登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問35:薬事関係法規・制度(指定薬物規制)
個人輸入・指定薬物(危険ドラッグ)の規制に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア指定薬物は麻薬や向精神薬と同じ法律(麻薬及び向精神薬取締法)によって規制されており、薬機法とは関係がない。
- イ指定薬物は、中枢神経系への作用により、幻覚・興奮・抑制等の効果を生じさせるおそれがある物として厚生労働大臣が指定するものであり、その販売・授与等は原則として禁止されている。正答
- ウインターネットを通じた医薬品の個人輸入は、国内の薬機法上の規制が一切適用されないため、外国の薬局から購入した医薬品を個人使用する行為は常に合法である。
- エ日本国内での販売・使用が禁止されている指定薬物であっても、個人が海外旅行の土産として少量を持ち帰ることは適法とされている。
- オ指定薬物の製品を「合法ハーブ」「アロマ」等の名称で販売することは、医薬品として表示していないため薬機法上の規制を受けない。
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正答はイ(正しいもの)です。
指定薬物は、中枢神経系に作用して幻覚・興奮・抑制等を生じさせるおそれがある物として厚生労働大臣が指定するものです。その製造・輸入・販売・授与・所持・購入・使用等は、医療等の目的以外では原則として禁止されています。
アは誤りで、指定薬物は薬機法に基づいて規制されます。ウは誤りで、個人輸入であっても日本の薬機法の規制が適用される場合があります。エは誤りで、指定薬物を海外から少量持ち帰る行為も規制の対象となります。オは誤りで、名称が「合法ハーブ」等であっても、実質的に指定薬物であれば薬機法上の規制を受けます。
指定薬物規制の主なポイント:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 規制根拠 | 薬機法(医薬品医療機器等法)に基づく |
| 指定権者 | 厚生労働大臣 |
| 指定の要件 | 中枢神経系への作用により幻覚・興奮・抑制等の効果を生じさせるおそれのある物 |
| 禁止行為 | 製造・輸入・販売・授与・所持・購入・使用等(医療等の目的を除く) |
| 「名称偽装」への対応 | 実質的に指定薬物であれば表示名にかかわらず規制対象 |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 指定薬物は薬機法(医薬品医療機器等法)で規制されます。麻薬及び向精神薬取締法とは別の法律による規制です(ただし麻薬等に昇格指定される場合もあります)。
- イ(正): 指定薬物の定義・規制の根拠として正しい記述です。厚生労働大臣が指定し、医療等の目的外での取扱いは全面的に禁止されています。
- ウ(誤): 個人輸入であっても日本の薬機法の規制が適用される場合があります。特に、国内で承認されていない医薬品を輸入する場合は、本人使用に限り例外的に許容される場合があるものの、指定薬物・無承認の危険品については認められません。
- エ(誤): 指定薬物の所持・持ち帰り行為は「少量」「個人使用」であっても禁止されています。
- オ(誤): 名称が「合法ハーブ」「アロマ」「バスソルト」等であっても、実質的に指定薬物に該当する成分が含まれていれば規制対象です。「薬品と表示していないから規制外」という解釈は誤りです。
【指定薬物制度の制度趣旨と法的根拠】
指定薬物(いわゆる危険ドラッグ)に関する規制は、薬機法(医薬品医療機器等法)第2条第15項および関連規定に基づきます。危険ドラッグは、麻薬・向精神薬としての規制を免れるために化学構造を微妙に改変した物質(デザイナードラッグ)として広まり、重大な健康被害・交通事故等の社会問題を引き起こしたことから、規制が大幅に強化されました。
指定薬物の定義と指定のしくみ:
薬機法における指定薬物の定義:「中枢神経系の興奮もしくは抑制または幻覚の作用(当該作用の維持または強化の作用を含む。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物」として厚生労働大臣が指定したもの。
厚生労働大臣は、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定薬物を指定します。新たな化学物質が危険ドラッグとして出回ると、速やかに調査・分析を行い、指定薬物として追加指定する仕組みが整えられています。
禁止行為の範囲:
指定薬物については、医療等の目的(医師の処方による治療的使用・試験研究)以外での以下の行為が禁止されています:
1. 製造
2. 輸入(個人輸入を含む)
3. 販売・授与
4. 所持
5. 購入・譲受
6. 使用
2014年(平成26年)の薬機法改正(当時は薬事法)で、「所持」「購入」「使用」まで禁止対象が拡大されました。これ以前は、製造・販売等のみが禁止されており、購入・使用者側の規制が不十分だったため規制強化が行われた経緯があります。
「合法ハーブ」等の名称偽装への対応:
かつて危険ドラッグは「合法ハーブ」「脱法ハーブ」「アロマ」「バスソルト」「お香」等の名称で販売され、「薬品ではない」と称することで規制を免れようとする事業者が多数存在しました。薬機法はこれに対応するため、「医薬品として表示しているか否か」にかかわらず、実質的に指定薬物の成分が含まれていれば規制対象とする立場を明確にしています。
個人輸入規制との関係:
医薬品の個人輸入については、自己の疾病治療のために海外から医薬品を輸入する場合、一定の数量・条件のもとで認められるケースがあります(いわゆる「個人輸入の特例」)。しかし、指定薬物については医療目的の場合を除きこの特例は適用されず、輸入行為自体が禁止されます。
また、国内で承認されていない外国の医薬品を「個人輸入」する場合でも、日本の薬機法(使用禁止・所持禁止等)が適用される点に注意が必要です。「外国で合法的に購入した」「向こうでは医薬品扱いではない」という事情は、日本での規制免除の根拠になりません。
登録販売者として知っておくべき実務対応:
登録販売者として、購入者から危険ドラッグ・指定薬物に関する相談(「インターネットで売っているハーブは大丈夫か」等)を受けた場合:
1. 指定薬物に該当する可能性を説明する
2. 厚生労働省・PMDA等の公式情報を参照するよう案内する
3. 疑わしい製品は購入・使用しないよう勧める
4. 必要に応じて警察・保健所への相談を促す
「名称が怪しくないから大丈夫」という安易な判断を避け、成分の実態に基づいて判断することが重要です。
【根拠】薬機法(指定薬物に関する規定)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(指定薬物・個人輸入) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。