年です。有効期間(1年)が満了する前に更新申請を行い、基準への適合を継続的に確認することが制度の仕組みです。「永続する」は誤りです。
- オ(正): 同一の薬局が地域連携薬局と専門医療機関連携薬局の両方の認定を同時に受けることは可能です。
【薬局機能認定制度の制度趣旨と導入背景】
地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の認定制度は、2019年(令和元年)の薬機法改正により創設され、2021年(令和3年)8月1日から施行されました。この制度は、薬局が単に医薬品を販売するだけでなく、地域の医療体制や患者の療養環境に積極的に関与する「かかりつけ薬局」機能の強化を制度的に担保するものです。
導入の背景:
日本の医療制度が「入院医療から在宅・地域医療への転換」を進めるなかで、薬局が果たすべき役割が変化しています:
1. 在宅医療の拡充: 高齢化に伴い、自宅や施設で療養する患者が増加し、薬の管理・服薬指導を地域の薬局が担う必要性が高まった。
2. 入退院時の医薬品管理: 入院時の持参薬確認・退院後の服薬継続支援において、薬局と医療機関の連携が重要となった。
3. 専門的薬学管理の需要: がん化学療法・免疫療法等の複雑な治療を地域で継続する患者に対し、専門的な薬学管理を行う薬局の必要性が認識された。
地域連携薬局の認定要件の概要:
認定要件は主に以下の観点から設定されています(詳細は都道府県知事の認定基準による):
1. 在宅対応: 在宅医療に係る調剤・訪問薬剤管理指導の実績
2. 情報連携: 入退院時における医療機関との間で患者の薬剤情報等を共有できる体制
3. 時間外対応: 夜間・休日等の相談対応体制(24時間対応等)
4. 地域連携: 地域の他の薬局・医療機関・介護施設との連携実績
5. 研修: 薬剤師が在宅医療・地域連携に関する研修を修了していること
専門医療機関連携薬局の認定要件の概要:
専門医療機関連携薬局では、以下が主な認定要件です:
1. 専門的知識: 当該疾病(がん等)に係る専門的な薬学知識を有する薬剤師の配置
2. 専門医療機関との連携: 当該疾病に係る専門的な医療を提供する医療機関との連携体制
3. 調剤実績: 当該疾病に係る医薬品(抗がん剤等)の取扱い実績
4. 患者への対応: 当該疾病の患者への服薬指導・副作用管理の体制
認定の更新制の意義:
更新制を採用することで、認定薬局が継続的に認定要件を満たしているかを定期的に確認できます。地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の認定の有効期間はいずれも1年であり、有効期間が満了する前(実務上は満了の2か月前〜1か月前頃)に更新申請を行う必要があります。一度認定を受けた後に体制が低下しても「認定薬局」を名乗り続けることを防ぎ、消費者保護を確保するための仕組みです。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 認定の有効期間は1年。薬機法施行規則および各都道府県の認定運用(更新は満了2か月〜1か月前頃に申請)で突合 -->
健康サポート薬局との違い(比較整理):
地域連携薬局・専門医療機関連携薬局と混同されやすいのが「健康サポート薬局」です。健康サポート薬局は都道府県知事への「届出制」(認定ではない)であり、一般的な健康相談・セルフメディケーション支援に重点を置いています。一方、地域連携・専門医療機関連携は「認定制」であり、より高度・専門的な機能が要件となります。
登録販売者として知っておくべき点:
登録販売者は薬局の薬剤師ではありませんが、認定薬局が提供するサービスの全体像を理解することで、顧客への情報提供が充実します。「この薬局は地域連携薬局なので在宅医療の相談もできます」という案内が実務上の差別化につながります。
【根拠】薬機法(薬局機能の認定に関する規定)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(薬局機能の認定制度) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。