登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問34:薬事関係法規・制度(法定表示)
医薬品の容器・被包への法定記載事項に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア一般用医薬品の直接の容器には、医薬品の名称、製造販売業者の氏名または名称および住所を記載しなければならない。
- イ医薬品の容器・被包に記載すべき事項は、製造販売業者が見やすい場所に日本語で記載することが原則であるが、外国語のみの記載が認められている場合もある。
- ウ毒薬・劇薬に該当する医薬品の直接の容器または直接の被包には、「毒」または「劇」の文字を白地に黒字で記載しなければならない。正答
- エ一般用医薬品の外箱(直接の容器の外側の容器または被包)には、当該医薬品のリスク区分を示す文字を記載しなければならない。
- オ医薬品の容器・被包に記載された使用期限は、適切な保存条件下において品質が保たれる期限を示すものであり、開封前の状態が前提となっている。
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正答はウ(誤っているもの)です。
毒薬は「毒」の文字を黒地に白字で、劇薬は「劇」の文字を白地に赤字で記載しなければなりません。ウの記述(白地に黒字)は毒薬・劇薬どちらとも合いません。
ア・イ・エ・オはいずれも正しい記述です。直接の容器には名称・製造販売業者等の記載が義務づけられており、日本語表記が原則です。一般用医薬品の外箱にはリスク区分(第1類・第2類・第3類)の記載が必要です。使用期限は開封前・適切な保存条件下での品質保持期限を意味します。
毒薬・劇薬の表示規定(正しい色彩区分):
| 区分 | 文字 | 背景色 | 文字色 |
|---|---|---|---|
| 毒薬 | 「毒」 | 黒 | 白 |
| 劇薬 | 「劇」 | 白 | 赤 |
医薬品の容器・被包の主な法定記載事項:
| 記載事項 | 記載の要否 |
|---|---|
| 医薬品の名称(販売名) | 必須 |
| 製造販売業者の氏名または名称・住所 | 必須 |
| 製造番号または製造記号 | 必須 |
| 重量・容量または個数等の内容量 | 必須 |
| 使用期限 | 必須 |
| リスク区分(一般用医薬品) | 外箱に記載必須 |
| 習慣性・副作用に関する注意事項 | 必要に応じて |
各選択肢の解説:
- ア(正): 直接の容器への名称・製造販売業者の氏名または名称・住所の記載は義務です。
- イ(正): 記載は日本語が原則ですが、外国から輸入された医薬品等で一部外国語表記が認められる場合があります。
- ウ(誤): 毒薬は「黒地に白字で毒」、劇薬は「白地に赤字で劇」が正しい規定です。白地に黒字という記述は毒薬・劇薬いずれにも該当しません。
- エ(正): 一般用医薬品の外箱には「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」等のリスク区分を示す文字を記載しなければなりません。
- オ(正): 使用期限は開封前の状態(適切な保存条件下)における品質保持期限を示します。開封後は使用期限にかかわらず品質が変化することがあります。
【容器・被包の法定記載制度の目的と法的根拠】
医薬品の容器・被包への記載事項は、薬機法に規定されており、購入者が医薬品を正しく識別・使用するための最低限の情報を保証するものです。製造販売業者は定められた事項を見やすい場所に明確に記載する義務を負い、違反した場合は行政処分の対象となります。
「直接の容器」と「外側の容器(外箱)」の区分:
- 直接の容器(直接の被包): 医薬品に直接接触する容器(錠剤を入れたPTPシート・アンプル・バイアル等)。最も基本的な法定表示の場所。
- 外箱(直接の容器の外側の容器・被包): 直接の容器を収めた外側の箱・袋等。外側から確認しやすい情報を記載する場所。リスク区分・使用上の注意の要約等が記載される。
毒薬・劇薬の表示規定の詳細と理由:
毒薬・劇薬の表示色分けは、医薬品の危険度を一目で識別するための規定です:
- 毒薬(黒地に白字「毒」): 毒薬は最も毒性が強い医薬品であり、誤用・悪用を防ぐため、強烈な印象を与える黒地・白字の表示が義務付けられています。
- 劇薬(白地に赤字「劇」): 劇薬は毒薬に次ぐ危険性を持ち、赤字表示で視覚的な警戒を促します。
この色分けは暗記のポイントであり、「毒=黒・白(毒は黒い印象)」「劇=白・赤(劇は赤い警告)」として覚えることができます。
リスク区分の記載義務と実務上の意味:
一般用医薬品の外箱へのリスク区分記載は、購入者が購入・使用前にリスクの程度を把握できるようにするためのものです。
実際の外箱では以下のような表示がなされます:
- 第1類医薬品:「第1類医薬品」の文字(薬剤師からの書面情報提供が必要)
- 指定第2類医薬品:「2」を丸または四角で囲んだ表示
- 第2類医薬品:「第2類医薬品」の文字
- 第3類医薬品:「第3類医薬品」の文字
この表示は、レジカウンターや棚で購入者が自ら確認できる「最初の情報」として機能します。
使用期限の法的意味と開封後の品質:
使用期限は薬機法上の義務的記載事項ですが、重要な前提があります:
1. 開封前・適切な保存条件下: 使用期限は、製造者が設定した適切な保存条件(温度・湿度・光等)のもとで開封しない状態で保管した場合の品質保証期限です。
2. 開封後の品質保証は別途: 開封後は使用期限内であっても品質が変化することがあります。例えば、防腐剤が添加されていない点眼薬は開封後4週間以内に使用するよう指示されることが多く、使用期限(製造後3年等)とは別の制限があります。
3. 消費者への伝え方: 登録販売者として、「この使用期限は開封前のものです。開封後は別途、添付文書の指示に従ってください」と説明できることが大切です。
記載事項違反の法的効果:
法定記載事項が欠如・虚偽の医薬品は薬機法上の不正品として扱われ、販売・授与が禁止されます。また、記載義務違反は製造販売業者に対する行政処分(業務改善命令・許可取消等)の対象となります。購入者が記載なし・虚偽記載の医薬品を持ち込んだ場合、登録販売者はその旨を説明し、正規品か確認を促す対応が望まれます。
添付文書との関係:
容器・被包への記載と添付文書の記載は補完関係にあります。容器・被包には必須事項を簡潔に記載し、詳細な使用上の注意・副作用・相談事項等は添付文書に記載されます。近年の電子化対応により、添付文書の同梱省略が認められ、電子的方法での提供が増えていますが、容器・被包への法定記載事項は変わりません。
【根拠】薬機法(容器・被包の記載事項・毒薬劇薬の表示規定)、薬機法施行規則、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第2節
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第2節「医薬品の販売業の許可等」(容器・被包の記載事項) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。